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10万から始める!小型株集中投資で1億円実践バイブル 遠藤 洋

●なぜ小型株がいいのか?

小型株集中投資は個人投資家が大きな資産を築くための最短ルートでもあります。
会社員が少額から投資を始めて、数年で資産の桁を1つ2つ増やそうとするなら、小型集中投資がいちばんの近道、というのが私の結論です。
日本の上場会社は3719社(2020年8月現在)ありますが、そのうち大型株は100銘柄、中型株は400銘柄、小型株は残りの3200銘柄とされています。
大型株はすでに成長しているので、小型株に比べて伸びしろは小さいです。
投資先はいま有名でなくてもいいのです。これから大きく伸びて有名になる会社に投資しましょう。投資で大切なのは「今の事業規模」ではなく、「未来の事業規模」です。

●なぜ集中投資がいいのか?

あなたに子供がいるとします。
「同時に10人育てる」のと「1人を育てる」のでは、1人を育てるほうが手厚く面倒を見れるでしょう。
同じことが株式投資にも言えるのです。
同時に多くの銘柄に分散投資をすると、「きちんと目が届かなくなる」というデメリットが生じます。
特に会社員などの兼業投資家は。忙しい本業との兼ね合いもあって、投資先が多くなればなるほど目が届かなくなります。
「1つだけ選んで投資をしなさい」と言われれば、より慎重に銘柄について調べますし、投資後のきめ細かく情報をキャッチアップするようになります。

●投資家レベルを5段階チェック

継続して利益を出せる投資家はレベル4以上ですが、ここを目標にします。
ところがレベル3とレベル4の間にはなかなか超えられないキャズム(溝)が存在します。
どれだけ投資経験が豊富でも投資に対する考え方が間違っていると。このキャズムを超えることはできません。
逆に言うと、考え方さえ間違っていなければ、短期間でキャズムを超えてレベル4に到達します。

レベル1 投資経験なし
         資産は銀行預金のみ
レベル2 株を買ったことがある
      これから本格的に勉強する
レベル3 投資経験は豊富
      知識があるが勝ったり負けたりする
レベル4 投資判断に軸を持っている
      継続的に投資で利益を出せる
レベル5 資本所得 > 労働所得
      勝ち組投資家コミュニティに所属

一言で言うと、レベル3以下の投資家は「感覚優先」、レベル4以上の投資家は「戦略優先」で投資します。

●全部揃ったら買い!3つのポイント

最初からなるべく損失を出さないで、利益を出したいところです。
そこで投資判断の目安についてお伝えします。
全ての条件が当てはまる銘柄を見つけることは容易ではないので、もどかしさを感じるかもしれません。
しかし、「可能な限り損をしたくない」と思うのであれば、条件に合わない投資をスルーすることも必要となります。

・株価3倍(=時価総額3倍)になるポテンシャルがある
・商品、サービスのニーズが高い
・「出来高」増加を伴なう株価上昇の直後

●株価上昇4つのシグナル

投資家の買いを促すきっかけの1つに「業績上方修正」の発表があります。
上方修正のシグナルをうまくキャッチすれば、いいタイミングで株価の上昇トレンドに乗ることができます。
いち早く上方修正をキャッチするには以下のシグナルを捉えることがポイントになります。

・業績進捗の高さ
・オフィスの拡大
・採用数の増加
・広告宣伝費の増加

●実例から投資戦略を立てよう

マンガアプリ「マンガBANG!」を運営する東証マザーズ上場「Amazia」の参考にします。
◆投資する理由は?
売上高が14億円→34億円→64億円と倍々ゲームで伸びており、電子コミック市場も年々拡大している。
創業社長が筆頭株主で投資家と利害が一致しており、サービスの評判がよく、商品力と需要の高さを感じる。

◆展開するビジネスの市場規模は?
コミック市場(2019年)は「紙+電子」が4980億円、そのうち「紙」は2387億円(同1.0%減)だが、「電子」は2593億円(同29.5%増)。電子のコミック市場占有率は52.1%とついに紙のコミック市場占有率を逆転し、なおも急成長中。

◆投資期間はどのくらいか?
直近高値の5500円で利益確定できるとすれば、1〜2ヶ月が目安。
5500円を超えてそのまま上昇トレンドに入った場合は、3ヶ月〜半年程度のイメージ。

◆時価総額の上限はどのくらいか?
電子コミック市場の拡大ペース次第だが、現時点では500億〜1000億ぐらい。

◆時価総額の下限はどのくらいか?
直近安値の約3000円から計算すると、短期的には200億円程度。

◆損失リスクの許容範囲は何%で、何%のリターンを狙うか?
日足の長期移動平均線が4135円に対して、現在は4155円なので、ここから上昇トレンドが崩れなければ絶好の押し目。ここから株価が4000円を切って2〜3日戻らなければ損切り、上は直近3ヶ月の高値である5500円(+32.0%)前後で利益確定すると、次のようになる。
現在4155円→利益確定5500円、損切り3800円(−8.5%)。

◆投資の期待値はプラスか?
−8.5%のリスクを負って、+32.0%のリターンを狙うので期待値は大きくプラス。

◆予想通り株価が上がったとき
→株を持ち続けるとしたらどんな条件を満たしたときか?
・ペースを崩さす業績が伸び続けている
・株価チャートの上昇トレンドをキープしている
・業績予想を上方修正したとき
・新規事業を開始したとき

→株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・短期間で急騰しすぎたとき
(例:2日連続ストップ高、3日で+30%急上昇)
・目標株価(5500円)を超えたとき
・半年以内に時価総額500億円を超えたとき
・株価チャートの上昇トレンドが崩れたとき
(中期移動平均線を割り込んだとき)
・新規ダウンロードやユーザー数の伸び率が鈍化してきたとき

◆予想より株価が伸びないとき
→株を持ち続けるとしたどんな条件を満たしたときか?
・業績が順調に伸びているとき
・日足の長期移動平均線上で株価が推移しているとき
・全体相場の悪化の煽りを受けて株価がぐずっているとき

→株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・業績の伸びが鈍化してきたとき
・移動平均線3本が絡まってきたとき
・株価が1ヶ月以上ぐずついてきたとき

◆予想を反して株価が下がったとき
→株を持ち続けるとしたどんな条件を満たしたときか?
・長期移動平均線を割り込んですぐに株価を戻したとき
・事前に設定した損切りライン(3800円)にタッチしないとき

→株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・事前に設定した損切りラインにタッチしたとき


投資戦略を立てることに慣れてくると、想定外のことは滅多に起きず、損失も利益も全て想定の範囲内となります。
これが目指すべき領域です!

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