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インドで下着を作りたい: 綿石編 その1

改めまして、あけましておめでとうございます!
今年度もRangorieをどうぞよろしくお願いいたします。

2021年のRangorieマガジンは、昨年度に引き続きブランド立ち上げに至るエピソードを公開していきます。今回は綿石エピソードにお付き合いください!

保守的な家庭で育った

私の実家は愛知県で中華料理屋を営んでいました。両親ともに朝10時に仕込みを始めて夜23時まで、遅いときは24時ころまで働いていたので、母方の祖父母と同居して子育ての支援を受けていました。祖父母・両親・兄・私・妹のまさにサザエさんのような7人家族でした。(私はワカメちゃん)

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祖母は昭和3年生まれ、祖父は昭和5年生まれのアネさん女房な夫婦で、祖母は当時としては珍しく結婚出産後も仕事を辞めず定年まで地元のダイナマイト工場で働き、祖父よりも稼いでいた…にもかかわらず、フネさんのように家事はすべてこなし、とことん祖父を立てる家父長制度に則った家庭でした。

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保守的な我が家では、女の子である私はお片づけが得意できれい好き、料理が得意で男性を立てるのが良しとされ、男の子である兄はいずれ家長としてリーダーシップを発揮するべく大学に行ったほうがいいし、女の子は大学など不要!という考えでした。

お兄ちゃんは男の子だから多少夜遅くまで友達と遊んでもいいけど、サキは女の子だから5時には帰って来て家の手伝いをしなさいね。
サキは、女の子なのにそろばんが得意なんだねぇ。
女の子は勉強できないくらいのほうがかわいいよ。あんまり勉強がんばると嫁の貰い手がなくなるよ。

おてんばで外で遊ぶのが大好きで、数学や物理が得意な私は少し窮屈な思いもしましたが、喧嘩しながらも田舎で愛情たっぷりに育てられすくすくと大きくなりました。

リーダーらしいふるまいが必要となる

そんな私に転機が訪れたのは2015年。リコーに入社以来ずっと希望していた海外勤務のチャンスを得られたのです。

駐在先のアメリカでは性別による固定的な役割に縛られずに活躍する素敵な女性プロフェッショナル達にたくさん出会いました。そして彼女達と接する中で、いかに自分が「こうあるべき」という保守的な固定概念で自分自身を縛っているかに気づきました

例えば、私はコンサルタントとしてお客様の仕事の手順を伺って、非効率な仕事を洗い出し、効率化した新しい業務プロセスを提案するという仕事をしていました。

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コンサルタントとしてお客様と対峙する以上、私の行う業務にはすべて対価が発生します。そのためプロフェッショナルとしての専門知識と自信を持ったふるまいが必要でした。

幸い専門知識は日本での業務の延長線上にあったので問題なかったのですが、ふるまいの面では訓練が必要でした。例えば、日本では上座は上司や男性に譲るのが常識のあるふるまいと思っていましたが、そういったふるまいは自信のなさと捉えられ信頼を得られません。より大胆に、力強く。日本の目線でいえば図々しいくらいのふるまいをしてはじめて自信を感じてもらえるのだと知りました。

祖父母からは「女の子が偉そうにして…」と眉を顰められそうですが、私の場合は、仕事のために自分の「こうあるべき」を破らないといけない機会に恵まれたおかげで、少しずつ自分の中にある固定観念から解放され、楽に生きられるようになりました

また人種のるつぼで多様性豊かなアメリカに住んだことで、いろんな生き様に触れられたのも自分を固定観念から解放することができた一因だったと思います。

固定的な役割に縛られる不幸

その後2017年に日本へ帰国し、結婚や出産を経験した同期や後輩の女性から仕事と家庭の両立が大変だというリアルな話をよく聞くようになりました。

聞くと、妻である女性側の家事や育児の負担が重いことや、それが原因で仕事をセーブせざるを得ない現状があり、責任の重い仕事やチャレンジングな仕事を避けるうちに仕事が面白いと思えなくなってきた。とのこと。多くの家庭で女性に家事や育児の負担が偏っている実態と、女性自身が家事や育児は自分の責任範囲だと思っているケースが見えてきました。まさに「こうあるべき」に縛られてしまっているなと。

自分以外にも、固定概念に縛られて能力を発揮できない人がいるんだ、そんな女性達を解放するような商品やサービスをが作りたい!という思いが募っていきました。

インドの女性達との出会い

そんな折、アメリカ駐在中に親しくなった江副と日本で久しぶりに再会し、インドの女性達の置かれている状況を聞いて、Rangorieの立ち上げに至りますが、長くなってきたのでまた次回に続きます。

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