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前略草々 仮設建築アート

 現代美術館のジャン・プルーヴェ展。椅子から建築までという展示で、設計から作り方、そしてまさに現物に物質化したものまで観ることができる。行くまではなんとなく北欧の椅子をイメージしていたが、フランスの人。仮設建築の第一人者だったらしい。同じパーツで4×4とか8×8とか、サクサク作る建築のようだ。しかし設計は綿密。建築というと景観の中に溶け込むよりはいかにシンボルとして目立つかが肝のように思っていたが、前からあったかのような溶け込み方であり、プレハブ建築なので直ぐに作れて直ぐにバラして移動できるだろう。日本の障子や畳等のイメージも。窓からの光の入り具合も分かるように展示されているので、物質としての建物だけではなく、もしもここに住んだらどんな感じがするかもわかる。住みやすさや椅子の座りやすさは、造りやすさのイメージも重ね合わされていて、気楽さとも言えるが、このいつでも変形可能性はサバイバル力のような強さをも感じさせられた。堅牢さとは異なる強度、その身軽さはこれからの時代のど真ん中の価値観ではないか。
 その後、『私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』展を鑑賞。一言で言うとあいちトリエンナーレみたいな感じ。中はアトラクションのようになっているし、高川和也さんの≪そのリズムに乗せて≫はドキュメンタリー映像で最高だった。最後の方から見て終わったらまた最初から最後まで見た。
 常設展示は横尾忠則さんの作品も多く、いつも通りといった退屈感はゼロ。出来ればセット券を買って全部見た方がいいと思う。広々として涼しいし、絶対にオススメ。

 そう言えば、美術館に入る前に入り口にカラスが2羽居て、口を開けて赤いところを見せてくれた。リップを着けてるのカアと言いたいのかもしれない。帰り道ではあるマンションのベランダの角に止まってカアと鳴いた。
 ーー君ん家でもよくやってたの知ってたカア🪶

ひとまず、メモ的に。

 草々

(米田素子)

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