口臭対策してますか?
国内外の口臭調査によると、現代人の3人に1人には口臭があると指摘されている。
ぼくらが日常的に自分の口臭を気にしないで生きていけるのは、順応反応という能力を歴史的に身につけてきたからだ。
自分の口臭に順応できなければ、生きていくのも困難だというわけだ。
そういうわけで、ぼくらは日常的に嗅いでいるにおいを不快とは感じずに生活することができる。
しかしこれは見方を変えると、においを発している本人が気づかないうちに、周りの人に迷惑をかけていることがあり得るということでもある。
周りの人も他人のにおいについては話題にしにくいため、悪臭を指摘せず、鼻を手やハンカチで覆ったり、息を止めたりといった回避行動に出る。
最近ではスメルハラスメント(スメハラ)という問題も深刻になりつつあり、ビジネスマンとしては日頃のエチケットが求められている。
「この人は口が臭い」という嗅覚情報は、相手の記憶に不快な感情と共に鮮明に刻まれてしまうため、ビジネスにおいて良い人間関係を築くチャンスを失うことに発展しかねない。
ビジネスマンには見た目への配慮だけではなく、においへの配慮が求められていると言っても過言ではない。
そして、においへの配慮の中でも特に深刻であるのが、口臭の問題だ。
というわけで、前振りが長くなったが、口臭について学んだことをご紹介したい。
参考にしたのは、森下真紀著『世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか 東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える科学的に正しい歯のケア方法』である。
生理的口臭の原因と対策
起床時の口臭は1日の中でも一番においが強いと言われている。
また、空腹時や緊張しているときも口臭がきつくなる。
これらは生理的口臭と言われる種類の口臭だ。
生理的口臭の原因のほとんどは舌苔(舌の上に溜まる白い堆積物)にある。
舌苔の付着には唾液量が関係している。
つまり、唾液を多く分泌させれば口臭は減少するのだ。
唾液を多く分泌させるためには、食事をとることが一番だ。
生理的口臭は食事をとることで気にならないレベルまで低下するため、それほど気にする必要はない。
ただし、水分をとるだけでは舌苔は剥がれず、口臭対策にはならない。
あくまでも食事をとるということがポイントになる。
そのため、朝食を抜いた場合や食事制限によるダイエットを行っている場合には、口臭リスクが高まっており、注意が必要というわけだ。
食事以外に舌苔を減らす方法が「舌ケア」である。
舌ブラシや舌ベラを使用し、1日1回、舌苔の量が最大となる起床時に行えばよい。
病的口臭の原因と対策
問題となるのは、明らかな不快感を伴う病的口臭だ。
❌病的口臭は食事をとることで緩和されない。
❌舌ケアをしても治らない。
❌胃腸に狙いを定めたブレスケアも(一時的にしか)意味がない。
それは、病的口臭の原因の90%が口の中にあるからだ。
病的口臭の原因は「歯周病」である。
しっかりと食事をとって、舌ケアをしてもにおいが続く場合には、速やかに歯周病治療を開始することが必要というわけだ。
歯周病を予防する2つの習慣
とはいえ、できれば歯周病にならないようにしたいものだ。
歯周病を予防するためには、ホームケアとプロフェッショナルケアという2つのケアを習慣化することが大切だ。
そのことを理解するには、歯周病のリスクファクターを知っておくことが助けとなる。
歯周病のリスクファクターには、次の3つがある。
❶細菌因子(口腔内の細菌数)
❷宿主因子(加齢)
❸環境因子(生活習慣)
この3つのうち、確実にコントロールできるのが細菌因子だ。
口腔内の細菌数を抑えることをプラークコントロールという。
歯周病を予防する上でプラークコントロールこそが最重要なものになる。
具体的には正しい歯磨き習慣こそ、一人ひとりが家庭でできるケア(ホームケア)の中身だ。
<ホームケアのポイント>
✔︎必ず歯磨きをする(うがいではプラークは取り除けない)
✔︎プラーク除去を意識して歯を1本ずつ丁寧に磨く
✔︎歯と歯茎の境目を意識して磨く【重要】
✔︎歯と歯の間は歯間清掃器具(フロス)を利用する【重要】
プロフェッショナルケア
しかし、どんなに歯磨きを極めても、必ず磨き残しは発生する。
そこでホームケアを補完するために、プロフェッショナルケアが求められることになる。
プロフェッショナルケアとは、定期的な専門家による検診とクリーニングのことだ。
具体的には、3か月に1回の歯科受診を行うというもの。
忙しいという人でも、半年に1回は歯科受診が必要だと言われている。
早期発見、早期治療が重要だというわけだ。
実践中の口臭対策習慣
以上の学びを踏まえ、現在、ぼくは次の口臭対策を実践している。
【起床時】舌ケア(舌みがき)
使用してる舌クリーナー➡︎コチラ
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【朝食後】歯みがき10分
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【昼食後】歯みがき10分
【夕食後】歯磨き(タフトブラシも使用)15分、フロス、洗口液
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【その他】キシリトール配合ガム
そして、3か月に1回は歯科に通院し、プロフェッショナルケアを受けている。
こうした習慣でむし歯になる確率はだいぶ低くなった。
それでもむし歯があった場合には、なるべく銀歯ではなく、セラミックを選択するようにしている。
自費にはなるが、口腔ケアを中長期的に考えれば、合理的な選択だと考えているためだ(なお、自費については確定申告している)。
2012年にプレジデント社が行ったアンケート調査「『リタイア前にやるべきだった・・・』後悔トップ20」の第1位は、なんと「歯の定期検診を受ければよかった」だったそうな。
先人の後悔に学び、歯を大切にしていきたいものですね!