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B型として生きるということ【血液型コンプレックス】

こんにちは、ramieです。

ブラッドハラスメントという言葉、ご存知でしょうか?

血液型に関する話題で相手に苦痛を与えるハラスメントのことを言います。耳にしたことがある方はあまりいないのではないでしょうか。

今回は、血液型コンプレックスの話です。

2000年台初頭にテレビ番組で血液型に関する特集が非常に流行りました。

テレビをつければ血液型に関する話題ばかりをあげるドキュメンタル番組や検証番組、自分が記憶に残っている内容は

「血液型別に習字をさせた時にB型は文字が最後まで書けない、A型は几帳面だから整っている」

という話と

「B型の人は暴力を振るから結婚したくないと思っており、A型の人と付き合ったけど婚約時にB型が嘘をついていたことが発覚、別れました」

という話。

B型は自己中心・暴力的という風潮がメディアを通して社会に影響を及ぼしていました。少しすると血液型特集が問題視され、今ではテレビで全くあげられなくなりました。

僕は当時小学生でクラスメートにこう言われました。

クラスメート「ramie君ってさ、B型でしょ?」

ramie「え、どうして?」

クラスメート「だってB型はさ、自己中心的で乱暴なんだよ、それと比べてA型は几帳面で真面目で・・・」

ramie「・・・A型だよ」

クラスメート「えーうそー!B型でしょう?」

ramie「A型だよ!!」

こんな会話のやりとりがあって、今でも覚えています。

実は私は生まれた時に血液検査をしておらず、その時に自分が何型か知りませんでした。父親がB型で母親がA型、父親は攻撃的で暴力をよく振るっていたので、テレビの内容はすぐに信じてしまった。B型はそういう人間なんだと自分も思い、自分はB型じゃない、きっと母親のA型が入っているはずだと思っていました。

自分の血液型がわかるまで、きっと自分はA型だと思ってクラスの人たちにはA型だと言っていました。

そうして暮らしていたのですが、とある手術を行うことになり、血液検査を行うことになりました。小学校5年生だと思います。

血液検査の結果はB型。

その時、人生が終わったような気持ちになりました。

検査結果を伝えてくれた母の前で、ものすごく泣きました。まるで余命宣告を受けたような泣きじゃくりようで、30分くらい泣いていたと思います。

そうしたら父親が来て私に包丁を向けました。

「そんなにB型の血が嫌なら、全部抜いてやろうか?」

家庭環境で父の気性が粗かったことも相まって、幼い自分にはメディアが言う「B型は悪」という言葉を信じ切っていました。

メディアが面白がって取り上げた証拠もない仮説が広がり、一人の小学生をここまで絶望させたのです。きっと同じ気持ちを味わったのは私だけではなかったと思います。

自分がB型だとわかると、AB型の兄やA型の母から自分がわがままなことを言うと

「うわ、そういうところ、やっぱりB型だな」

と言われました。

B型が嫌で嫌で嫌で、少しでも自己中心的なところを見せてはいけない、自分を取り繕うようになりました。

それからも私は自分がA型だと周りに言い続けました。


-----中学生になった。


中学に入ってからは真面目で几帳面、A型に見えるような努力をして
ある日、掃除の時間に同じクラスの女の子にこう言われた。

「ramie君ってさ、何型なの?」

「A型だよ」

「あーやっぱりそうだよね、私はB型なんだよね、だからそんなしっかり仕事できないわー」

よかったと思った反面、苦しくも感じた。

A型のように見られるのは嬉しいけど、本来自分が持っているB型という血のことはやっぱりみんなよく思ってないんだ。そう思った。

中学校はずっとそのスタンスで過ごして、だから話せはしても気の許せる友達というのもあまりできませんでした。


-----高校生になった。


高校生では友達を作ろうと、比較的あるがままの自分を出すようにしました。そうしたら無事に友達ができて、自分らしさを出しながら高校生活を送っていました。

高校生2年生の時に彼女ができました。習い事先の後輩で告白されて付き合うことになったのですが、付き合ってちょっとしたら彼女に言われました。

「ramie君って、B型?」

寒気がしました。小学校の頃に見た、彼氏がB型だから別れると言う番組。

咄嗟のことだし、彼女に嘘をつくのもよくないかと思い正直に答えました。

「うん・・・B型だよ」

そう言った後の彼女の反応は意外なものでした。

「そうなんだ、私O型だから、B型の人合うんだよね」

驚いた。その後少し黙り込んでいたと思います。

「・・・どうしてB型ってわかったの?」

おそるおそる聞くとこう答えました。

「んーなんとなく、仲がいい人はB型が多いんだよね」

今までB型は悪と言う人ばかり、少し肩の荷が降りた気がしました。

高校3年生の頃、1年の頃から仲良くなった友達と一緒に帰った時にふと言われました。

「ramie君ってさ、B型でしょ」

私はその言葉にこう返しました。

「うん、そうだよ、でも君はO型でしょ?合うってことじゃん」

あまり嫌な感じはしませんでした。


-----大学生になった。


その後も私は基本自分がA型だという風に周りに言っていました。

自分のことをあまり知らない人はA型です、というとほらやっぱり、とドヤ顔でいうようになりました。はずれてるよ君。


とある授業の時に血液型の議論をすることになり、3人で議論したのですが友達とかでもなかったので正直にB型と答えたことがありました。そうしたら一緒にいた人が

「俺もB型なんだけど、B型って言うの嫌なんだよね」

と言いました。

その時にその人は小学校の頃にすごく嫌がらせを受けたと話していて、A型って嘘つく時もあると言っていて、自分はすごく共感しました。

傍らで聞いていたもう一人のO型の人は「えー気にしなくないそんなこと」という感じでした。おそらく差別を受けた側しかこういうことは覚えていないんだろうなと思いました。

その後も私は自分がA型と言い続けました。

おそらくサークルのある程度仲がいい人も自分をA型だと思っている人がいると思います。

社会人になったあとも嘘をつき続けました。

会社の飲み会で血液型の話しをしても一貫してA型と貫くと、やっぱりねと言うようなリアクションを受けるようになりました。

中学生くらいからA型の皮をかぶり続けて、もう周りから違和感がないくらいにA型に見えるようになりました。

ある日、仲良くなった女の子に言われました。

「ramie君って、B型でしょ?」

「・・・うん、そうだよ、なんでわかったの?」

「なんとなく」

高校の頃に元彼と友達に言われた流れ。このあたりで気づきました。B型を当てられることにあまり不快感を感じなくなっていることに。

几帳面や真面目の皮を被って、上っ面の関係性を保っている人たちにはA型だよねと言われ、自分らしさを出して仲良くなっている友達にはB型だよねと言われるようになったんです。

B型だよね、と言われた時は言われた相手に対する壁がないことを同時に感じるようになり、あー自分が出せているんだなと。

そんなことを思うようになってから血液型に関するコンプレックスなどは薄くなったと思います。今も血液型の話題になるとA型っていうことありますけどね・・・笑

20年近く前に流行ったメディアから当時多くの差別が起こり、20年経った今でもコンプレックスに感じている人はいると思います。

きっと多くの人は忘れていると思います。B型の人は結構覚えているかもしれません。自分は血液型コンプレックスが和らぎましたが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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