ママはやくかえってきて
絵本の紹介:10冊目。
本のリレーのつもりで、こどもたちを育んでくれた絵本を少しずつ紹介しています。
なんてことでしょうか。
AMAZONのカートで表紙が出ないことなんてあるんだ...。
ショック。この絵本が廃盤になりませんように。
私は、この絵本を想うと、胸が締め付けられるような気持ちになる。
楽しい思い出というよりも、自戒の意味も込めて、この絵本を大切に思っている。忘れたくない一冊。
主人公のアリスが、お買い物に出かけたママの帰りを待つお話。
アリスは何歳なんだろう。4~5歳かな...?
夜だし、どんなに心細いだろう。
寂しさを紛らわすように、ぬいぐるみのくまちゃんに、一所懸命に話しかけながら、ママの帰りを待っている。いじらしい。
娘が4歳ころだったろうか、遠方への日帰りの出張でかなり遅い時間の帰宅になった。
保育園のお迎えからベビーシッターさんにお願いし、用意した夕食を食べて、お風呂に入れてもらって…ベッドで寝る時間までのお願いをした。
帰宅すると、子どもたちはベッドで眠っていた。
ベビーシッターさんは、少しバツが悪そうに苦笑いして、娘の布団をそっと上に持ち上げて、中を見せてくれた。
娘が抱きしめていたのは、ぬいぐるみではなくて、私の黒いハイヒールだった。
お布団に入って、ママを待ってようねと絵本を読み、ちゃんと話を聴いてくれたけれど、この絵本を読んでいるうちに、急に玄関にハイヒールを取りに行き、靴を抱きしめて寝始めたという。
「汚いよ~。くさいんじゃない~?!」と笑って止めても、絶対に聞かないので、あきらめて片方だけにしてもらった。
布団を汚してしまったと思うので、寝具の洗濯…よろしくお願いします…の申し送りだった。
ベビーシッターさんが帰宅し、寝息を立てるこどもたちの愛しい寝顔をみながら、私、何やっているんだろう…と、泣きたくなったのを覚えている。
それぞれに、色んな事情があるから、絶対ダメというわけではないけれど、お留守番ができるからといって、必ずしも、平気なわけではないという事を、大人は決して忘れてはいけないなと思った。
それにしても、表紙の不安げな表情と、裏表紙の嬉しい表情のギャップ...。
アリス、ママにハグして嬉しそう。よかった、よかった。
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