マガジンのカバー画像

読み切り物語

14
ショートストーリーです。
運営しているクリエイター

2019年1月の記事一覧

それを貴方達は「キボウ」と呼ぶ

それを貴方達は「キボウ」と呼ぶ

「その時だけ現れるんだね」

わたしはいつ現れようなんて思ってないわよ

「なぜそんなに美しくなったの?」

あなた私がそんなに美しいと思っているのね

わたしはそんなこと考えたことがない。

ただね、どのような‘方向’にいいけばいいか分かってるの。

あなたたちは時々キボウという言葉を使っているけど、私は最初その言葉も知らなかった。

だって私はすでにそれを知っているんだもの。

気が

もっとみる
Bach:Cello Suite 6 Gavotteのための覚書

Bach:Cello Suite 6 Gavotteのための覚書

中世のアムステルダムかブリュッセル、またはドイツの地方都市かもしれないが、石畳の小道とそれを取り囲む赤褐色の石造りの家並み。私は馬にまたがってその小道に迷い込んだ一人のはぐれた騎士だった。おそらくそこは、私の知っている土地ではないのだと認識し始めている。私は馬をゆっくり歩かせながら狭い小道をカツカツ音を立てて進む。

私は来たこともないこの町になぜか懐かしさを覚えている。
だが具体的な記憶がない

もっとみる
A something nutty in our head

A something nutty in our head

A: ねえ ミックスナッツの中で何が一番好き?

B: え?このタイミングでその質問どういうことだよ。
んん、なんかこのまま答えるのは癪だからそっちからまず、どうなの?

A: 私すでにこれ!っていうのがあるのよ、でも今はいわない。

B: なんだよそれえ…んん、俺アーモンド。

A: えー、王道だね。でっかいトウモロコシとかいうのかと思ってた。 ねえ、私のなんだと思う? 当てたら明日大き

もっとみる
〜未来を予測する

〜未来を予測する

浜松町 浜松町です。
ドアが閉まります。
次はー...えー次は......

“教えません”

えー まだ教えたくありません。
車内で次の駅を知っておられる方、お隣の方に耳元でスコットランド訛りで、そっと教えてあげて下さい。

次の駅を出発する際、答え合わせを致します。