開場100周年の甲子園球場 内野席「銀傘」アルプスまで拡張へ 高校野球の暑さ対策 2028年完成
施工業者にとって新しい需要が生まれた気がする。最近までは両翼が90m強程度の狭い球場を広く拡張するのが全国的なムーブメントになった。夏がもっと暑くなるこれからは、炎天下に観客を集めて試合を行うすべての野球場を対象に、「客席に屋根を」がトレンドになっていくかもしれない。
炎天下に観客を集めての試合とは、具体的には高校野球の夏の大会の事で、プロ野球の常打ち球場それをやっている屋根のない球場が甲子園、マツダ、横浜、神宮、宮城、千葉で、このうち外野にも日影があるのがかろうじて千葉だろうか。
炎天下での観戦というと、観客は日影にビッシリで、陽にさらされた場所は敬遠され、そちらに追いやられた客が日影を恨めしそうに見るという図が風物詩になっている。
こういう「難民」を作り出してしまう状況は変えないといけなかったわけだが、長年炎天下にさらされつつ観戦していながらそれを当たり前と思い、「屋根の増築」など考えてもみなかった。しかし甲子園球場がそれをやる事で、全国の野球場にその流れが波及するかもしれない。
実際野球場の多くはネット裏の一部に屋根がかかっている程度で、内野や外野は炎天下になる場合が多く、まったく日影がない野球場も少なくない。
それを考えるとますます「新しい需要」という気がする。そのためだけに改修というのも考えにくく、ここ数年でかなりの野球場が改修を終えたから言うほど大きなムーブメントにはならないかもしれないが。
さいたま市営浦和球場の外野席は木々が覆っていて、これが天然の屋根になっており、これでちゃんと座席を整備したら他の球場にない大きな特長になると思うが、解放される事自体があまりない。
熊本の藤崎台球場のクスノキも外野の一部を覆っており感じが良い。川越の初雁球場は一塁側の内野をやはり木々が覆っている。そういう日影の作り方もあるので、これからどんな斬新な設計がされるか注目したい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?