見出し画像

憤り

こんにちは、白紫菖蒲です

先日、介護施設の見学に行きました
このご時世に見学をさせて頂けることは
有難い事です

ただ…

色々な施設を見学に行かせて頂きましたが
帰りの車の中で、憤りと切なさで
涙を流しました

通所リハビリの介護施設でしたが
感染対策にて玄関先から見学を
させて頂きました

おおよそ20名程のご利用者様がフロアに
いらっしゃったんですが
雰囲気が暗い…

重度の方を積極的に受け入れている施設でしたので
お元気な方が少ないからかな?と思っていたんですが

すがすがしいほど晴れのお天気でしたが
カーテンがすべて閉まっている

ご高齢の方や認知症の方は昼夜が逆転してしまう
傾向にありますので、
陽の光を浴びて昼夜逆転しない様に
体内時計を整える作用があります

カーテンが閉まっているので、フロアが暗いだけかと
思っていたんですが
ご利用者様からの活気も無くなっていました

お隣の方をおしゃべりをするお姿や
レクリエーションや創作活動、
脳トレ等の余暇活動が一切なく

ご利用者様全員が
机を見て、うつむいていました

その時点で、私は愕然としました

そして、お昼ごはんには少し早い時間の
見学でしたが

机の上やフロア内に
水分補給が出来るものがない

若い人より、高齢者の方は
喉の渇きが分かりにくく、トイレも近くなるので
ご自身で積極的に水分を取られない傾向にあります
若い人より、体内の保水率が衰えていますので
水分補給を怠ると脱水症状を起こし、重度になると
意識障害で入院の可能性も出てきます

水分制限のある方は別として
机の上に湯呑やコップが一つも無かったんです
ドクターストップ以外の理由がなければ、
水分を取らないという選択肢を介護施設側が
作ってはいけないのです

しかも通所リハビリという
リハビリを目的とした介護施設において
運動後の水分補給を手軽に出来ない

もし自分が、運動後に
水を飲みたくても飲めない状態と同じです

そして、一番衝撃的だったことは
ご利用者様が20名程いらっしゃいましたが

全員が車椅子に座っている

重度の方を受け入れてるからでしょ?
車椅子に座ったらだめなの?

車椅子は、基本的に
移動を助ける器具です

座って移動するものですので
椅子に座る事が可能な身体状況であれば
車椅子にずっと座っている必要はありません

介護の用語で言うと
座位が取れない状態の身体状況であれば
リクライニングの車椅子等を活用しますが
座位が確保でき、通所は在宅が基本ですので
なるべく車椅子を利用せずに過ごす方法を
取ります

しかも、通所リハビリですので
リハビリを目的とされる方が多く利用されます

車椅子から椅子に座り変えることも
日常生活の動作、リハビリの一環として
活用できます

車椅子は内輪差と外輪差がありますので
自走される方のために、通路を広く取りますが
その通路も車椅子が通れるか通れないかの
広さしかなく、私の目から見ると

自走をさせない=自由を奪う

事になりかねません


そもそも「通所」ですので
ご自宅に迎えにいって送らせて頂きます
バンタイプの介護車を使いますが
車椅子が乗るスペースは最大で2~3台です

20名の車椅子の方を送迎するとなると
おおよそ2時間以上はかかります

ガソリン代や人件費を差し引いても
効率が悪いので、恐らく送迎は
車椅子から降りて座席に座って頂きます

車の座席に座ることは、
沢山の動作が必要です

立ち上る、車に乗る、移動する、座る

その動作が可能なご利用者様の移動が
車椅子だとしたら…

送迎に関しては、お聞きしなかったので
2時間以上かけて2~3名ずつ送迎を
なさっているのかもしれません

もしそうなると、施設からご自宅までの
距離にもよりますが、一日の走行距離は
100㎞を超えると思います

介護士が車椅子を使う理由として
・車椅子が必要な身体状況
・体調不良
・中距離の移動が困難

ご利用者様の為に使用するものであって
介護士が自分の為に使うものではありません
車椅子の使用を誤ると
身体機能を下げることや、車椅子への依存ができ
本来の機能を失ってしまうことになります

色々と書いていきましたが

何よりも

ご利用者様がうつむいて過ごす
時間が少しでも減り
通所であれば
ご自宅での生活が今よりも、もっと
過ごしやすくなるお手伝いが出来る
施設が増える事を願っています

一周回って
私の考えていることが間違っているのかも
しれないと、何度も思いましたが
ご利用者様のお顔を思い出すたびに
胸が締め付けられます

憤りを感じながら
少しでも、ほんの少しでも良いので
ご利用者様が笑って過ごして
頂ける施設が増えますように

本日も読んでくださり、ありがとうございました
誰かの一助となりますように


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?