見出し画像

(解説&レビュー)ScHoolboy Q- Blue Lips


はじめ

2014年でOxymoronでビルボード200で1位取り輝かしくメジャーデビューしたQ。

デビュー当時のQ


それから10年経った今でもラップシーンに名前を残るベテランだ。

2024年のQ


彼のラップのスキル。デリバースキルとストーリーテラースキルはトップレベルだ。
今作Blue Lipsも、彼のスキルをしっかり楽しめる作品になっている。また、彼が選び独特のビートも今作をより一層良いものにしている。

Blue Lipsとは、顔や唇が青ざめてしまって、何も言えない状態のことだ。
何に対してQがそうなってしまっているか考えながら聞くとアルバムが進むにつれて判明していくのが、面白い。

noteではリリック中心に紹介して、youtubeでは歌詞とビートも紹介する。

本編

1曲目のFuuny Guyが始まる。

Bring the dope, bring the hoes, bring the money bags in
ドラックを持ってきてくれ、ビッチたちを連れてこい、大金をもってこい

みんなにとって面白いやつ(Fuuny Guy)は物質主義的で遊んでいる奴がおもしろいと思っているけど、

But it's-a me, Groovy-o
俺は俺だ

自分は自分を持っていると宣言する

2曲目は初っ端からハードなラップが繰り広げられる。

Ol' fuckface punk-rock biatch
古臭くてだらしないやつだな!

物質主義的な奴らに対してアンサーで、自分がリアルであることを証明する良曲。

3曲目のTHank god 4 meでは、

I swear to God my whole thang been wicked
Tried to keep the peace but all I piece around is bitches (Bitches, uh-oh)
神に誓って俺がやったことは辛かった。
平和的にありたいけど、悪いことが周りについて回ってくる。

と語る。
4曲目のBlue slidesでは、マックミラーが亡くなったことと裏切りがあったことで鬱の辛さをラップする。

Movieに出てくるような女や皆が羨む生活を手に入れたQ。しかし、またしても人間関係のミスに悩む。
そんな中、8曲目Cootiesが始まる。
Cootiesは異性と接することが難しい病気のこと。
異性との関係に悪戦苦闘するQ。一方でラップのスキルを高めていくことで自信や社会的地位を高めた。
ラッパーとして成功し子供も授かり幸せなQに悲劇が起きる。アメリカの銃乱射事件だ。娘がいるQは父親として社会全体が不安定になっていること問題視する。

Mass shootings, when will they stop it? Hmm
'Nother kid gone for unlimited profits
Rather keep my kid home, before you fuck up the process
I'd rather die and lose it all, before they don't get the knowledge
I'd rather die and lose it all, before I turn on my partners
いつになれば安全になるんだ。
子供たちが利益のために死んでいく。
銃規制がないなら、子供は家に居させるべきだ
教育が終わる前に失うなら死んだ方がマシ。
家族を失うのはごめんだ

一家の主人としての役割を果たしているQ。そんなQをまだ邪魔してくる奴らに次の曲(oHio)で喝を入れる。11曲目のFirstでドラック依存から克服までをストーリーベースにしてラップする。

I was the first one movin' that 'script How to get lit, how to get blicks How to get fix, how to get mix '09 Wop, I was tryna go Wayne
これスタイルを築いたのは俺だ。有名になる方法、銃を扱い方、ドラックの入手方法。ミックスする方法。2009年のリルウェインにみたいになりたかった。

リルウェインのようなラップスキルを持つことと彼のようにドラックを使用することの2重意味を持っている。
この歌の後半にQはこのようにラップする。

Picture me groovin', found hate through they skin
Stuck in my head like a prisoner cell
I'm full of myself
俺が気持ち良くなると、ヘイトを肌に感じる
監獄の閉じ込まれいる時のように自分のことに集中している。

ドラックのことに頭がいっぱいだったQ。今は自分のこと(ラッパーとしたのキャリアやラップスキル)に集中していると読むことができる。

ラッパーとしての成功と語ると同時に辛い下積み時代もLost timeでラップする。

1986年でドイツ生まれのQが歌うGermany 86。
成熟した大人になり、お母さんに対しての感謝と語り、危険な地域で育ち、仲間たちが亡くなっていくところも目の当たりにしたが、ストレートに(まっすぐに)生きていることに誇りをもっているとラップする。

ポジティブな気持ちのまま最後の曲Smile。
今作のタイトル「Blue Lips」。なにに対して何も言えなくなっているか曲を追っていくことで判明した。それは「ドラック」「裏切り」「ヘイター」だ。
この曲の最後にこのようにラップしている。

You make me smile
You make me, me smile, smile, smile, ow
That's it
君たちが俺を笑顔させてくれる。
君たちだけがそうさせてくれる。
以上だ。

君たちとは?支えてくれる家族友達のことだ

まとめ

8.5/10点満点
グッドなポイント
・単純に聞いていて楽しいアルバム
-様々なスタイルのビートとラップスタイル
-フレックスするだけじゃない、内省的な部分

バッドなポイント
・センシティブなテーマなだけに深く語られていない
-裏切りや逮捕歴があるとQは語ってたが、もうすこし深掘りしてほしかった。

以上、ラップ大好き、ラップ先生でした。

いいねとシェアしてUSラップを広げよう!
応援お願いします🙇

ここから先は

0字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?