信濃路の車窓から
モーターを唸らせて力走する115系の車窓から、朝の信濃路の爽やかな空気感が伝わってくる。2018年11月の初旬、上田から長野までノンストップの快速〈しなのサンライズ〉でのワンシーンだ。
前日の夕方、軽井沢で新幹線を降りた。中軽井沢で『かぎもとや』のそばを味わい、田中では駅前にある千曲川温泉『ゆぅふるtanaka』で温まってから上田に泊まった。
そして朝、往年の在来線特急の走りを思わせるこの列車で、善光寺参りに向かう。旧信越本線を気ままにたどる贅沢な旅は、115系電車ならではの跳ねるような乗り心地に支配される。だが、それもどこか心地良いのだ。
篠ノ井を通過したら、長野駅はもうすぐ。そういえば、かつて特急〈白山〉でこの区間を通ったときには、車掌さんが川中島の合戦を車内放送で解説してくれた。そんな旅の記憶も乗せつつ、善光寺平をゆく。車両は代替わりしても、いつかまたこんな旅がしたい。
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