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プロ野球の「タイトル」に色々言いたいこと

 NPBの連盟表彰(いわゆるタイトル)には疑問を感じるものが少なくない。

「最高勝率投手」というタイトルは、名前を変え、細かい規定についても微妙に変化しながらずっと続いているのだが、投手に付く「勝ち負け」とは、投手個人の成績というよりはその投手が投げた時のチームの成績と考えた方が妥当である上、「勝ち」が成り行きで付く事も少なからずある事を考えると単純に「勝率」が最高の投手を表彰して良いのだろうかとは(「最優秀投手」という名称で表彰していた時期もあった)思う。

 ただ投手の「負け」に関しては「勝ち」よりも説得力があると思うので、それが反映される勝率という指標には意味があるのかもしれないが、「勝ち」も「負け」も、先発からリリーフまですべての投手に付きうるものである以上、つまり成り行きという要素が大きく絡む以上、最優秀投手などと言い切るには精度がイマイチという気がする。せめて規定投球回をクリアした投手を対象とし、先発登板での勝ち負けに限れば先発投手への評価としては説得力が増すのではないか。

 先発投手を評価するもっとも大事な指標は「QS達成率」だと思うのだが、これが最高の投手をNPBは表彰していない。

 ここで本題なのだが、資格にも国家資格と民間資格があり、民間資格にも有名なものがあるように、NPBが表彰しない功績に例えばコナミみたいな民間企業が光を当て、「コナミ最優秀QS投手」などという名称で表彰してはどうだろう。打者の指標も近年は「OPS」が重視されるようになっている。これらはマニアックというか表に出にくいものなので今後もNPBは表彰しないだろうから、プロ野球と関わりの深い企業が着目してくれないものだろうか。毎年その指標でトップとなった選手を表彰し続け、NPBのメディアガイドにも載るようになれば「有力な民間資格」のように定着すると思う。

 記録に基くタイトルと言えば守備にも守備率などの指標があるのになぜ「ゴールデングラブ賞」は記者投票で決めているのだろう。そもそも投票者がすべての試合を完璧に見ているとは思えない以上その精度には疑問が残るし、すべての試合を完璧に見ていたとしても投票である以上主観が入る。

 守備のタイトルを記者投票で決めたいのなら、記録には残らない功績に光を当ててはどうか。例えば「ファインプレー」とか。企業名を冠し「美技王」という名称の「民間資格」として実施し、記者が「おおっ」と思ったプレーをした選手にポイントを進呈しその数で決める。投票する方もその方がやってて楽しいだろうし、「芸術点」なのだから主観が入っても良い。

 そんな風に、NPBが記録として残さない要素にタイトルという形で報いる事も野球という文化を豊かなものにするのではないだろうか。

 豊かにする、というと、仕事が割と明確に分業化された今のプロ野球では、ある役割を果たす選手に対して何らかの指標を設けて評価できるようになればとも思う。

 特に「ビハインドの展開で投げる投手」が、自軍が不利な状況下でどれだけ相手の攻撃を最小限に食い止め、試合を立て直す事に貢献しているかを指標化できればと考える事がよくある。

 前提として、リードされている状況で登板した投手を対象とし、降板するまでに取ったアウトの数と失点を反映する。前の投手が残した走者を帰してしまった場合の失点については、三塁走者なら1点、二塁走者なら2点、一塁走者なら3点。自分で出した走者なら4点と重要度を分ける事で精度が増す。どう計算するかは考えていないが、「勝ちパターン」に入れていない投手、名前をコールされてもファンに盛り上がってもらえない投手のモチベーションになればと思う。

 要は、NPBがスルーしがちな功績というか要素に対し、外部の民間企業や団体が光を当て、表彰という形で報いようよという話。


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