見出し画像

軟式野球場が硬式可に

なるというニュース。

野球場グラウンドを改修 国際開発コンサルが設計 25年度に工事発注(宮城県 角田市)
 
 角田市は枝野地区にある野球場のグラウンドをリニューアルする。経年劣化によりできたグラウンド舗装の凹凸を不陸整正するほか、外野フェンスの更新なども計画している。設計業務を国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。年度内に設計をまとめ、2025年度の着工を目指す。
 「野球場グラウンド等改修実施設計業務」は、5日に指名競争入札を開札し、国際開発コンサルタンツが950万円で落札した。予定価格は999万9000円だった。業務は測量や調査と工事に向けた基本・実施設計をまとめてもらう。概算工事費の算出なども含む。履行期間は25年1月31日まで。
 枝野地区のかくだスポーツビレッジ(Kスポ)内にある野球場は、1991年に整備された。1000人収容できる観戦スタンドを備え、市内の小中高生や仙台大学の野球部なども練習や試合で活用している。指定管理者は角田市地域振興公社。
 このうち改修はグラウンドをメインに行う。広さは1万816平方mで両翼が90m、中堅が120mの規模。舗装は内野が混合土、外野が天然芝張の構成で、長年の使用により表面に凹凸ができており、プレーに支障が生じている状況だ。
 改修では、内野を中心に根詰まりを起こしている暗渠排水設備を見直すとともに、土の入れ替えや外野芝生の不陸整正を想定。これに加え、付帯設備である外野フェンスを既存の金網からラバーフェンスへ付け替える。また硬球のファールボール対策として防球ネットを新たに設置する計画だ。安全性を高め、これまでの軟式中心から、硬式でも利用できる球場とし、利用者のニーズにこたえる。
 改修工事中は、野球場の使用を停止するため、利用者の少ないオフシーズンに工事を進める想定。来年の秋~冬ごろの施工となりそうだ。
 野球場があるKスポは陸上競技場、NIKKOアリーナかくだ(総合体育館)、温水プール、テニスコート、スポーツ交流館、交通公園、多目的広場などが集約するスポーツの拠点。安全の向上や利用者増に向けて、老朽化などへの対応を順次進めている。今後、温水プールやスポーツ交流館のリニューアルも検討している。

http://www.jcpress.co.jp/wp01/?p=35717

 硬式野球場が硬式不可になるのは、古い球場にはよくある話だが、逆は珍しい。2015年に西宮市で「甲子園浜野球場」と「浜甲子園運動公園」が立て続けに硬式可になるというニュースがあったが、一、三塁ベース手前までちゃんと観客席がある野球場が硬式可になるというニュースははじめて遭遇する。

 件の野球場を google map で見ると、一、三塁ベース手前まで観客席がある以外は内野席も外野席もない簡易な球場のようだ。記事中に「仙台大学の野球部なども練習や試合で活用している」とあるので「硬式できないんじゃないの?」と思ったが、仙台大学の女子野球部らしい。硬球を使っていれば普通に硬式野球だが、「可か不可か」という観点からすると女子野球は軟式扱いになるのだろうか。女子プロ野球には両翼95mの球場でオーバーフェンスのホームランを打った選手もいたが。

 外野フェンスをラバーフェンス化し、防球ネットも張るとなるとかなりちゃんとした野球場の仲間入りと言える。おめでとう。

 単独でポツンと存在する野球場が、周辺の宅地化により硬式不可になり、そのまま閉鎖になる例が多い反面、硬式野球ができる場所にある野球場が硬式可になる背景には、野球場は基本、硬式野球ができるものでありたいという普遍的なニーズがあるのだと思う。

 松戸市の運動公園野球場は、2013年に硬式可にして欲しいという要望者が関係者から市に提出されたが、実現していない。48万都市の「運動公園」にあるのにこれは淋しい。サザンオールスターズ伝説のライブで有名になった茅ヶ崎公園野球場も三塁側に防球ネットを設置すれば硬式可にできそうに見える。他にも改修の仕方によっては硬式可どころか独立リーグなどにうってつけの「ボールパーク」の素材みたいな「軟式」野球場はいくつかある。

 かっては両翼とセンターの拡張、最近はスコアボードをLED化する改修がブームになったが、「古い球場のボールパーク化を見据えたリノベーション」みたいなムーブメントが起きないだろうか。牛久運動公園野球場のリニューアルは良いサンプルだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?