毎週木曜日はパンツマンの日

注:これはたぶんフィクションです。

奴が来る。

今日は木曜日。木曜日ほど憂鬱な日はない。

父は仕事なのか、遊びなのかで帰りが遅く、母な用事で外出する木曜日。

母が夕飯を準備して出かけた後に、奴らが現れる。

私はただ、ただ怯えながら、その時間が災難が過ぎるのを待つしかない。

母がドアの鍵を閉めて音を合図に、奴らはおもむろに籐のタンスから、
アレを取り出す。

そしてそれをおもむろに被って、何かに取り憑かれたように暴れ出す。

私はさらなが漫画で未開の地の先住民族に捕まって生贄にされる人のように
私の周りをパンツを被って踊り狂う彼らたちを
恐怖と諦めを含んだ眼差して眺めるのだった。

うちの兄たちは少々頭がおかしいんです。

パンツ被った兄達が、歳の離れた弟を取り囲んで、こちょばす、この恐怖の儀式は何ヶ月か続いた後に、急遽帰宅したオカンにバレて兄貴たちがぶん殴られて終幕するのでした。

その数年後に某少年雑誌で変態仮面が掲載されているのをみて、
「俺ら時代を先取りしてたな」とか、くだらない事を言ってました。

歳の離れた兄たちにとって私はいいおもちゃだったようだ。

時にはボールがわりにされたり、川の堤防で逆さ吊りにされたり。

両手両足持たれて、ブロック塀に投げつけられたり。

今思えば狂気の沙汰なんだけど、よく生きてたな俺。

そりゃ、俺の性格ひん曲がるよね。

そんなパンツを被っていた彼らも、今では社会人という仮面を被り、
または立派に父親という被り、甥っ子たちを育てている。。。不思議だ。

何にも被ってない私は、未だ何にもなってない気がする。

あ、これ本当にフィクションなんです。
ハロウィンの被り物で思い出しました。

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