「ガンパレ」「EVER17」「シュタゲ」そして令和に生まれた『十三機兵防衛圏』
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」
「EVER17」
「シュタインズ・ゲート」
時代の節目に必ずとんでもない『アドベンチャーゲーム』が人々の前に現れ。度肝を抜くシナリオ・ゲームという媒体ゆえの表現を用いてプレイヤーを翻弄してきた。
十三機兵防衛圏
このゲームは令和という時代に生まれ落ちた、彼らのように歴史に残るアドベンチャーゲームの一作であると確信する。
十三機兵防衛圏とは
1985年…日本のどこかにある明日葉市…
突如宇宙から降ってきた隕石の正体は巨大怪獣で、街を破壊しながら侵攻していく。逃げ惑う人々の中、少年少女は全長35mの巨大ロボット『機兵』を召還し戦い始める。今ここに13人の少年少女と13機の巨大ロボットで行われる最後の防衛戦が始まる…
という感じに始まるチュートリアルからまず我々にぶつけられるのは。
RTS形式のタワーディフェンスゲームだ。
ステージの中にあるターミナルを防衛するために13人の中から6人を出撃させ、押し寄せる怪獣軍団を倒して防衛する。
だがこのゲームはそれだけではない。
アドベンチャーゲームでもある。
メカ戦パートの操作を覚えた君にはシナリオパートがぶつけられる。
13人の少年少女の視点で「戦いが始まる前」に彼らが何故ロボットに乗ることになったのか、怪獣とは何なのか、そもそも1985年に巨大ロボットが製造できるわけがない…様々なドラマが展開される。
君たちはその謎を解き明かすのだ…
この「巨大ロボットで街を守る最後の戦い」を実際にプレイする「崩壊編」と「最後の戦いの日の前に起きた 世界の真実」を解き明かす「追憶編」の2つがこのゲームの主軸となる。
公式がラスト以外のネタバレを解禁しているにも関わらずネタバレできない衝撃のストーリー
このゲームの主軸は世界の謎を解き明かすアドベンチャーパートにある。
ロボットに搭乗することになる13人少年少女それぞれの視点から、物語が始まるのだが、まぁこれが面白い。
13人それぞれの視点で描かれるがゆえに「あ!これあのキャラクターのあのイベントが起きてる時に裏で起きてたやつか!!!!」となった時に巻き起こる視点のひっくり返り、「こいつは敵なのか味方なのか…いやでも戦闘パートで味方ってことは最終的に味方なんだろうけどそれにしても何故…」
常に入れ替わり続ける「こいつは良いやつなのか?悪いやつなのか?」という立ち位置、絶妙なタイミングで話数ごとに区切られ「続きを読むには違うキャラのシナリオをここまで進めてね」という誘導
タイムトラベル、平行世界、などの様々なSFワードにより混迷を極めるストーリー、既に怪獣によって滅ぼされた未来から来た人たち…
という説明すら後で「え?!」となるようなひっくり返され方するので
真面目な人ほど「このゲームはこういうお話で…いやまぁ後でひっくり返されるからこういうお話って言って良いのかな…でもそれを事前に言うとネタバレだしな…」となって説明できなくなってしまうだろう。そういった側面が「ネタバレ不可能なゲーム」という評価を生み出しているのだろう。
いっそ不真面目に「こういうゲームです!」って言っちゃった方がバズる気はするよね(その上でひっくり返されるところでびっくりしてほしい)
豊富な80年代ネタによるノスタルジー
何はともかくシナリオのメインとなる時代は1985年。
そんな時代の高校生である登場人物の暮らしもどこか懐かしい(なお筆者は90年代の人間なので偉そうに懐かしがれる立場ではない)
映画を見るならビデオテープだし、川口浩探検隊が放送されてるし、ETが大ヒット、金持ちの友達の家にはレーザーディスクがある…
いや権利の都合で直接名前は出してないけど「あ、ターミネーター2…」とさっとわかるビデオのタイトル…潰したカバンに鉄板入れてるスケバン…
スケバン?!
本編には関係あったり無かったりするがこういったところも楽しめるだろう。
後半になればなるほど効いてくる『実際にメカ戦ができるということ』
実際に怪獣の侵攻が始まり、13機のメカでタワーを防衛する崩壊編は事実上シナリオの一番最後に位置する時系列であり、本編でいろいろなことが起きてる人たちも皆チームとしてロボットに搭乗している。
言う慣ればエロゲーの「全ルート通った後に出てくる全員集合ルートに入った」ような状態である。
その状態で実際に巨大ロボット「機兵」でマップ上の怪獣をまとめて撃破する快感を体験できるというのはゲーム体験としてかなりよく出来ている。
悪いとは言わないがアドベンチャーゲームはアドベンチャーゲームのままでそういった最後のアクションもシナリオとして読むだけになってしまうこともあるし、もちろんそれでも面白いのだが「実際にプレイヤーが操作して街を守る最後の戦いをする」という覚悟が変わってくる。
砲戦特化型の第3世代型機兵が打ち出す超大型ミサイルでそのウェーブの怪獣を一撃でふっ飛ばす快感を。
格闘戦特化の第一世代機兵のリミッターを外して敵陣の真ん中に飛び込ませる勢いを。
その手で体感しながら最終決戦を完遂する。
それはこれがテレビゲームであるがゆえの体験である。
君もこの衝撃のシナリオを体験してくれ
PS4を持っているなら無料で序盤をまるごと遊べるので、ぜひやってみてほしい。おそらく続きが気になって購入してしまうだろう。
怪獣によって既に滅びた未来世界…
2104年までしか未来へはタイムスリップできないが…なぜか存在する『2118年』のタイムスタンプがある記録映像…。
過去回想と現在で顔が同じなのに名前が違うキャラクター。
機兵を探しているというAIロボットを拾ってしまった少女。
第二次世界大戦の時代から現代に来てしまったもの
様々な思惑や事件が交錯し、思いも寄らない結末へ向かう…
女子高生は無敵だし、焼きそばパンは世界一美味い食い物なんだ。
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