結婚適齢期が過ぎた頃
結婚という人生の一大イベントを経由しないルートを選んだ僕にとって、親類縁者から持ちかけられる縁談話はとても対応に困るのである。
親戚という微妙な距離感の間柄には、角を立たせない為にも適当な理由をつけて やんわりと断る必要があるのだが、僕が長男であることや他の兄弟もみんな未婚といった状況から相手もなかなか引き下がらない。
両親が未婚の生き方に寛容であるのが唯一の救いである。
そんな縁談話もコロナ以降は全く無くなり、僕もすっかり油断しきっていた頃に親戚から連絡があった。
縁談話を断る適当な理由を考えながら話を進めていたが、今回は様子が違う。
永代供養についての話である。
こりゃ僕の結婚ルートは完全に諦められたということであろう。
金城家の血筋に終止符を打つことを親類縁者共に覚悟したのである。粘り勝ち。
淡々と話を進める親戚に対して「僕の骨は燃えるゴミと一緒に捨てても良いですよ」とは口が裂けても言えなかった。
んで、結婚についてだが僕は何も拒絶している訳ではない。
1.特に良い人もいないし、素敵な人がこんな人間に来るわけがないという諦め。
2.縁談といってもただの他人。奇妙なやりとりにエネルギーを使いたく無い。
3.結婚制度や概念そもそもへの疑念。
特に3の理由が大きい。
永代供養の件然り、墓や血筋の為に結婚をする訳ではない。
また、選択制夫婦別姓など制度の不備も気になる。
せめて人生の一大イベントである結婚については、パートナーと共に納得できる状態で迎えたいものであるがその未来がとても想像出来ない。
しがらみ大国沖縄で長男と結婚するのは相手方も嫌だろうしなぁ。
あと単純に僕の人間性に問題がある。
制度うんぬんよりもこっちの方が原因かもしれません。
今まで人様に散々迷惑をかけてきたので、せめて散るときぐらいは面倒がないようにしたいし、僕に何かあった時は安楽死を適用してほしいと心から願っている。
そんな死生観の人間が誰かと一緒になる道理などないのだ。
恋も学業も人格形成も上手くいくのなら進研ゼミをやっておけばよかったと今更後悔している。
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