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迷った時に立ち戻れる教育ビジョンがあるか?

4月18日と19日にGIGAスクール自治体ピッチが開催されました。
GIGAスクール構想第2期※を見据えた学習者用コンピュータ1人1台端末の整備・更新に当たり、都道府県・市町村教育委員会に対してプレゼンテーションが行われました。プレゼンテーションは、「1.リアルタイム登壇」、「2.オンデマンド録画」のどちらかの方法で参加することができます。
※GIGAスクール構想第2期は令和6年度(2024年度)から令和10年度(2028年度)の期間を範囲とします。

私たちはEdTechツールのため、オンデマンド録画による参加でした。
対してOSを提供する、Google、Apple、Microdoft社。
そして端末、ハードウェアキーボード、スタンド、タッチペン、端末カバーなどをバンドルして提案するパートナーさまはリアルタイムによる登壇でした。時間は質疑を含めて15分のプレゼンテーションです。

どれも魅力的な提案をされていたこともあり、都道府県・市町村教育委員会さまはICT整備をするにあたって、いろいろ悩みが出てきたかと思います。

私自身、GIGAスクール構想第1期からEdtechツールの人間として関わっていたこともあり、過去に各都道府県・市町村教育委員会がどのような段取りで進めていたか?そして選定するにあたって何を大事にしていたか?
この目でさまざまな取り組みを見てきましたが、共通して大事にしていたことがあったので事例も交えてご紹介します。


迷った時に立ち戻れる、教育ビジョンがあるか?

自治体の都道府県・市町村教育委員会の方で、今回のGIGAスクール構想第2期のICT整備をする担当者さまは、さまざまな情報が提供され、情報整理する時間もなく、予算どりや選定が始まると思います。
おそらく目の前の業務に追われ、その場で判断する機会が増えることで何を基準に進めればいいか迷うことがで出てくるはずです。

GIGAスクール構想第1期もコロナ禍でICT整備が進められたこともあり、全国の市町村教育委員会の方は、どれを選定するか迷い、そしてさまざまな試行錯誤をしていた様子を今でも覚えています。
しかし、そのような場合でも、最適なICT整備ができた自治体に共通していたのは、結局は各市町村教育委員会が掲げる「教育ビジョン」に立ち返って計画をしているところでした。
子どもたちにどのようなICT教育の価値を提供したいのか?なぜ、その価値を届けたいのか?委員会内や現場の先生と話し合い、構築した考えや思いをブレずに持ち、そして着実にICT整備を行い、1人1人の先生に掲げる教育ビジョンを何度も伝えているところでした。

少しばかりですが、教育ビジョンを掲げICT整備をし授業で端末活用を積極的に展開している自治体をご紹介します。

新潟市教育委員会

これからの社会をたくましく生き抜く力の育成
~学・社・民の融合による人づくり、地域づくり、学校づくり~
AppleのHPにも掲載されていましたが、子どもの主体性やかかわりを重視しながら問題や課題を解決していく授業づくりを目指しているのが動画からも伝わってきます。

岐阜市教育委員会

希望あふれる未来を自ら拓く力を育む教育
一斉授業から個別最適へと授業のOS転換を図るデジタル・シティズンシップ教育を進めています。

戸田市教育委員会

とだっ子 やり抜く力で 未来に夢を
ICTの文房具化した活用を目指すために、「SAMRモデル」を打ち出し
「ICTによって何の力を付けることを目指すのか (What)、そのためにどういった段階を経て進めていくべきか (How)」を分かりやすく示しています。

https://www.city.toda.saitama.jp/uploaded/life/110683_222239_misc.pdf

四国中央市教育委員会

人がまんなか 子どもがまんなか 未来を拓く 人づくり ~「あったかな四国中央市の教育」~

未来を拓く子どもたちを育成する学校教育のために、令和 4 年 8 月に「Google for Education パートナー自治体」に、翌年 2 月には全国で初めて「ロイロ認定自治体」 になるなど、IT 企業との連携も積極的に図っ てきました。

https://www.city.shikokuchuo.ehime.jp/uploaded/attachment/22051.pdf

京都市教育委員会

全ての子どもが自らの可能性を最大限発揮できる、新しい教育の創造
学びの当事者として、デジタルならではの強みを理解し活用することで、自分らしい学びを実現するとともに、多様な他者と協働しながら、粘り強く挑戦を続ける姿を目指すために、全ての学習の基盤となる資質・能力である「情報活用能力」の育成に教育課程全体で取り組んでいます。

松山市教育委員会

自ら問いを立て、その解決に向けて 挑み続ける学びを求めて
Society 5.0 を 生き抜くために、これまで蓄積してきた教育と最先端のICTのベストミックスにより学習の基盤となる情報活用能力や学力、資質能力の育成に取り組んでいます。

まとめ:ICT整備に正解・完璧はない

教育ビジョンとは、未来の学びのあり方やこどもたちの未来の姿を定義することなのかもしれないと感じています。
それらの事例を今回は6自治体ほど紹介させていただきました。(ほかにも紹介したい自治体はたくさんあるのが贅沢な悩み・・・・)

端末や周辺機器、そしてEdTechツール選定は、これらのビジョンを実現するための手段としてどのように機能するかを考えることが重要ではないでしょうか?

そして、これだけは言えますが正解のICT整備や完璧なICT整備はありません。今回紹介した自治体も各特徴に合わせたICT整備をしています。なぜなら教育の目指す姿は千差万別だからです。

これから様々な検討をする自治体様に、自分の今までの知見やノウハウがお役に立つならばいくらでも紹介して行きます!

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