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睡眠を「たのしさ」で語る、『エクストリームな睡眠術』ゆるネタたち。


ラムネアプリの立ち上げ前からお声がけ頂き、それからおよそ1年半。試行錯誤しながらお題を考え続ける日々が続きました。

そして今年2月にアプリが公開され、いよいよ自分の考えたお題に続々と投稿が集まっているのを目の当たりにすると……「嬉しい悲鳴」ならぬ、「嬉しい呆れ」に、つい思わず「しょーもない!」と歓喜の声を上げてしまいました。出題者の想像をはるかに超える、みなさんの素晴らしきゆるネタに幸あれ。とても嬉しいです。

さて、2020年。コロナの夏も過ぎ、寝床に向かうのが楽しい季節になってきました。

巷にはあまり寝付きがよろしくない人のために「正しい睡眠法」なるものが溢れています。もちろん効果はあるのでしょう。それで助かっている人が大勢いるとも思います。ですが、いつも自分はこの「正しい睡眠」とやらにモヤモヤしたものを感じてしまいます。

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人間にとって睡眠とは、食事と同じく不可欠な生存活動であると同時に、極めて社会的な営みという側面もあります。その証拠に、睡眠にまつわる風習は、歴史や文化圏によって案外バラバラです。そしてもちろん個人差も大きい。そうした睡眠に、画一的な「正しさ」を持ち込むのは、ある種の抑圧になってしまう危険性さえあるのではないでしょうか?

睡眠を「正しさ」で測るのではなく、「たのしさ」で語りたい。睡眠へ向かう人それぞれの創意工夫は、人間の自由な精神活動の最後の牙城であるとさえ思っています。

このお題に集まった、エンタメ性の高いエクストリーム(過激)な睡眠法の数々。みんな自由で素晴らしく「楽しい」ではありませんか! 紹介していきましょう。


●緊張緩和の繰り返し

息を吸って呼吸を止め、身体を緊張させた後に一気に力抜きながら吐く〜〜を繰り返す👍となんか寝れます。飛行機でもたまにやります。

分かりやすくエクストリーム。大袈裟に言えば、みずからを一度仮死状態に追い込み、そこから緊張状態をつくりあげてからの、弛緩⇒爆睡。もはや宗教儀式的な匂いさえ漂います。ただの呼吸法と言えばそれまでですが、独力で思いついたっぽい呑気な感じがよいです。


●シクシク泣いて睡眠導入

センター試験の前夜、緊張のあまり2時頃まで眠れませんでした。 しかし眠れないことが不安になり、しくしくと泣いてみたら、泣き疲れて眠ることができたのです。 眠れないことによって引き起こされる悲しいことを考えてみましょう。泣けばグッスリと眠れます。

これも一種の「緊張と緩和」睡眠術でしょうか。失恋の痛みを癒やすため、あえて悲しい映画や音楽を摂取してガンガン泣くのが回復への早道と聞いたことがあります。そのアグレッシヴな自己回復を一晩の寝床の中で行なっていると言ってもいいでしょう。ストレス解消にも良さそうです。


●おSiriさんの朗読で眠る

Siriの読み上げ機能を有効にすることで、画面内のものを何でも読み上げてもらえます。青空文庫や気になる記事をスワイプして、おSiriさんに読み上げてもらいましょう。 感情無く淡々と読み上げると思いきや、意外と感情豊かに読み上げてもらえます。 (速度も変えられるよ)

こちらは自分の力ではなく、外部の力を借りて睡眠を呼び寄せる方法。しかも相手はおSiriさん。テクノロジー。テレビやラジオ、YouTubeの音声を聞きながら寝るという人は実は結構多いのですが、Siriの読み上げなら自分の好きな内容やスピードにカスタマイズできます。自分専用の入眠ブースター。これは盲点でした。


●サワガニのカサコソいう音に耳をすませる

サワガニ及びその他小さいカニを入手して水槽に入れます。 部屋を静かにしてカニが動き回るかすかな音を聴きながら眠りにつきます。good night…🦀

外部の力を借りる睡眠法でも、こちらはテクノロジーではなく自然の力。部屋の中に人工的な川のやすらぎを作ってしまおうという魂胆です。蛙や鈴虫ほどうるさくなく、それでいて詫び寂びも感じさせます。goodchoice…🦀


●借りてきた猫の息?

猫の語源は寝子といわれるほど。もふもふの猫がぐっすり寝息を立てている姿にはあまりにも癒されるものです。 ベッドに入って横になって、近くで眠っている猫の寝息に耳をすませて……彼女の、ぷう、くう、という呼吸を真似するよう、重ねるように、テンポを合わせて息をしてみるのです。 なんだか、眠気もシェアできるような気がしませんか? 願わくば、愛おしい猫たちと一緒に幸せな夢をみられますよう。

さらに生き物の力。しかも猫の手ならぬ「猫の息」を借りてまで熟睡を貪ろうとする人間の強欲さ、浅ましさ、罪深さ、そして猫のかわいさ。最高です。これも一種の呼吸法と言えますが、そう言えばまだ子どもが小さかったころ、寝かしつけをしながら何となく子どもの寝息にリズムを合わせてみたら、一瞬で気絶するように寝落ちしたことを思い出しました。あれはいったいなんだったのでしょう。


●冬眠するリスになりきる

どんぐり貯蔵量も万全、 寝床のコンディションも最強な春まで幸せに眠れるリスのイメージ。

ボクサーが飢えた虎をイメージして自らを鼓舞するように、エクストリーム睡眠派はどんぐりに囲まれたリスになりきって自らを眠りの国に追い込むのです。これもひとつの野生の力。


それでは皆さん、いい夢を。



古川 耕
放送作家/ライター。放送作家としてTBSラジオ『アフター6ジャンクション』『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』などを担当。
ライターとして文房具や書評などを行う。連載は月刊GetNavi「手書きをめぐる冒険」。
https://twitter.com/2dawn

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