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地球の歩き方には載らない人口4番目の街「ルセイファ」【JOCV Day224】

先日仕事の関係で「ルセイファ」という街を訪れた。アラビア語では "الرصيفة" (Al-Russaifa) となる。人口は約27万人と、アンマン(128万人)、ザルカ(79万人)、イルビッド(31万人)に次いでヨルダンで人口が4番目に多い街である。人口2番目の街であるザルカと隣接している。ザルカとルセイファを合わせると人口は約106万人と、首都アンマンに勝らずとも近い人数になる(人口データは "World Population Review" より)。

アンマンからザルカ行きのバスに乗り、東へ進んでいく。途中でルセイファを通過するのでそこでバスを降りる。アンマンから所要時間40分ほど。片道0.55JD(約88円)で行ける。人口1位のアンマンと、人口2位のザルカ、4位のルセイファの間を運行するバスは利用客も多く、肌感覚としては1時間に4,5本はバスが出ているのではないだろうか。ちなみにヨルダンのバスのシステムは日本のような時刻表は使用せず、ある程度人数が乗り込んだら順次発車する仕様である。

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ルセイファを貫く大通り。八百屋や散髪屋など様々なお店が道路沿いに立ち並ぶ。仕事で訪れたこともあり特に観光らしいことはできなかったが、ルセイファに関しては観光で訪れるような場所がほとんど無い。ザルカ、ルセイファはその街の人口規模の大きさにも関わらず、地球の歩き方やその他ヨルダンの観光ガイドには、私が調べた限り掲載されていない。ベッドタウンという位置づけが強い印象を受けた。

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ゴミ箱の形はアンマンと殆ど同じであった。収集車を見ることはできなかったがゴミ箱の形を見るにアンマンと同様の収集システム(Day45参照)なのだろう。人口が多いからか、街中のゴミのポイ捨てはアンマンよりも目立っていた

ルセイファにはヨルダン川の支流であるザルカ川の上流が通っており、ルセイファとザルカの住民にとって貴重な水資源となっている。バスでルセイファに向かう途中、川沿いで農業がやられているのを窓越しに見つけた。

後で調べて分かったのだが、ルセイファはリン鉱山のサイトとして栄えた街のようだ。その歴史は1935年まで遡る(Wikipedeia "Russeifa" より)。リン酸産業が潤沢な雇用を創出しているのかもとも思ったが、ルセイファに住む友人に聞いてみたところ、ヨルダンの中でもルセイファは貧しくて失業率も高く、多くの人が仕事を探しに首都のアンマンに出ているとのことであった。治安もアンマンに比べて良くは無いとのことだ。銃殺傷事件が昨年7月に起きていたり、それ以前にはルセイファ出身のイスラム過激派がヨルダンの情報当局に取り押さえられたりしている。

アンマンだけを見ていては分からないヨルダンという国の新しい側面を垣間見た気がした。機会を見てザルカにも訪れてみたい。

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