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クリスマスの思い出

クリスマスってのは本当にいい思い出がない。

確か大学生時代の今日の今時分。

深夜まで研究室で卒業論文を書いていた。

世間ではクリスマスイブというイベントをやっていて、
カップルがキャッキャ言っているのに、何やってるんだろう。

まぁ、その煌びやかなイベントや、自分の誕生日という現実から逃げ出すために研究室に篭っていたわけだけど。

23日から研究室に泊まり込んでいて、流石に限界の私は、25日の深夜に一区切りつけ、原付に跨って1時間かけて帰宅することに。

それほど田舎というわけではないけど、夜にエンジン音をさせて帰ると音が響くくらいには静かな場所だったので、手前でエンジンを切って、残り数メートルは移動。
原付を手早く車庫前に片付けて布団に潜り込む。

深夜の原付移動の寒さによって体力が奪われていた私は、早々に布団に入り、眠りについた。

ぼんやりと睡眠状態にはいる、その時だった。

「おい、起きろ」という兄の声と、体を揺さぶられる感覚。

薄ぼんやりと「なんで兄貴が部屋におるんだ?」と眺めていると

「お前のバイク、盗まれたぞ」


「へ?」


聞けばクリスマス当日の夜中、近所の中学生共が私の原付を押して盗んでいったという話。

兄はエンジンを止めて手押してバイクが戻ってくる音が聞こえたのに、再度バイクが押される音がして、異常を察知に出たら中学生たちが原付を取り囲んで押しているのを目撃したと。

一人が跨って、周りに数人が囲んで一緒に移動しているふうに装って。

犯人は兄に声をかけられた後にしばらくそのまま逃走したが、途中で諦めて、バイクを捨てて逃走。

「倒して」捨てて逃走したのだった。
タンクをベッコリ凹ませて。

幸い、灯火類はわれてなかった(と記憶している、修理した記憶ないので)

そして兄は戻ってきて私を起こし、事の顛末を教えてくれたのだった。

最後に嬉しそうに「よいクリスマスプレゼントやな〜」みたいな、なんか上手いのか上手くないのか分からない話を兄が言ってたのを覚えている。

本当に、クリスマスなんてろくなことがない。

なんて事が昔のクリスマスにあったなぁと思い出したので書き残してみた。

ーー

ちなみに私の原付は当時ヤフオクで買った古い車種でロックとか無かったのかしてなかった。

車庫に入れると、シャッターの音がするから入れるなと言われてたので外に止めてあったし、カバーかけると風で倒れるかもしれないからするなと言われてたので、そのまま置いていたのが、近所の悪ガキに目をつけられたんだろう。

この原付はその後も受難があり、駐車場から飛び出してきた車に轢かれたり、大学の駐輪場で3度ほどフィーエルポンプ切られたり。

最後には実家の改装の際に無断で捨てられ、捨てた直後に回収業者以外の、粗大ゴミから物を拾っていく業者に盗まれていったらしい。

クリスマスにワインレッドのタンクのバイクのタンクが凹まされて、心も凹んだというお話。

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