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【ヤクルト】ドラ2・松本健吾がプロ初登板初完封 72年ぶり快挙「気づいたら9回になっていた」
燕の超新星が坊っちゃんスタジアムのマウンドに降臨した。ヤクルトのドラフト2位ルーキー・松本健吾投手(25=トヨタ自動車)が15日の広島戦(松山)でプロ初登板初完封の快挙を成し遂げた。初先発で広島打線を相手に118球、3安打無失点、無四球10奪三振と文句なしの快投。2―0と勝利したチームに大きく貢献した。
新人投手のプロ初登板初完封は球団としては1952年10月10日、旧国鉄に所属した小山恒三以来、72年ぶり2人目。NPB全体では2008年のソフトバンク・大場翔太以来、16年ぶり23人目の快挙となった。
2回一死から長打と味方の失策で一死一、三塁のピンチを招くも、会沢を5―4―3の併殺打に仕留め無失点。尻上がりに調子を上げ、4回以降は走者を1人も許さず緩急を使い分けながら鯉打線を翻弄し続けた。終わってみれば新人投手の初登板で「完封」、「無四球」、「2ケタ奪三振」の3項目をクリアし、これは史上初の記録となった。
両親も応援に駆けつけていたスタンドから万雷の拍手を浴びた右腕は試合後、お立ち台に登壇。マイクを向けられると「とてもうれしいです。新人ですし、チームに勢いをもって来るようなピッチングを心がけた。思い切っていったのが、いい結果になって良かった」と胸をなで下ろすと「気付いたら9回になっていた。あんまり完封とか意識していなかったので」と振り返った。
そして高津監督からはウイニングボールを渡され、満面の笑みを浮かべていた。
ドラフト直後の大会で観た時は内容がそれほど良くなかったので「変化球のコントロールは良いんだな」という感想だけだったが、その「コントロールの良さ」が凄い武器らしい。
自分の贔屓チームの「プロ初登板完封」の直近というと、すぐに思い出したのが芝草宇宙(91年・日ハム・対ロッテ)だった。スポーツニュースのインタビューで解説者に「ワインドアップで投げるのやめないでね」と言われていたのを覚えている。その後ワインドアップどころかサイドスローになったのだが。
しかし調べてみると、01年に同じ日ハムの中村隼人(対オリックス)も達成しているのだ。凄い事なのになぜ覚えていなかったのか。中村隼人が十分印象に残る選手で、「太ももの太さが競輪選手並み」とか言ってたのは覚えているが、日ハムにとってあまりに弱いシーズンだったので関心が薄れていたのだろうか。
それにしても、確率で言えばノーヒットノーランよりも凄い事なのに自分の贔屓チームだけで2度あったというのは驚く。直近では広島のクリス・ジョンソン(2015年・対ヤクルト)がいたが、彼は十分プロ経験者なので直近は大場翔太(08年・ソフトバンク・対楽天)と考えられる。その大場が結局プロで大成できなかった事から「不吉」と思うファンもいるようだ。
では過去の達成者29人のうち、偉大と言える選手、あるいはひとかどのプロ野球選手として私が名前を記憶している選手を挙げると、
藤村富美男、石丸進一、白木義一郎、村山実、森安敏明、高橋善正、新見敏、槙原寛己、野村弘樹、芝草宇宙、チェコ、ジョンソン
だとすると、初登板完封を達成した投手がひとかどのプロ野球選手になれる確率は .413 なのだろうか?
だとしても全然悪い数字ではない。ファンは「凄い記録を達成した投手なのだから」と、その投手に凄い期待をするだろうから、 .413 という数字を不吉に感じるのかもしれないが、「初登板完封を達成しなかった投手」がひとかどのプロ野球選手になる確率、というものを考えて欲しい。 .413 どころではない。
なので私は松本投手に普通に期待する。エースと呼べる投手が不在で久しいヤクルトなので、もうどうぞ遠慮なくという感じなのだ。
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