教師になる前にやっておきたいこと

最近、教員採用試験の1次試験の結果が出て、2次試験がもうすぐ行われることだろうと思う。
そこで来年度から同じ高校教師として働く大学生に向けて、残りの半年でやっておいた方が良いと思うことをまとめたい。
これは僕の経験であることと小・中の先生、理科以外の先生については当てはまるか分からないことはご承知おきいただきたい。

今、高校教師として仕事をしていてやっておいて良かったと思うことは以下の3つだ。

・板書計画作り(教材研究)
・読書・研究
・遊び

まず、今最も役に立っていると思うことは教材研究だ。
僕は大学生の時に物理の予備校教師の書く参考書を5冊ほど買い集めて、各単元毎にどんな教え方をしているか比較した。
その後、どの教え方が分かりやすいか生徒のレベル毎にノートにまとめた。

それをやっておいたおかげで1学期はすごく助かった。
教師は思っている以上に授業以外の雑務が多く、空きコマがあるとは言え、授業準備に時間をかけられない。
そこで、毎回きちんと準備をしようと思えば残業はもちろんのこと持ち帰って準備する必要も出てくるだろう。
同期の先生はそこですごく苦しんでいるように感じる。

僕は大学の時に全単元分の板書計画を作っておいたので他の初任者が100時間残業しているところ、僕は残業時間が45時間を超えた月はなかったし、+αで様々なことに挑戦出来た。
準備に時間をかけられなければその板書計画に従って教えればどうにかなるし、時間的な余裕がある時は予備実験などに時間をかけて、実感を伴った理解を促す為の準備作りに時間を使える。
どうやって生徒の考えを揺さぶって、驚きを生むか考える時間ほど楽しい時間はないと思う。

そういう時間を作るために少しでも教材研究を進めておくことをオススメする。
全単元は厳しくても、少しやっておくと良いと思う。


そのおかげかは分からないが、2学期から大学の先生と協力して、パフォーマンス課題を実践する機会も僕が管理職に働きかけることで作ることが出来た。
完全に僕のおかげではないが、僕に時間的な余裕が無ければ、形になることは無かっただろうなと思う。

次は読書・研究である。
上でも言ったが、教師には自由に使える時間がすごく少ない。
だから、教師になるとすぐに役立ちそうなハウツー本くらいしか読まなくなる人が多数だ。
ハウツー本くらいでも読めば御の字だとも思う。


大学生の自由に使える時間がある今だからこそ教師という職業には直結しない本を読んで欲しい。
コロナウイルスで遊ぶ機会も少なくなっているので、本を読む時間は比較的確保しやすいと思う。
僕が読んで良かったと思う本を少し紹介しておく。

考え方で役に立った本

・嫌われる勇気
・教育の力
・暴走する能力主義
・教育の職業的意義
・権利としてのキャリア教育
・高校生を主権者に育てる

もう少し実践的な本

・できる人の教え方
・誰でもまねできる人気講師のすごい教え方
・子どもの心に届く言葉、届かない言葉
・「任せ方」の教科書
・フィードバック入門

教職とは関係ないけど、面白い本

・思考・論理・分析
・ビジョナリーカンパニー2
・イシューからはじめよ
・転職の思考法
・僕は明日もお客さまに会いに行く
・チームの力
・予想通りに不合理
・ダークサイドスキル

ぜひ、色々と読んで知見を広げて欲しい。
ハウツー本ではないので、すぐに役立つ訳ではないが、読書から学んだ考え方や人としての在り方は必ず生徒や同僚の先生に伝わると思う。

僕が1学期を通して感じたのは、何も学んでいない教師は底が見えるということだ。
結局、自分の経験しか拠り所がないのでN=1の経験論でしか話が出来ないので説得力がない。

僕が思うのは知識がないと、自分とは違う人間を育てられないし救えないということだ。
何も学んでいないと自分の再生産しか出来ず、そんな教師に教わる生徒が哀れに思えてくる。
ぜひとも、この大学生の残り時間を有効活用して幅の広い教育が出来る教師になって欲しい。
そして、様々な生徒に対応出来る教師になって欲しい。

僕もまだまだ学びが足りないので、常に学び続けて進化する教師になりたい。
共にこれからも頑張ろう!

これからの時期、卒論や修論もあると思うがこれは本当に良い経験になるのでぜひとも本気で取り組んでもらいたい。
せっかくやるなら本気で取り組んで、何かを学びとる事が大切だし、研究することで様々な知識やスキルが身に付く。
ぜひとも、大学教授に食らい付いてあの超優秀な頭脳を持った人たちの考え方を盗みとって欲しい。

最後は遊びだ。
社会人になってからはお金もあるから遊び方の幅は広がるが、やはり時間がないしそこまで馬鹿なことは体力的にも世間体的にもやりにくくなる。

だからこそ、今のうちにやりたいことや今しか出来ない遊び方をしておいて欲しい。
そして、社会人になったらまた社会人だからこそ出来る楽しい遊び方を身に付けよう!

大学で遊んだ経験は高校生に向けて、とても生き生きと話すことが出来る。
それが、大学に行くモチベーションを高校生に与えるきっかけになると思う。
ぜひとも、たくさん遊んでたくさん学んで有意義な大学生活を謳歌して欲しい。

そして、来年度から同じ志を持って生き生きと働く教師が増えていくことを願ってやまない。

終わり。

教師の労働の実態について書いています。 忙しいなかでも投稿する励みになりますので、良ければサポートのほどよろしくお願いします! 一緒に教師を今よりもっと魅力ある職業にしていきましょう。