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『マリー・ミー』の感想書く

あらすじ

世界的歌姫のキャット(ジェニファー・ロペス)は、新曲「マリー・ミー」を携え、大観衆の前で音楽界の超新星バスティアン(マル―マ)と華々しく結婚式を挙げる予定だった。しかしショーの直前、婚約者バスティアンの浮気がスクープされ、失意のままステージに登壇したカットは、観客の男性に突然プロポーズするという驚きの行動に出る。新たなお相手は、平凡な数学教師(オーウェン・ウィルソン)とあって、前代未聞のギャップ婚に周囲は大混乱となるのだった…。本作は、ボビー・クロスビーの同名グラフィックノベルを原作としたロマンティック・ストーリー。(公式サイトより)

universalpictures.jp/micro/marry-me

はじめに

予告編を見てみたらなんとなく面白そうだったので観てみることに。
結果から言うとかなり面白い映画だったと思う。非常に楽しむことが出来た。

ジェニファー・ロペス

主演のジェニファー・ロペスだが、鑑賞後に調べて知ったのだが、どうやら現在52歳らしい。(撮影時は恐らく50歳くらいだろうか)
劇中では「35歳以上」という設定で、ああ確かにそれくらいの年齢っぽいなと思ったのだが、まさかそこまでの年齢だとは思わなかった。ふと実年齢を感じさせる瞬間もあるが、あまりにも美人すぎる。びっくりした。

そんな彼女だが、2004年に婚約まで進んだものの、式直前に結婚延期を発表したことがあったそう。そんな彼らが別の人と結婚し、子供をもうけ、この2022年に再び婚約したらしい。
細かい状況までは同じではないが、劇中のキャットと少し被る部分がある。もしかしたらこの作品はジェニファーの2度目の婚約を予期していたのかもしれない。

ちなみにもうひとりの主演であるオーウェン・ウィルソン。彼も現在53歳なのだが、全くそんな年齢は感じなかった。最近の俳優さんって若く見えるんだねぇ……

ラブコメ

この作品を平たく言ってしまうと「絶大な地位を持つ女性と、そこら辺に居そうな一般人男性が恋に落ちる」という、どこかで見たことがあるようなラブコメディーだ。
もっと言ってしまえば男性側は「自分とこの女性では住む世界が違いすぎる」と思っているし、女性側は「この人と居ると普通を思い出すことができる」と感じている。これもどこかで聞いたことがあるような話だ。

ベタだ。ベタベタだ。だがベタが悪いのだろうか? ベタは言い換えれば定石である。ベタを丁寧に作れば勿論面白い作品ができあがるはずだ。実際この作品は面白かった。古くからラブコメというジャンルがずっと廃れない理由が少し分かった気がした。

音楽

自分がこの作品で特に良いと感じたもの、それは音楽だ。劇中ではキャット(ジェニファー・ロペス)とバスティアン(マルーマ)が歌う曲が数多く使われる。ちなみにマルーマはコロンビア出身のラテンミュージック界で最も人気のあるシンガーの一人だそう。

彼女、そして彼女達の曲が実に素晴らしい。もちろん歌詞は英語なのだが、そのキャッチーなリズムと歌声で自分の心は鷲掴みにされた。恐らく7,8曲はあるだろうか? そのどれもが劇中のシーンとマッチしていて、作品への没入感を高める役割を果たしていた。

この作品『Marry Me』のサントラだが、各種音楽配信サービスで聞くことができる。この記事もそのサントラを聞きながら書いている。作品を視聴した人は是非一度聞いてみてほしい。

つい昨日『CODA』という作品を観た。こちらの作品も「音楽で人々を魅了する」というテーマがあり、確かに主人公の少女の歌声には心揺さぶられるものがあった。
だが個人的にはこの『マリー・ミー』で披露された歌の方が、遥かにパワーがあったと感じた。もちろん歌い手のキャリアが全く違うのに比べるなという話は分かるし、そもそも個人の好みに依る部分も少なくないだろう。(『CODA』の歌の方が心に響く、という人もいるはずだ)

ただそれでも個人の鑑賞体験という物に対して、劇中歌が寄与する部分は少なくないなと改めて感じさせられた。

ストーリー

ストーリーはさっきも言った通りベタベタのラブコメなのだが、決して単調だとかそんな事はなく、起伏に富んでいて終始楽しむことが出来た。勿論無茶な展開などもあるが、そんなのは「でもラブコメだしいいよね」で見過ごせる範疇のものだ。

主演勢が目立ちがちだが、脇役の皆も個性的で作品に深みを出していた。いざという時にしっかり助けてくれる所も良い。

ベタと言えば最後キャットがマスロンの会場に駆けつけたときの「MARRY ME」の演出。アレもベタベタのベタだろう。だがそれでもそこまでの過程がしっかりしているから、ちゃんと感動させられた。ベタは面白い。本当に。

SNS

少し話は逸れるが、最近の映画(時代が現代の物)ではほぼ必ずと言っていいほどSNSに関する描写があると感じる。今回の『マリー・ミー』でもSNSを使った演出が積極的に取り入れられていた。やはり現代においてこのSNSというのは、最早切っても切れない要素なのだなと感じさせられる所である。良くも悪くも。

一方で今作のもう一人の主人公チャーリーは、どちらかというとアンチSNSという立場だった。加えて「SNSに触れない瞬間」が貴重なものとして描かれていたようにも感じる。

もしかすると製作側は、SNS文化を演出として積極的に取り入れつつも、過度な依存に対しては警鐘を鳴らそうとしていたのかもしれない。

まとめ

とても良い映画だった。個人的には昨日観た『CODA』よりも楽しむことができた。ただどちらを人に勧めるかと言われれば少し難しいかもしれない。鑑賞後の幸福度、みたいな物を数値化するなら、その平均値は『CODA』の方が上な気がする。

この作品、基本的にコメディーなのだが、やはりある程度は海外特有の問題が提起されていると感じる。それはバスティアンの「白人と結婚するのか」という言葉や、チャーリーの娘が黒人で癖毛という部分に見え隠れしていた。

とはいえ全体的には楽しい映画なのは間違いない。112分でこれだけしっかりと纏まった作品を観ることができて素直に嬉しい。

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