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西武・源田壮亮、執念の「ヘッスラ」にファン涙 12球団最速40敗目もエール続々「源田1人のせいじゃない」

 プロ野球西武が2024年6月11日、ホーム・ベルーナドームで広島と対戦し1-2で敗れた。今シーズンワーストタイの8連敗で、12球団最速の40敗目を喫した。
 試合は西武・今井達也投手(26)が先発。2回に菊池涼介内野手(34)にソロ本塁打を許し先制され、7回には犠牲フライで1点を失った。今井は打線の援護がないまま7回7安打、2失点で降板した。

■「源田選手・今井選手の涙、めちゃ胸にくるな」

 西武は2点ビハインドの8回、佐藤龍世内野手(27)のソロ本塁打で1点差に迫った。9回には2死2塁と、1打同点の場面を演出した。
 打席の源田壮亮内野手(31)は、3ボール1ストライクからの5球目を1塁方向に転がした。1塁手が処理にもたつく中、源田はベースめがけてヘッドスライディング。勝負への執念を見せるもわずかに及ばず1-2で敗れた。
 源田はグラウンドに両手、両膝をついたまましばらく立ち上がることができず、先発の今井が源田に駆け寄るシーンも。
 スポーツ紙の報道によると、源田は試合後「僕のせいです。また頑張ります。すみません」と声を振り絞ったという。
 インターネット上では、源田のヘッドスライディングや試合後のコメントが話題に上がり、Xでは西武ファンのみならず野球ファンから続々とエールが投稿された。
 「源田のせいじゃないよ!!!! 」「源田くん悪くない、悪くないよ...」「他球団ファンですが源田さんが背負うことではないし、西武の力はこんなもんじゃないですよ!」「源田、1人のせいじゃないよ」「チーム状況が苦しすぎるからこそ源田と今井の涙にはグッとくるもんがあるな」「源田選手のスライディングする姿に涙」「源田選手・今井選手の涙、めちゃ胸にくるな」などの声が寄せられた。
 開幕から低迷する西武は5月26日に松井稼頭央監督(48)が休養することを発表。渡辺久信GM(58)が監督代行を務めることになった。チームは11日時点で、18勝40敗でリーグ最下位。セ・パ交流戦は3勝10敗で最下位に沈んでいる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/395b4805189ef8ef99a2d7be2954c8d44559d02f

 来るところまで来たな、という感じがする。具体的には他球団ファンに同情され「西武の力はこんなものじゃない」とか言われる事。
 松井監督が休養しても、やはりチーム状況は上向かない。松井監督のファンは「渡辺代行でもダメ。やっぱり松井監督は悪くなかった」と言うが、それは論理的ではない。「AもBもダメ」である事は「Aは悪くない」事を証明しない。今の西武は正に「こんなもの」なのだ。「こんなもの」だから「こんなものじゃない」などと言われる。他球団のファンからは憎まれ口を叩かれるくらいでないとダメなのだ。
 源田のヘッスラに関しても、ヘッスラだけがクローズアップされるが、その前に何があったか?平凡な一ゴロだった。「源田は悪くない」は確かにそうだが、キャプテンなりの責任があるし、何より源田自身の成績が良くない。
 ただ、それも元々上位打線を打つ力はない源田を上位に置かざるを得ない状況に問題があるので、彼に同情が集まるのは理解できる。

 コルデロとアギラーが打線の中軸に座っていたら、おそらくここまで酷い事にはなっていなかったし、主力が抜けてもその穴を埋める逸材が育ってきたという系譜がピタッと止まったのも何か不自然だ。
 たぶん、そこに関わるスタッフの人選を豪快に間違えているんじゃないか。西武の若手の「ポテンシャル」についてはよく「ファームにこんな凄い素材がいる」とファンの間で話題になるように、ドラフトが著しく間違っているとは思えない。「立て直すのに5年はかかる」という声も出ているようだが、メスを入れるところを間違えなければそんなにはかからないと思っている。

 ファンはスターが好きだから、どんなに不成績でも基本は庇う。「松井監督」を既定路線とし、長期ビジョンを描いてしまったところからもう低迷の芽は出ていたのではないか。つまり周囲が本人の適性に疑問を持っても、ファンの批判を恐れて軌道修正できなかったと。
 あろうことか、最近のファンにはコーチにまで「スター」を求める傾向があり、現役時代に大した成績を残せなかった人がコーチになると「こいつに何が教えられるんだ」という目で見たりする。あんたこそコーチ業の何を知っているのかと言いたくなる。コーチが教えるのは「自分の経験」ではない。自分の経験が間違っていたのなら、「正しい経験」をした人物からインプットし、選手にアウトプットする。それがコーチ業だろう。自分の経験を唯一絶対と信じ、選手に押し付け失敗した指導者は言うまでもなく「スター」だった人たちだ。
 指導者は指導者の勉強と経験を積んで成果を出した人物を選ぶべきで、その意味ではファンの声を聞くべき部分と無視して良い部分を球団の基本方針として共有して欲しいと思う。

 山川への対処については別に問題なかったと今も思っている。彼がどんなにソフトバンクで活躍しようが、西武の得点力がどんなに落ちようが。「(被害者の女性と)和解したんだから別に良いだろ」と思う人もいるだろう。だが同意のない女性に暴行を働いた事を許せる人と許せない人がいて、西武は後者なのだというだけの事なのだ。
「コンプライアンスに厳しい」のが西武のスタイルなら、それは貫けば良い。共感はできるので、私は支持する。実力があってもモラルのない選手は排除する。例え勝てなくなっても。モラルのある選手を獲り、モラルのある指導者が育てる。そして少しづつ成果を出す。そして今までとは別種の人たちの共感を集める。「立て直す」とはそういう事だと思う。

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