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14【コーヒーで惚れてまう話】

朝からの告白の後、
二人で千葉大へ向かう

2ヶ月に一度
ムウがルウにつきそっていた千葉大に
今日はムウがつきそわれる

なんとなくお尻のホールがむずがゆい

千葉大の玄関でムウを降ろし
ルウは駐車場に車を停めに行く

ムウは紹介状を持った人の窓口1番へ

はじめてですね?
紹介状とデータをいただけますか?

はい、はじめてです。
これ、よろしくお願いします。

とKクリニックでもらった
紹介状と胃カメラの画像データ、
検体の結果を出す

あれ?
滝川さん、千葉大にかかったことありますね?

すっかり忘れていた

2020年、耳鼻科にかかっていた

あーそんなこともありましたかね?

診察券はおうちにありますか?

あ、多分、妻が保管してくれてると思います。。

わかりました、では今日は
診察券なしで行きますね

2階にあがって2Cの
食道胃腸外科にこちらをお出しください

わかりました。。

ここまで10分ぐらいは掛かっているが
ルウがまだこない

大丈夫かなぁとおもっていると

慌てた感じで玄関から入ってきた

ちょっとボーッとしてて

駐車場、屋上まで行っちゃった。。。

そっか(負担かけちゃってるな。。)

2Cに行けってさ(ほんとにごめんね)

二人で二階の診察科へ

あーいつものルウのところの向かいだね

受付の人に書類を渡すと
教授とステッカーの貼ってあるファイルに入れられる

あ、そうか、うちはきっと重いから
教授がみるってことになってるのか

そうか、やっぱりそうか

でも教授がみてくれるなら安心かも

うん、きっとそうだ

○○番、M先生の部屋の前でお待ちください

と受付の人に言われ、その前の椅子に座る

待合の雰囲気が少しだけ違ってる
ニット系の帽子をかぶってる人が多い

そうか、抗がん剤の副作用のあれか

と、すこし怖くなってくる

付き添ってきている人の顔も
どこかみな沈んでる

みんなそれぞれ
いろんな暮らしの中で
いろんな覚悟をもってここにいるんだな

そんなことを考えながら待つ

ドキドキする

ドキドキする

なにを聞かれるのか

なにを話すのか

なにを聞いたらいいのか

この時点ではさっぱりわからない

(なぜなら変な先入観を入れて
 落ち込み過ぎたらやばいと思って
 この日まではほぼ病気に関する情報を入れてない)

M先生ってどんな先生だろうと

名前から経歴を検索してみる
卒業年度から見て若い、
あぁまだ5年目ぐらいの先生か、、

大丈夫かな、、、

何年目だから安心とか
まったくそんなことはないはずなのに
なにかにつけて不安になってくる

診察室の前の番号が

一つずつ繰り上がって
自分の番が近づいてくる

ムウの隣の診察室の人は
老夫婦でやさしそうな旦那さんが
きっと初診できったっぽい。。

奥さんが心配そうに付き添ってる。。

あの年まで生きられてるならいいなぁとか
ちょっと羨ましくなったりしてる自分に気づく

あ、先生ができてた、、
この人も若いな、、

初診はみんな若い先生がやるってことか?

とかなんとか考えていると

〇〇番の方、中へどうぞ

呼ばれた

呼ばれてしまった


はい

診察室に入ると
疲れた様子の先生が座っていて
こちらを一切、みないままに診察がはじまる

Kクリニックさんからの紹介ですね

はい

諸々のこれまでの状況説明をしたあと

K先生からは
なんて聞いてますか?

あ、バレット食道がんの疑いだと聞いています

そのようですね

画像データを見ている様子もない

一体、なにをみて

そのようですね

が出てくるんだろう

だんだん、不安になっていく、、

とりあえず、今日の段階では
なにもわからないのでこちらで
色々、検査をしていきますね


この人がムウの主治医になるのか?

ちょっと不安だ

チェンジはできるのか?

何回までできるのか?

これはどういうシステムなんだ?

なぜか、そんなことばっかりが気になる

誰がどうみたって
おんなじことしか言えないだろうに

わかりました

まぁまぁ大きめだとKでは言われたんですが
どうですかね?

うーん、今の段階ではなんとも

だよね(疲れてる??)

これってどれぐらい怖い感じですか?

うーん、この段階ではなんとも

ですよね(眠そうやな。。)

これって今後どれぐらいでどうなるんですか?

