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25【この道を歩くしかない】



手術は避ける方向で方法を探した

完全にビビっていた


超のつく健康体できて
症状もそんなにない人間が
治療をしたとたん
イキナリ、大きな障害を抱えることになる

そんな覚悟はできなかった

どうしたって諦めきれなかった


・好きに物を食べられない
・誰かと一緒に食事ができない
・早食いの特技が活かせない
・歌が歌えない
・言葉が話せない
・横になって寝られない
・一生、管をお腹から出したまま

そんな情報がやたら目に付く

SNSで流れてくる
みんなの美味しそうで嬉しそうな
投稿を見るたびに凹む凹む凹む

完全にビビっている
そして全く現実を受け入れてなんかない

あーあ
なんでこんなことに?


なんて考えても
もう後戻りはできないのに
夢だったらいいのになと
何度も何度も思う

ガブちゃんは症状がないだけに
原因もわからず、イキナリ病人になってしまう

そして治療後の生活は
全く違ったものになってしまう

あーあ


そんな堂々巡りをしながら

ひたすら奇跡を探す


ワタシこれで治りました!
にどうにかすがろうとする

あーあ

昨日発見した最先端の”陽子線治療”は

扁平上皮がんには効くけれど
腺癌には効かないという情報を知った

知ったのに
まだわからんもんねー
アタシのが腺癌かどうかわからんもんねー
と心の底ではわかってるくせに
そこにすがろうとする


そして同時に病院選び
たまたま行ったクリニックで
がぶちゃんが見つかって
紹介状をかいてもらうことになって
千葉大学医学部附属病院か
千葉県がんセンターの2択だと言われた時

がんと名前がつくところは家族にばれるから
という理由だけで千葉大学にしたけれど
そんな理由で決めて良いはずもなく

全国の名医が載っている本を調べた

まず、食道がんにもっとも強いのは

国立がん研究センター東病院(柏)だった
名医と呼ばれる先生もそこにいることがわかった

セカンドオピニオンはそこにしよう!
と思ってはみたものの、
数が多ければそれでいいのか?
その分、先生が多いだけじゃないのか?
他にも病院を選ぶ手立てはないのか?

とぐずぐず考えてしまう

元々、千葉大の対応には不安しかなかった
それは比べるものがないからなんともいえないが
直感的に千葉大では治療をしないような気がしていた

こちとら命がけである
ムウを症例の一つとしかみないような
そんな医療機関に預けるわけにはいかない

こうしているうちに検査は少しずつ進んでいく

・血液検査
・尿検査
・レントゲン検査
・胃カメラ(5月19日)
・CT(5月19日)
・PET CT(5月20日)
・バリウム(5月24日)

このバリウムを最後に30日の確定診断がされる

運命の日をどう迎えればいいのかが
全くわからなかったので

がん相談支援センターに24日に予約をいれた

いままで調べたことを整理し
どのように30日をむかえればいいのかを
しっかり聞き準備した上で
確定診断をうけるために


まったく不思議なもんだ

自分の体のことなのに
自分じゃなんにもわからない


見るもことも
触ることも
感じることも
なにひとつ


仮に診断を受けたとしても
それが本当にそうであるという確証は
全く持てない

”そうである可能性が高い”

を信じる
信じなければならない

なんてこった

自分のことなんて
ほんとになにひとつわかってないんだ


だから病気の原因も
それを治す手立ても
ムウの手の内にはない

できるのは
専門家が下す診断を信頼し
専門家がいいということをやり
ただただ人任せにするということ

怖い、怖い、怖すぎる


専門家ってなんだ
ムウの専門家はムウであるはずなのに

悔しい、、悔しすぎる。。。

抗がん剤とか怖いし
放射能も怖いし
手術も怖いし

あーあ

痛いの痛いの飛んでけーーーーー!
で飛んでいってくれてたあの頃に戻りたい


あーあ

ガブちゃん
ムウはあなたと向き合いたいと思ってる

だから
なにかムウに伝えてよ
なんでもいいからムウにサインを



唯一の救いは
このころはじめた
ルウと二人の朝のウオーキング

ほとんど寝れていないムウが
6時前にルウを起こして
トレニーングウエアに着替えて
ラジヲ体操を元気にやって

ちかくの本休寺と熊野神社を巡るルートを歩く
約4キロ、1時間かけて

いままでも何度かトライしたけど
すぐにやめてしまっていたけれど
朝、歩くのは本当に気持ちがいい

ルウと二人、たわいのない話をしながら
テクテクあるいて、神仏に祈って1日が始まる

このルーティーンだけが
いまのムウたちの救い

あーあ

決まって欲しいようで
決まって欲しくないようで

いうてもあと1週間だな

教訓:ガブちゃんの世界の海は広い
  :自分のことはなんにもわからない
  :ウォーキングは気持ちいいんだ

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