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コロナ禍の演劇〜とどまらぬ情熱

私たちは、劇場の舞台の上で、対峙するほかの俳優の飛沫を浴びる可能性がある中、マスクをつけずに芝居をします。稽古中を含め、何度PCR検査を行っても恐怖心がなくなるわけではありません。それでも、舞台の上に立ち、芝居がしたい。それに、舞台の上で演じている瞬間は、その恐怖を忘れられるんです。

『17 AGAIN 』
現代ビジネス  ソニンインタビュー記事より抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/265aeb0f71f02d009ae658cccb93df87d4c7945f


コロナで変化したことと変わらなかったこと

昨年のコロナのニュースを聞いていた時に漠然とした疑問があった。主に飛沫感染や空気中のウィルスの浮遊による感染が問題として大きく取り上げられていたが………それならドラマや映画のラブシーンは無くなるのかな?それとも大昔のようにセルロイド越し?みたいに思って変わって来るんだろうなぁ~と考えてました。だけどいざ復活した撮影でもキスシーンは失くならかったし今までと何ら変わらない作品が出来上がっていました。もちろん視聴者に届くまでの製作過程では細心の注意が払われて撮影されていたハズです。毎日検査されていたとしても躊躇される俳優さんはいらっしゃるかもしれません。それはそれで命懸けでキスシーンを撮れとは言えませんよね…現場でどの様なヤリトリが在ってるかは知る由もありませんが、コロナ以前と変わらぬスタンスを保って下さるプロ根性にはありがとうと伝えたいですね。撮影の現場の大変さが画面に写り込まないように、今まで通りに見える様に努力をされているんだなと感じます。ドラマにしろ映画にしろ映像はカットのタイミングなどを利用して感染予防対策を取ることが可能ですが、生の舞台ではそうはいきません。それでも無観客で動画配信でなされていた時まではコマメに休憩を入れながら撮影したり等の配慮が為されたかも知れませんが、観客を入れてに戻ればそうは出来ませんので色々検討されて舞台構成から変化していると思います。どこかの記事で密集を避けるために一度に舞台上に居る人数を削らなければイケなくなったと書いてあるのを読みました。人物間の距離を保ちながらストーリー上の違和感を持たせ無いように保つのは演出する上でも、劇場ごとに変化するステージがツアーを予定された舞台ではどれだけ大変な事だったか想像も付きません。直後の昨年とそれを乗り越えて経験を積んだ今年では舞台も変化しているのでしょうか?舞台の観覧経験の無いわたしには分かりませんが、この1年間で劇場によるクラスターが発生していないと云う事は、その時々に適切な対応をされてそれがキチンと反映されていると云う証拠ではないでしょうか?毎日の検温とPCR 検査にそれ以外にもあらゆる予防をして来たと語られている記事をあちらこちらで見かけます。そして舞台稽古の最中に陽性者が多数出れば中止や延期のお知らせも幾度目にした事か数知れずです。それは主役の役者であっても降板を余儀なくされるのですから関係者にとっても演者にとっても毎日が波乱の心情だと思います。そんな中でも早い時期から舞台の上演が復帰出来てる日本の演劇界は対応に成功していると評価されるべきだと感じます。実際、アメリカではまだ復帰が見送られたままではないでしょうか?

イギリスのウエストエンドやフランスでも本格的な再開はまだの様ですね?再開の記事を探しましたが見つける事が出来ませんでした。国際的に見た感染者の拡がりの差なのでしょうか?国による対策や政策の違いも在るのかもしれませんが…対外的に見てもやはり日本の演劇界は対処に成功していると感じるのです。

舞台に立ち続けること


冒頭のソニンさんのインタビュー記事に戻りますが、危険と隣り合わせの高いリスクを犯してでも、舞台に立ち続ける勇気と情熱は素晴らしいと思います。ひとつの舞台を成功させる為には、役者とスタッフと劇場それに観客も一体となって支えられているのではないでしょうか?どんなに頑張って用心しながら準備していっても観に来る観客が居なければ成功ではありません。劇場やカンパニーを信頼して安心して舞台を観に行くのですから。多くの劇場でたくさんのファンが劇場へ通っています。たった一年で日本の演劇界は復活しているのに…度重なる緊急事態宣言により閉鎖を余儀なくされなければならないとは、何と悲しい現実なのでしょうか?この宣言が解けた先に本当に元通りに再開出来るのか?やっと軌道に乗り出した劇場が閉塞感に包まれて終わない事を切に願うばかりです。

役者の生活

舞台役者の方達の中でも、舞台のお仕事だけで生活が出来てらっしゃる方はホンの一部ではないでしょうか?有名な俳優さんだと舞台と映像の両方で活躍されていて、実際昨年劇場が閉鎖されてテレビに戻られた方が多かった様に感じます。映画の方でも撮影が難航していたみたいで、いち早く復活したテレビ業界に集中したのでしょうね。
それでは舞台も休止、映像のお仕事も無い方は?多分普段から副業をお持ちで働いてらっしゃると思いますが、そのほとんどは自由の利く飲食店関係ではないかと予想されます。そうすると緊急事態宣言により休業要請の出ているお店で働いていれば即アウトですよね?どっちを向いても休業なんて生活出来ません。好きで続けている演劇を諦めなければイケなかった人も居たかもしれません。それは役者だけに限らず芸人さんなども同様だと思います。よく売れていない頃の副業話をテレビなどでされていますものね。そういう主役では無い人でエンターテイメントって支えられていますよね?主役も脇役が居ての主役ですから。そうでなければ一人芝居になってしまいます。その様な舞台も在りますが、たくさんの登場人物で成り立っているのです。彼らの演劇への情熱や愛情とカーテンコールへの幸福が舞台へのエネルギーとなって支え合ってる。それこそが演劇界を形作っているのだと思うのですが…コロナとの共存で再び演劇界はそれを超えるものへと変化出来るのでしょうか?今、この時期の対処が未来を位置付けているのではないかとかんじています。



何も知らない素人の勝手な憶測だと思います。
でもSNS で見掛けるこんな事には負けないと発信されている数多のメッセージに何か語りたくなってしまいました。こんな記事が何かの役に立つとも思えませんが、少しでも声を上げる加勢に成ればと記事を書いてみました。

拙い文章への共感やサポートありがとうございますm(_ _)m