見出し画像

井底のランブン、ボドゲ海を語る~第四回:そろそろプレイ難易度を表示しませんか?~

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンです。
本日はボードゲームのプレイ難易度――ゲームに対する取っつきやすさ――を同人界隈で定め、表示することを提言したいと思い記事にいたしました。今は思いつきのレベルですが、この記事を読んで賛同して下さる方が増えれば今後実際に導入できる日が来るかもしれませんので、意見のある方は是非ともコメントを頂けると嬉しいです。
それでは本題に入ります。


プレイ難易度表示の定義

そもそも『プレイ難易度表示』とは何のことでしょうか。この単語は私が勝手に使用している単語なので皆様が知っているはずがないのですが、私は「ルールを覚えてから実際にゲームを最低限楽しむために必要なプレイヤーのスキルを数値化したもの」と定義しています。例えば将棋と麻雀をプレイ難易度で比較することを考えてみます。将棋はルール自体は非常にシンプルで、「駒の動き」と「勝利条件」さえ覚えてしまえばゲームを行うことができます。けれども、いざ対局を始めるとどの駒を動かせばよいのかの選択が難しく、プレイヤーが面白いと感じられるまでには時間がかかってしまいます。逆に麻雀は役や細かい決め事が多く、ルールを全て把握してから始めるのはかなり難しいゲームです。けれども、大雑把な牌効率は感覚で分かることも多く、また運が絡めば例え化勝利することができなかったとしても大物手を和了ることができることもあるので、一度始めてしまえば面白さを感じるまでは比較的短いゲームです。このような場合「将棋の方が麻雀よりプレイ難易度が高い」ということができるということです。
プレイ難易度は「ゲームを楽しむために必要な事前勉強の量」とも言い換えることができます。このような指標を表そうと試みているのが『プレイ難易度表示』ということです。


何故『プレイ難易度表示』が必要なのか

抽象的な説明ではありましたが、『プレイ難易度表示』の意味合いは理解していただけたと思います。では、何故『プレイ難易度表示』が必要なのでしょうか。その理由は単純で購入時のミスマッチを減らすためです。
昨今の情勢により、同人イベントで出展されるボードゲームの情報を事前に知ることが難しくなってきました。もちろん出展前にゲーム内容が分かる動画を投稿したり、見た目だけで何となく難易度が分かるようなデザインにしたり出来ればそれに越したことはありません。しかし、だからといってその事実が「情報を表示をしなくてよい」ということを表しているわけではないということは言うまでもありません。今まで出展された作品も「ゲーム分類」や「プレイ時間」「対象年齢」など様々な情報が載せられてきたことからもこのことは明白だと思います。そして、この『プレイ難易度表示』というのも、先に述べた情報と同じように購入時の参考になると私は考えているのです。
では、実際に『プレイ難易度表示』は購入時のミスマッチを減らすことに役立つのでしょうか。結論を言うと私はこの表示はそこそこ役に立つ、つまり革命的かと聞かれれば疑問が残るが、表示を行う手間とその効果を比較して考えればよい提案であると考えています。
この提案の前提として、私はボードゲームを楽しむためにはプレイヤー自身に素養が必要であると考えています。これはボードゲームに限らず、芸術やスポーツ、読書、お笑い、食事、園芸、etc.全ての趣味嗜好において同じです。スポーツなら基本的な体の動かし方や戦略的な考え方が必要ですし、お笑いならそれを面白いと思うための一般常識や語彙、間の取り方、ときには時事なども知っていなければなりません。ボードゲームも同じで、世界観を感じ取る能力や論理的(またはパズル的)な考え方、相手を倒すための思考などの素養が必要で、逆にそれらの素養がないとゲームを楽しむことができないのです。プレイヤーの素養と必要な素養に差があれば購入時のミスマッチに繋がるのは明白であり、『プレイ難易度表示』はそれを回避してくれます。『プレイ難易度表示』と似たような表示として『対象年齢表示』が存在しますが、この表示はその年齢において「計算方法を習っていない」「難しい漢字を使用している」「不適切なエログロ表現がある」などの指標にはなるものの、必要な素養の指標にはなりません。何故ならゲームに必要な素養は年齢に比例するとは限らないからです。このような観点からも『プレイ難易度表示』が必要であると私は考えているのです。


