ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを見た 俺はレインボーロードを走った
全世界で大ヒットし売上が1400億円を突破した映画を見て「最高でした!」と言ったところで「知っとるわい!!!」と返されるのがオチだが
それでも書かずにはいられない最高の映画
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を見てきました
映画ファンの皆ごきげんようランガタロウです。
あ、そうそう内容ネタバレするから気にする人は今すぐ閉じろ
結局この映画の魅力は見た後に自分語りがしたくなることだと思う。
筆者のnoteで筆が載るのは基本的に映画の良し悪し以上にその映画に絡めた自分とコンテンツの話を自分語りする瞬間な気がするが、このマリオムービーはマリオという題材の故にさらにそのように感じる。
筆者はスーパーファミコンと共に生まれ小学一年生のお誕生日にニンテンドウ64を買ってもらった人間なので「マリオコレクション」「マリオワールド」「マリオ64」あたりがストライクゾーンになる。その他の派生作品やマリオメーカー1などもプレイしているが良くも悪くも典型的な「ゲームキューブの次世代に行くあたりでWii買わなかったのでその辺から曖昧」という感じの人間だ。しかしこの映画は最新マリオゲーム要素もきっちり取り込みつつも「これだよ」と思わせる強い力と盛り込みがあった。
この映画は「期待通り」とかそういった言い方をされるがハッキリ行って内容はかなり「スーパーマリオブラザーズ史の圧縮と再解釈」と言ったほうが近い。
マリオとルイージという配管工が何故キノコ王国の姫を助ける関係になるのか?といった何となくそういうことになっていた部分を改めて丁寧に説明する。
こういった部分で出てくる情報が全部初見の情報すぎるので「ファンが喜ぶものを羅列したチェックリスト」という言い方も変だろう。
しかし何故それらが初見の情報になるのかと言えばスーパーマリオシリーズの様々な要素を合体させているからだ。
世界観の基礎としてはスーパーマリオオデッセイのものを踏襲しつつ、キノコ王国の城下町の配置がペーパーマリオオリガミキング風だったり、パワーアップアイテムのお馴染みのスーパーキノコやファイアフラワーだけでなくDSから登場したマメキノコやWiiUから登場したネコマリオなど最新の要素が「全てこの世界にある」状態から「マリオとピーチが初めて出会った日」というシナリオを再構築しているので「そ、そうだったのか…知らんかった…」となる ファンからしても新鮮な情報しかないようなもんである。
ドンキーコングだよドンキーコング
「あれはあの要素だどうだ」というイースターエッグの細かい解説はもっと詳しい人が既にやっているのでそれに任せよう。
筆者が一番ぐっと来たのはドンキーコングの登場シーンだ、彼がいるジャングル王国にたどり着くとスーパーファミコンの「スーパードンキーコング」でお馴染みの例のBGMが流れるためそれでファンサービスが終わったかと思うのだが、ドンキーコング御本人の登場BGMが「ドンキーコング64」のOPムービーで流れる「モンキーラップ」なのだ!!!
