海溢れる貝の遊び


結局、大概の痛みは歯を食いしばれば耐えられる。
はしたない犬にだって、貴方は食い殺される。
彼等の遊びは少々問題がありました。
貝の事だよ。
歯を食いしばる内に己の力に耐えられなくなって体が砕け散る。
そういう遊び…空っぽの奴にしか出来ない、唯一の遊び。それ以外はどこかの砂の中でじっとしてるだけ。
くだらない。貝の事だよ?くだらないくだらない…貴方の事では無い…そう言い切れるだろうか?
僕は喋り出す。
頭をかいて、ダンゴムシみたいにクルクル回りながら、優しい草を肺に押し込むまでは働き者のノイズ。
「額縁をちゃんと両手で持て!!」
卑猥だ。時計だ。値引きだ。
その…その…その…その…そ…そ…シーツを替えて眠り狂え…そ…その…その…シーツを持って半額タヌキは、、、すっぽんぽん!!

時たま、僕を中心に世界が回っていると思う事がある。
僕の歩くその瞬間、誰かの足をへし折ってしまうような口笛吹きの夜明けが…
仕事の環境は、世界中で足をへし折られた人達のお陰で変わり出している。それは僕にとって良い事も悪い事もあるが、僕が僕である上で必要な転機であった事は間違いない。
そう思いながら歩みを進めたが、まるで誰かのへし折られた足達の上をバキバキと音をたててるようで下を見るのをやめた。
上を見た。2月の中頃。風はやや春を嘯き程よい涼しさ。空は大都会で星空満点とはいかないが、快晴であろう夜空に光の束が舞っている。音は、春でも無い、時間も無い、聞き逃しようの無い膨大な呻き声。

時たま、私は誰かの世界の歯車であるのだと言う。

あれ…言ってない?
では何故私の足がこんなにへし折られているの?
外では寝られない。
優しい草で肺を押しつぶすまでは。
貴方は私に人間、その…そ…そのシーツを替えて…下り坂に鯉と烏。
歪んだ海は、遥か上空に押し上げられて全ての貝に眠り狂った遊びで波打った。

ザッバーン
子供は風の子、それとは瓜二つの全知全能大悪人
彼らが口を揃えて仰った。

貝の遊びには少々問題がある。
ムラもある。そのムラが世界を発展させた。
焼き鳥の屋台から月面着陸、そして…優しい草はカチカチのパンになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?