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ルールズ読了

こんにちは。ラビラビです。

ポルノグラフィティ、新藤晴一著「ルールズ」をようやく読みました。

「時の尾」は以前に読んで、なるほど、晴一さんらしい世界観だなと思ったのですが、これも違う意味で晴一さんらしいと感じました。

「時の尾」は「カルマの坂」を喚起させるストーリーで、「ヴァグラント」の世界観を見てみても、彼の好きなテイストなのだろうと想像します。

うってかわって「ルールズ」は、彼の身近なものを題材にし、シリアスさも薄いので、ギタリストらしくはあれども、「時の尾」に比べると、晴一さんらしさは多少劣ると思いました。

しかし、両方ともに共通して面白いのは間違いない。

読みやすくてスッと理解できるのですが、よくよく読んでみると凝った表現も使っているのがわかります。
彼が詞で書いているような、美しくロマンチックな表現です。

それに、登場人物一人一人の背景が用意されていて、どの人にでも感情移入して読むことができる。
それぞれの感情が分かるので、その人の葛藤と成長が不自然でなく理解できる。

これは、簡単なようでなかなか難しいことです。
青年の成長物語を書こうと思ったら、その子がどうして成長したのか、きっかけを丁寧に表現しなくてはならない。
人は急に成長したりはしないから、いかに不自然でなくその子を成長させるかの塩梅が難しい。

それが、読者が納得するように書かれ、美しい表現を用いながらも、全体としては分かりやすくライトに仕上がっている。

さすが、と思いますね。晴一さんは文章を書くことに長けていますよね、本当に。

あと、不思議に思ったのは「ルールズ」というタイトルの意味。最後まで読んでみても明確な答えは出ませんでした。
ご存知の方いらっしゃったら、教えてください!

個人的注目ポイントは、最後の辺りで出てくる広島出身のバンド。いや、絶対ポルノのことやん!って、クスッと笑えます。


最後に。
「ルールズ」を読みながら、晴一さんも本当はハードロックもやってみたかったのかなと、思いました。
おっ勃つくらいの激しいロックを(実際にそういう表現が何度か出てくる)やりたかったのかもなあ、と。


ということで、みなさん、ぜひ読んでみてください。「ルールズ」も、「時の尾」も!

そして、晴一さんを、ポルノグラフィティを、いっぱい愛でましょう。

では、さようなら。

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