『プレイ難易度表示』草案

さて、ここまでで『プレイ難易度表示』の必要性については理解していただけたかと思います。では、実際にはどのようにしてプレイ難易度を表示するのでしょうか。理由は後述しますが『プレイ難易度表示』は精密さはそこまで重要ではないので、以下のような数値基準を設けあとは制作者がフィーリングで決定すれば良いかと思います。

難易度1:事前勉強が一切必要なく、感覚で楽しむことができる
例 ババ抜き ドブル ハンズ ぽんこつペイント
難易度2:類似ゲームに慣れていないと楽しめない可能性がある
例 UNO キャット&チョコレート ブラフ ガイスター
難易度3:勉強自体は必要ないが、類似ゲームに慣れていないと難しい
例 麻雀 デクリプト ドミニオン ブロックス
難易度4:事前勉強が必要、または類似ゲームに慣れていることが必至
例 将棋 人狼 桜降る代に決戦を クトゥルフウォーズ

なお、ボドゲ工房R作品の『チキン・ラン』は難易度3、『B級映画制作委員会』と『Mole in the Cult』は難易度2と考えています。この指標は制作者側だけではなく購入者が評価をサイト等に書き込む際や初心者にボードゲームを勧める際の指標としても使用できます。アイデア自体は平凡ですが、界隈みんなで使用することにより必ず効果が出ると考えています。(手始めに今後ボドゲ工房Rで出展する作品には『プレイ難易度表示』を行う予定です)


使用する上での注意点

この『プレイ難易度表示』にはいくつかの注意点があります。まだ運用していないため想定しきれていないとは思いますが、以下に注意点を記しますのでこの表示に賛同して下さる方は一読して下さると幸いです。

・『プレイ難易度表示』は競技的観点の素養とする
ボードゲームは様々な要素が組み合わさっています。ゲームシステムはもちろん、世界観やコンポーネントなども楽しむことができ、それらのどの要素においても楽しむためには素養が必要です。けれども、ここで示す『プレイ難易度表示』はゲームを競技として楽しむための素養に絞っています。その理由は、その他の要素は好みに左右されやすくかつ外見から分かりやすい要素だからです。

・ルールのシンプルさ=低難易度ではない
この指標はルールの多さに関しては言及していません。もちろん、ルールが多いゲームはある程度慣れていないと楽しむのは難しいです。けれども、ルールが少ないゲームがプレイも簡単であるとは限りません。なので「ルールが簡単だから難易度を低くしよう」とはしないようにしていただけたらと思います。
また、同じ理由でプレイ時間の長さもプレイ難易度に影響を及ぼさないものとします。

また、「プレイ難易度なんて主観的なものじゃないか」と感じる方もいると思います。しかし、私はそれで構わないと考えています。何故なら評価して下さる方も同じ指標を用いてコメントして下されば、最終的には精度の高いプレイ難易度になるし、制作者自身のプレイ難易度見極め精度も上がっていくからです。とにかく今は『プレイ難易度表示』の導入が大切だと私は考えています。


最後に

今回は私が普及したいと考えている『プレイ難易度表示』について記事にしました。まだまだ構想段階であり問題点も多いとは思いますが、普及さえすれば界隈にとって便利なものであると思いますので、賛同して下さる方はコメントや意見などを下さると助かります。

『チキン・ラン』
多人数短時間(4~7人、20分)、自由な交渉とシンプルな数比べ
プレイ難易度★★★
キャッチコピーは「―破産か、罵倒か―」
【紹介動画(YouTube) URL】
https://youtu.be/1C1C3qeQsl8
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/chicken-run
『B級映画制作委員会』
多人数軽量級(3~6人、10分)、リレー式大喜利ゲーム
プレイ難易度★★
キャッチコピーは「限られた予算と時間の中で『俺達の最高傑作』を作れ!」
【紹介動画(YouTube) URL】
https://youtu.be/m1iDNyYKa1w
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/b-kyuu-eiga-seisaku-iinkai
ゲームマーケット2021春
『Mole in the Cult』出展しました。
【ルール解説note URL】
https://note.com/ranbun_bdgcobor/n/nfb098775d4d6?magazine_key=m04f7ef0d353e
多人数中量級(4~8人、60分)、じっくり遊べる正体隠匿系ゲーム
プレイ難易度★★
キャッチコピーは「裏切者には粛清を」
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/mole-cult

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?