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センザンコウからコロナウイルスが検出される

7月9日付の科学誌Natureに、センザンコウから複数系統のコロナウイルスが検出されたことを示す2本の論文が掲載された。日本語ハイライトはインターネットで読むことができる。

Y Guanたちは今回、広西税関での密輸取り締まり中に押収された数匹のマレーセンザンコウ(Manis javanica)において、SARS-CoV-2に近縁な複数のコロナウイルスを検出したことを報告している。

センザンコウはアルマジロに似ている動物だが、センザンコウは鱗甲目、アルマジロは被甲目と違う仲間である。センザンコウはその鱗(うろこ)が伝統薬として重宝されている。科学的な薬効は確認されていないが、多くのセンザンコウが密輸されており絶滅の危機に瀕している。

この論文では密輸されかけたセンザンコウを対象にコロナウイルスの検査を実施している。その結果、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と近縁なコロナウイルスを複数検出したと報告している。

本研究ではセンザンコウが新型コロナウイルスの世界的蔓延に関与しているとは結論付けてはいないが、センザンコウの売買を禁止することで人獣共通感染症のリスクを回避できる可能性があると主張している。

論文の内容はここまでだが、センザンコウも我々と同じ哺乳類である。センザンコウの体内でコロナウイルスはどのように振る舞っているのだろうか、ウイルスに感染したセンザンコウは何かしら症状を示してはいないのか、様々な疑問がわいてくる。

※トップの画像はマレーセンザンコウのWikipediaページより

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