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他人から求められる自分を演じていた事

こんにちは、白紫菖蒲です。
今回は「隠れ我慢」というワードが気になり
自分が初めて自分自身を理解した出来事を書いていきます。

幼い頃から、自分の意見を発するのが苦手でした。その大きな要因として、言葉を発するたびに無視をするか機嫌が悪くなる父と、顔を合わすと「死にたいから殺してくれ」という母。年が一番下だからこき使われるのは当たり前だという価値観で育ち、何か言えば怒られるという状態でした。

そのような家庭環境の中で、自分が傷つかない方法として「我慢すること」「黙っていること」「言う事を聞くこと」それが、私の中で両親から愛される方法だと思っていたんですよね。

それが、間違っていることに気づいたのは
社会に出てからになるのですが、

なぜ、私は他人に合わせ
相手が喜んでいる姿を見ているのに
自分は辛い思いをしているんだろう

なぜ、反対意見を言わないのに
怒られているんだろう

なぜ、私が辛い思いをしているのに
誰も気づかないんだろう


そう思う事が増えていきましたが、
私にとっては「我慢」が「普通」だったので
自分が我慢をしていることにも気づかず
他者から求められる自分を演じて過ごし
助けて欲しいと言えない自分が出来上がっていたんです

自分に対して違和感を感じながら、介護の仕事をしていたんですが、私にとって大きなきっかけとなる出来事が起こりました。

不定期で夜勤のある高齢者デイサービスに勤務していましたので、その日は夜間の電話待機を担当していました。夜間に何か起きたとき、例えば、事故であったり様態が急変したりと夜勤者一人では対応出来ないときに電話待機が駆けつけるといった業務でしたが、私が担当した3年間で一度だけ電話が鳴りました。

夜中の2時に電話が鳴り、現場にかけつけ、30分ほどで自宅に戻りましたが、夜勤者が今にも泣きそうな顔で謝り、うろたえていたので自宅に戻っても連絡があってもすぐに動ける状態を保っていました。

そのまま寝ずに出勤をし、昨夜の状況を上司に説明しました。その時点で24時間以上寝ていない状態でしたので、頭がぼーっとして正常な判断が出来ないことを自分が分かっており、仕事に影響してしまう為、上司には半休を取りたいと伝えようとしましたが、

上司からは
「行かなくてよかったのに」
「急にシフト変えられないから座って仕事して」
と言われ、自分の言葉を飲み込みました

我慢に代わる私の選択肢は
「黙ること」でした

私が半休をとると誰かにそのシワ寄せが行く、電話待機という業務において現場に行かなくても良いという選択肢が上司にはあったことを、自分の体の辛さよりも考えてしまい、そのまま9時間勤務を乗り切りました。

その日の勤務時間が終わった時点で、34時間起きていたので家に帰るにも体が動かず、次の日も仕事があることや家に帰っても家事があることを考えながら、ぐったりとしていた私に同僚が

「明日の勤務、変わりますよ」
「体もしんどいし、明日予定がないので変わります」

そう言われ、素直に「お願いします」と言えない自分が芽を出します。他人から求められる自分を演じ、ノーと言わない私を演じ、我慢することが普通だった私は「大丈夫です」と言ってしまったんです。

ただ、そのあとに

「上司には自分から変更を伝えますから」

その一言で、初めて自分が言えなかった、言ってほしかった事をすべて言われ、私は自分が我慢をしていた事に気づいたんです。そして、泣くのを堪えながら

「私は、素直にお願いしますって言えないんです
 プライドが高いと思われるかもしれませんが、
 本当に嬉しいのに、言えないんです」

初めて、自分が言えないことを伝えました。
その「言えない」の中には私の育ってきた家庭環境や色んな場面で言葉を飲み込んで辛い思いをしてきた沢山の経験からの「言えない」でしたが、同僚は大丈夫っすと笑いながら上司に掛け合ってくれました。

その出来事から数年経ちましたが、今でも同僚には感謝しています。きっと、私が言えないことを分かっていたんだと思います。

「用事が出来たんで、変わってもらった方が有難いんすよ」

そう言われ、人生で初めて、演じない自分で
「お願いします」と言えました。


求められる自分を演じながら生活をしていた頃は、ストレス発散を色々と試しましたが、一番は「自分に正直になること」でした。誰にどう思われるかを気にすることや、自分が望んでいないのにイエスを言う事がいかに自分を追い込んでいたのかを実感し、助けてくれる方に素直に感謝が出来たことを今は本当に良かったと思っています。

我慢は目に見えませんし、感謝していることも目に見えません。
だからこそ、伝えなければいけない事だと思います。


そんなことを思い出しながら、
我慢に代わる私の選択肢でした

本日も読んでくださりありがとうございます
誰かの一助となりますように

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