ドンキーコング64と効くだけで筆者は興奮する
このソフトはニンテンドウ64本体の「開けてはいけません」という部分を開けて「メモリー拡張パック」という機器を差し込んでゲーム機本体の性能を向上させないと動かないというソフトだった、ドンキーコング64には拡張パックが同梱されており、ゲームを遊ぶために赤いパックを差し込むあのワクワクが俺の胸を駆け巡る。
ドンキー以外で名前を呼ばれたのはクランキーとディディーだけだったが、観客席にはしっかりとドンキーコングの仲間たちがそこにいるのだ。
それはマリオのどんな小ネタを拾われるよりも「この映画は本気だ」と俺に感じさせるものだった。
そこからのマリオ対ドンキーコングの戦いも見事だった
それまでのシーンでは「スーパーマリオ」を印象付ける「2D横スクロール風の画面」を演出するためのカメラが
「同じカメラ演出だが これは横スクロールは横スクロールでもスマッシュブラザーズだ!!!」という形に演出されドンキーはスマブラでのアクションを多用してマリオと戦う。
それに対してマリオは3Dワールドからの新変身であるネコマリオで対抗する、それにともなって戦闘が格ゲー的なものからより3次元的なものへと動いていく。こういった演出は普通に凄い
まぁとにかく俺はこういったところで不意に己の中の「これらのゲームと向き合ってきた時間」を刺激され勝手にブーストされて盛り上がってしまう。
しかしおそらくこの映画はそうやって「同じソフトを遊んでいても何を思い出にしているか千差万別」であろうプレイヤー達の思い出のどれかにフックする仕組みを丁寧に作り上げているんだと思う。
そしてレインボーロードへ
そして予告編でも公開されていたレインボーロードとマリオカート要素がやってくる、レインボーロードだ。
マリオカートではお馴染みのステージだが筆者にとってはマリオカート64の印象しかない。
マシンは最新のマリオカート使用になっているためノスタルジーは無いものの「あ、一応しってる」って感じで始まるわけだが
レインボーロードを「土管を使用しないで他国行くための最速の通路」と解釈したのは完全にオタクの新解釈なので関心させられてしまう。
かくしてクッパ軍団の攻撃的カートから逃げる大混戦が始まるわけだが。
追い詰められたマリオの挙動に俺は気づく「こいつドリフトしてからミニターボを多様し始めたな… それもレインボーロードのカーブで…」
脳内に一つの心当たりが走る…
レインボーロード…マリオカート64…まさかやるつもりなのか?!
そしてマリオはやった その時俺の心はスタンディングオベーションだ
もちろんコース造形などは最新マリオカートのレインボーロードに変わっているしドリフトミニターボの時に小ジャンプの挟まらない仕様のドリフトだし飛ぶ距離も短かったが「レインボーロードならこれをやらねばならない」と思ってやってくれたのだ、称賛する以外の答えを俺はもっていない。
そしてウツボだ
俺の興奮はさらに最高潮に達する
海に落ちたマリオとドンキーを襲う深海の黒い影
凡百のクリエイターならここでマリオ3の巨大プクプクを出してきたんだろうが、この映画はガチだ「海の底にいる怖いやつ」ったらマリオ64のウツボを出してくるのだ、俺の負けだ俺のノスタルジーは全て刺激され情緒を破壊され涙が溢れてくる、俺がゲームと付き合ってきた時間が俺の脳裏に蘇る。
この先は君の目で確かめてくれ
今回は個人的に「なんか急に見てたら小学生の頃遊んでた任天堂のゲームの思い出を強制的に刺激するギミックで気持ちよくされて脳が壊れたわ」って話だけをピックアップしたがそうでない部分も全て素晴らしかったので是非見てくれ。
個人的に笑ったのがクッパとピーチの結婚式にボムキングやキングテレサなどの面々が参列してるのに何かバッタンキングだけいないので「あいつハブられたんかな…」って気持ちに俺が勝手になって勝手に笑っちゃった。
きっとWiiなどのシリーズを中心に触れてきた下の世代なんかも俺とは全く違う目線で「あれじゃん!!!」って言ってるんだと思うと微笑ましい。
最終決戦でクッパの尻尾をつかんで回し始めた瞬間の「そうそうそうそう!!!!!!!!!」と64の3Dスティックを持ち込んでグリグリ回したくなるそのような「体感的」要素をよくぞ「映画」という媒体に持ち込めたなと俺はとても感動し涙した。
ありがとう!宮本茂!ありがとうイルミネーション! ではまた次回までごきげんよう。
オマケ
最近どの映画見に行っても80年代洋楽がかかるので
「何回A-haのテイク・オン・ミー流すんだよ!!!このままだとハリウッドでA-haのテイク・オン・ミー流れた映画バースが生まれるだろ」って思いました
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