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石使い


魔法使いではない。石使いは、石に情報を教え込む。
石はとても物覚えのよい生きものだ。
もちろん石はDNAも持っていないし、いわゆる生物ではない。……とはいえ、石も私もその最小単位である原子……さらには原子の電磁場のなかにある粒子……さらには素粒子によって構成されているという大ざっぱな考え方をして、私は石を近しいものとして認識するように意識的な努力を惜しまない。石と会話するためには石と自分の共通点を探すほうが有効だ。

石は物覚えのよい生きものなのだ、という仮定で話をすすめる。
ゆうべのような寝つきの悪い夜。そわそわするような夜。外出禁止の要請が出てなにか不安な気持ちになる夜。お湯を沸かし、お湯のなかに石を沈めて暖める。

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1,021字
勢いとリズムで書いています。文章のプロなので読みやすいはずです。不定期ですが、最低、月2回は更新します。

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