あーそれも人によるのでなんとも。。。

(だよね。。)

と全く生産性の伴わない会話がしばらく続いて

(自分でもわかってるくせに
 ひたすら”とりあえず聞いてみる”を試みる)

では、検査の予約をちょっと入れてみますね

パソコン画面をかちゃかちゃかちゃかちゃ

まず、今日、血液と尿、心電図とレントゲンを
撮って帰ってください

で、24日に胃カメラ、、、、。

え?え?ちょっと待ってください

今日、2日ですけど24日までなにもないんですか?

ビックリする


今週中に検査をしまくって来週には確定ということを
想定していたムウとしてはびっくりするほど不安になる

そうなんですよ

ちょっと検査が混んでまして。。。。

えーーーーーー


ちょっとまって
その混んでるっていうたった一つの理由で
このあとどれぐらい生きられるかもわからん状態で

なにもしないまま待てことなの?


ありえない

ありえない

ありえない


GW挟んでるんで、、、

しらんがなー

そんなんしらんがなー

え?そんな先で大丈夫なんですか?

その間にどんどん大きくなったりしたら
どうするんですか?

もちろん、はやいに越したことはないんですが
数日でどうにかなるというものではないので
おそらく、問題はないとおもいます

おそらくってなんやー

おーーーーーい

おそらくの外側の
問題がある方になったらどうすんねーん

そんな混んでるって理由に
ムウの命あずけらるかーーーーい

もうちょっと早くならないんですか?

とねばる

うーん、ちょっと待ってくださいね、、

あ、19日でも行けそうですね

いけるんかーーーーーーい!

ちょっというたらいけるんかーーーい!

さっきの24はなんなんじゃーーーい!
でもそれでも19かーーーーい!

まぁこれ以上、ここでごねても仕方ない

さっさと検査してここに早くたどり着かんかったんは

ムウやもん

とりあえず最速でお願いします

ということで

19日に 胃カメラ、CT

20日 PET CT

24日 バリウム

30日 教授による確定診断

その後にMRIと歯科とリハビリの予約

になったとさ

後で調べると

この初診から確定まで1ヶ月を要するのは
相当、遅いことが判明、、、、

くそ、、病院選びをしくったな

というか積極的に選んだわけでもないけど。。。。

そして胃カメラのトラウマを散々説明し
細いと言われて信じてみたけど裏切られた
鼻から胃カメラの話もし、

どうにか眠らせたまんまで
胃カメラをして欲しいってお願いを
数分にわたってして

鎮静剤使うので大丈夫だとおもいますよ

というお言葉をもらった

その“思います“が怖いんですけど、、

絶対、眠ったままでお願いします!

と念には念を押したとさ

あと、大腸カメラをKクリニックで
やってきてもらっていいですか?

こちらだとまたお待たせしちゃうので

わかりました

で、この間、気を付けておくことか
やっておいた方がいいことありますか?

特にありません

????

特にないのね??

なにも生活は変えなくて大丈夫ですか?

そうですね、
特になにも大丈夫です

しいていえば刺激物を控えるぐらいですかね。。

そ、そうなんですね。。

なにもしないということが
一番、不安なんですけどーとおもっていると

ここでルウが助け舟

コーヒーは飲んで大丈夫ですか?

はい、大丈夫です

よかったです

この人、コーヒーが大好きなので、、

と今日初めてのいや

唯一の

よかったーー


がでたのであった

ほんま改めて

HORETEMAUYARO=~


こうして、なによりルウと
一緒にこの場にいることが
じんわりと胸にきて

なによりの
よかったー なのであった


もしも、食道がつまって
何も食べられないというようなことがあれば
言ってください、入院もできますので

あ、あ、わかりました

このあと、看護師から検査の説明がありますので
しばらく、待合でお待ちください

あと入院の説明も聞いて行ってくださいね

わかりました、ありがとうございました

と診察室をあとにした

そして、ここではじめて

食道胃腸外科、
そう

外科

に紹介されたことの重みに気づく

外科ってことは切るってことか
それは絶対切るってことか

それって一体どの段階で誰が決めるんだ?

ムウはなんにも聞いてないし

まったく選択の余地を与えられてもないけど、、

このあたりから医療というこの
患者をどこか置き去りに進んでいくシステムに
疑問と不安を覚え始めたのであった、、

最後まで、疲れたままの先生だった

安心感は全く生まれず

ただただ不安と焦燥が増し増しになっただけだった


こんなことでどんどん進んでしまって
いいのだろうか。。。。


と、今日も、長くなってしまったので

つづく。。。。。。

教訓
:患者のためにも若い医師に休養をさしあげて
:不毛な質問でも聞きたいことは聞いてみよう
:病院選びはなによりも大事な気がしてきた

写真は高知の竹林寺
結界の中に足を踏み入れる

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