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no.1 / 「光る靴がほしい」

迎えに行った保育園の玄関先で、すれ違った他の親子から「そのリュックかわいいね!」と息子(4歳)の登園かばんへお褒めの言葉をいただいた。

突然の声かけに息子はきょとん、としていたので、代わりに「ありがとうございます、お気に入りなんだよね〜」と息子を会話に交えつつ言葉を返す。
さらに、声をかけてくれたお子さんのスニーカーがピカピカと七色に光っていたので、「あ、その靴もかっこいいね!光ってる!」と伝えた。

が、これが良くなかった。

リュックを褒められて嬉しいはずの息子、みるみるうちに表情が沈む。

母は察した。
あ〜光る靴がうらやましくなっちゃったね…!? 母が余計なことを言ったばっかりに!!!

しかし息子の気持ちを勝手に代弁してはいけない。どうしたの、とまずは聞いてみると「だいじょうぶ…………」と含みのある返事、うん全然大丈夫じゃないね!?

本当に大丈夫かをゆっくり問いかけていくと、おれのくつは光らないから………、と言って完全に涙目。

君の靴だってめっちゃかっこいいよ〜、でも今度光るのも買いに行こうね!と何とかなだめて園を出た。
帰宅中、息子は唇をへの字にして涙をこらえていたのだが、家についたときに「お友達の靴がうらやましかったんだよねえ、そういうときは泣いていいんだよ」と言ったら、それはそれは大きな声で泣き始めた。

4歳児、そして母親も5年目ともなると、何が嬉しくて何が嫌だという、感情の揺れるトリガーのパターンをだいたい把握したつもりであった。
息子はもともと物欲をあまり表現しないタイプで、おもちゃ屋やお菓子コーナーでも、「欲しい」と言ったり買わないと機嫌が悪くなったりすることはほぼなかった。
なので母は今回もすっかり油断していたと言えるのであるが、いやもう、ほんとうに、軽率に他の子を褒めた母が悪い。大変申し訳ない。

あまりに申し訳ないので、あのお友達のやつよりもビカビカに光るやつを今度買おうね!ビカビカのさー、ビッカビカのやつ!!と伝えたら、ややウケてくれてご機嫌が持ち直したようであった。

これはただの日記なので、「育児の教訓」みたいなものは無くて単なる記録なのだけど。
さて、光る靴、おいくらくらいするんでしょうか。母は平身低頭でお調べ申し上げます。

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