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クレソン

今日、気に入っている八百屋さんに立ち寄ったら、とても新鮮なクレソンが売っていたので、じーっと見て、少し悩んで…やっぱり買ってしまった。
3束が一つに束ねられていて、一人の食卓には多いのでは?と思ったんだ。
でもね、買うって知ってた。
私は新鮮なクレソンを見ると買ってしまうのだ。


父は、クレソンが好きで、時々、新鮮なクレソンを持って帰ってきた。
店で買ったものなのか、どこか、きれいな水の沸く場所の秘密のクレソン生息地を知っていたのか…。
クレソンを持ちかえった時の、満面の笑みを今も忘れられない。
母は、おひたしにして食卓に出していたので、私は、クレソンはおひたしで食べる野菜だと思い込んでいた。

出されたものは食べるけれど、癖のある味で、私は苦手だった。
なぜ、こんな葉っぱが好きなんだろうと思いながら父の顔を見ていた。

大人になり、ステーキの付け合わせなどにクレソンが添えられた生のクレソンと出会って、ほう…生だと更に主張が強いじゃないか…が、感想だった。


そんな想い出もあり、新鮮なクレソンを見ると、無性に家に連れて帰りたくなる。

どこかの誰かの文章で、「みょうがを食べると、モノを忘れると母は言ったのに、私はみょうがを食べるたびに、思い出すことが多い。」という主旨の文章を読んだことがある。

そうね。そういうことあるね。
そして、私にとって、それはクレソンだ。
父と同じ食卓を囲むことは、今はもうできないけれど、クレソンは私を懐かしい記憶に連れて行ってくれる。

今だったら、その満面の笑みに向かって
「クレソンのどこが好きなの?」と、父に聞いてみたい。
好きに理由なんてないんだろうけれどね。


いま、レシピサイトで調べたら、クレソンのレシピがたくさん出てきた。
明日は、クレソンの初めての食べ方に挑戦してみようと決心。

今日もお疲れさまでした。
明日も寒くなりそう。風邪ひかないように。あったかくね。

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