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ジェラシュで感染者が確認されるも封じ込めを徹底するヨルダン【JOCV Day261】

ヨルダンの首都アンマンから北へ車で40分程度のところに位置するジェラシュという町で、COVID-19感染者が確認された。

ジェラシュには巨大な古代ローマ遺跡があり、観光地として知られている。私もヨルダン滞在中に何度か訪れた。大きなパレスチナ難民キャンプもある。

私が把握する限りではヨルダン国内でCOVID-19の感染者が出た街は、アンマン、イルビッドそしてジェラシュの3つとなった。

その一方で、足元の日別感染者の数は減少している。ヨルダン国内の感染者数の推移を以下に示す(※括弧内は累計)。

・3月 2日: 1名
・3月15日:12名(13名)
・3月16日:16名(29名)
・3月17日:14名(43名)←国境閉鎖
・3月18日:13名(56名)
・3月19日:13名(69名)←首都への道路を封鎖
・3月20日:15名(84名)
・3月21日:15名(99名)←外出禁止令
・3月22日:13名(112名)
・3月23日:15名(127名)
・3月24日:26名(153名)
・3月25日:19名(172名)
・3月26日:40名(212名)
・3月27日:23名(235名)
・3月28日:11名(246名)
・3月29日:13名(259名)
・3月30日:9名(268名)
・3月31日:9名(274名)
・4月 1日:4名(278名)
※内36名退院、5名死亡
(在ヨルダン日本大使館からの通知より。数字はヨルダン政府発表のもの)

1日あたりの感染者数は3月26日に40人とピークを迎え、その後は徐々に減少している。ヨルダン政府は3月17日に国境を閉鎖、19日に首都へ出入りする道路を封鎖、そして21日に外出禁止令を発令した。3月中旬に実施したこれらの政策の効果が出ているのかもしれない。

違反者への取り締まりも強化している。ヨルダン警察は4月1日に外出禁止令違反により277名を拘束、325台の車輌を差し抑えたと発表した。

政府の強力なリーダーシップのもと、警察と軍隊の活躍により市民の行動が制限できているのだろう。先週も考察したが、ヨルダンは軍隊や警察の維持に結構なお金と人をまわしている。

長期に渡る外出禁止令により国民のストレスは高まっているだろうが、キング・アブドゥッラー2世やフセイン王子がインターネットを通じて国民への協力を呼び掛けており、私が知る限りでは大きな暴動や抗議は起きていない。

ヨルダンも全力でこの危機に立ち向かっている。このまま終息に向かえば、ヨルダンの対応方針と国民を束ねる統率力は見事というべきだろう。

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