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6勝4敗で年20〜30%のリターンをめざす 株式投資の定石 橋口宏行

●全勝の人は誰もいない


投資ってなんだ?
あなたがチェーン店グループの社長だったとしましょう。
いま儲かっている支店と、儲からない不採算の支店があったとします。
どうしますか?
当然、不採算の支店を閉店しますよね。
そして儲かっている、経営環境が良い支店に力を入れる。
つまり、「コア・コンプタンスに全経営資源を集中する!」ということです。
これ、現代の経営常識。
戦略とは、切ることなり!
しかし、実際に株式投資では真逆のことをする人が多い。
儲かると、すぐに利食い売り(せっかくこれからも儲かりそうな支店を閉店をして)、
損している銘柄は値段が元に戻るまで粘って持ち続ける(儲からない支店を維持し続けて赤字を垂れ流す)

●大多数の投資家は、高いときに買い、安いときに売っている


大多数の投資家は損を大切に保管している
証明しましょう。
信用取引という制度があります。
証券会社からお金を借りて株を買う制度です。
だから、証券会社や証券取引所が正確な統計を出すことができます。
信用取引の評価損益率。
つまり、信用取引をやっている人がどれだけ儲かっているか(損しているか)を示す指標です。
その指標は通常、マイナス20%からゼロの数値になります。
評価損益がマイナスってことは、信用取引をしている人(ほとんどが個人投資家)は大多数が失敗している。
信用取引をしている人いは個人投資家の中でもベテランであり「株式投資が上手い人」が多いはずです。
個人投資家は損した銘柄をじっと大切に長〜く保有しているということを意味しています。
信用取引は、正確な統計値が出るから証拠として挙げただけです。
大多数の個人投資家は、赤字を垂れ流しの不採算店を抱え続け、金の卵を産む優良店をサッサと閉店しています。

●移動平均線とMACD


25日線と75日線の移動平均線がゴールデンクロスすると強気相場に、デッドクロスすると弱気相場に入ったと言われます。
GCは買いサインで、DCは売りサインだと多くの人が誤解しているようです。
チャートを見ると、GCが出る頃はすでに株価は上がった後、DCは下がった後だとわかります。
移動平均線を使ったGC、DCは遅行指標、すなわち後からダメ押しの確認ができるサインであり、
それを見てから買ったり売ったりするサインとして使うのは遅いのです。
そして、これらを改善したのがMACDという指標です。
MACDがシグナルラインを上から下に抜けるがMACDのDC、逆にMACDがシグナルラインを下から上に抜けるのがGCです。
「MACDのGCは買いサイン」
「MACDのDCは売りサイン」
このように理解しましょう。

●日本人の株式投資家が少ない理由


なぜ、日本は株式投資が少ないのでしょうか
欧米人が基本として狩猟民族の後裔であること、日本人が農耕民族であったことの差が大きな原因の1つです。
赤信号、みんなで渡れば怖くない!
これは日本人の横並び意識を表していますね。
日本人は並ぶのが得意と言いますが、これも周りをよく見て、みんなが並んでいるから自分も並ぼうという意識が高いのでしょう。
本来、株は下がったところで買うべきです。
しかし、株が下がると株式市場は閑散となり、誰も株を買わないので自分も株を買わないとなります。
株価が下がれば下がるほど強気になり、上がれば上がるほど弱気にならなければなりません。
にも関わらず、日本人は上がれば強気、下がれば弱気、最後は恐怖を感じて売る。
相場の格言「人の行く、裏に道あり花の山」
他人と同じ行動をしていないと不安な日本人の感覚は株式投資とは遠いのです。

○書評
定石としてMACDによる指標を著者は挙げられています。
2014年発行の本なので今となってはMACDは当たり前となっているため
目新しさはないかもしれません。
ただ、それら以外の「敗者のゲーム」論や勝てる投資家の心理等、著者の考えが面白い部分もあるので読んでいて面白かった。
投資初心者が読んでもわかるように初歩的な解説もあるので、これから始めるって人にも読んでもらえます。

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