マグネシウムの働きと足がつる原因

■結論

日本人はマグネシウムの摂取が不足している。

逆にカルシウムの摂取は充分足りている。

カルシウムやリン、マグネシウムを多く摂取するには、ビタミンDが関与している。

体内のマグネシウムの量を増やすには、あまりカルシウムやリンを摂りすぎないことである。

カルシウムは、筋肉の収縮に関与していて、マグネシウムはその逆の働きがある。

よって腓返りが気になる方は、ビタミンDや、適度なマグネシウムの摂取が必要である。

ですが、高マグネシウム血症に注意していただきたいので、摂取量には充分注意が必要である。




■マグネシウムについて

マグネシウムは生体内で50〜60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着している。

残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在する。

カリウムに次いで細胞内液に多く存在しますが、細胞外液には1%未満しか存在しない。

生体内では多くの酵素を活性化して生命維持に必要な様々な代謝に関与している。


■マグネシウムの吸収と働き

食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ腎臓で排泄される。

腸管での吸収は、ビタミンDによって促進され、過剰なカルシウムやリンによって抑制される。

摂取量が不足すると、腎臓でマグネシウムの再吸収が促進されたり、骨からマグネシウムが放出されたりすることでマグネシウムの血中の濃度を一定に保っている。

マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けている。

エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成、分解過程のほか、遺伝情報の情報の発現や神経伝達などにも関与している。

また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もある。


■マグネシウムの1日の摂取基準量

1日のマグネシウムの推奨量は約300mgと設定されている。

日本人の1日の摂取量の平均は243.9gで推奨量と比較すると、不足気味である。

食品群別の摂取量を見ると、野菜、穀類、豆類からの摂取量が多くなっている。


■マグネシウムが不足するとどうなるか。

マグネシウムが不足した場合には、不整脈が生じやすくなり、慢性的に不足すると、虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まる。

また、吐き気、精神障害などの症状が現れたり、テタニー(筋肉の痙攣)を起こしやすくなったりする。


近年、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性が示唆されていて、今後さらに研究が進められることが期待されている。



■高マグネシウム血症について(マグネシウムの過剰摂取の影響)

マグネシウムを摂りすぎた場合は、過剰分は尿中に排泄されるので通常の食事では過剰症になることはない。

腎機能が低下している方は高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状が現れたり、生死に関わることもある。


■血液透析を受けている方の、マグネシウムの摂取について

高マグネシウム血症により、意識障害が起こることがあり脳血流や代謝異常が発生し、二次的に脳の機能が低下するので、サプリメントなどの摂取や、飲み合わせなどや、酸化マグネシウム等を服用する場合は摂取量に充分注意が必要である。


■因みにですが…

アルミニウム脳症というのを聞いたことがあるでしょうか。

通常であれば腎臓が正常であれば、アルミニウムは腎臓から排泄されるが、血液透析などを受けられている方は、脳中に高濃度にアルミニウムがまわってしまう為に、急速に言語障害、異常行動、認識及び精神障害、突然の発作を生じることがある。

この症候群を透析脳症という。


■因みにですが…

肝性脳症というのを聞いたことがあるでしょうか。

たんぱく質を摂取すると、腸内細菌などによりアンモニアが生成され吸収されますが、通常は肝臓で解毒される。

しかし肝硬変などにより肝機能が低下したり、解毒が不十分になると血液中にアンモニアが増加してしまう。

このアンモニアが脳まで到達すると、肝性脳症を引き起こすと言われている。

肝性脳症は軽度のもの(認知症やうつ病などに似た症状)から意識が消失する昏睡状態まであるが、血液検査や羽ばたき振戦と呼ばれている方法で診断したりする。

いくつか治療薬があるが、なかでも分岐鎖アミノ酸というのが、アミノ酸の解毒に必要なアミノ酸などを補うとともに体内のアミノ酸のバランスを補正するのを手伝う。

分岐鎖アミノ酸は、筋肉合成や脳内物質のシグナル伝達物質に、重要な役割を担っています。


■話はそれましたが…

マグネシウムは、何に多く含まれるのかというと…、

魚介類、藻類、穀類、野菜類、豆類などに含まれている。


■日本人は、マグネシウム摂取不足である。

日本人は、マグネシウム摂取不足である。

カルシウムの摂取が多いと、マグネシウムの吸収が悪くなったりするので、ミネラルの摂取のバランスは、考えものである。

また普段の食事でも不足がちなので、マグネシウムの摂取にサプリメントやビタミンDなどを利用するのも一つの手だと思っています。


参考文献:公益財団法人長寿科学振興財団、健康長寿ネット

マグネシウムの働きと1日の摂取量

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html


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