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10〜13週 期待と裏切り

確かこの時期に、漫画『コウノドリ』を読んだと思う。妊娠、出産というのは、すべての人が何の問題もなく妊娠し、生まれてくるわけではないということを理解した。子どもを授かりたいと思っている人には是非読んでほしい。
まずは風疹。これはみんなが努力すれば防げる問題。妊婦が妊娠初期で風疹にかかると、胎児に感染して先天的な障害を残すことが多い。
子どもを授かりたいと思った時に、夫婦で風疹の抗体があるかどうか検査することを勧める。
あと、これは子どもとは関係のない人も、妊婦にうつさないためにワクチンを接種すべき。

僕たちも妻が妊娠したあとに知ったけど、これを読んだ人は絶対に予防すべき。特に、昭和54年4月2日~昭和62年10月1日に生まれの人の中には、ワクチンを接種していない人がおり、風疹にかかるリスクがあるので要注意!自分が風疹にかかるだけでなく、妊婦にうつしてその子どもにまで害を及ぼすリスクがある。

僕の場合、子供の時にかかっていたみたいで、そのあとワクチンも接種していたことが、自分の母子手帳を調べてわかった。ここで、母子手帳の大切さも実感。

ここで、夫のできることを一つ。母子手帳への必要事項の記入や、市区町村の書類作成などだ。僕はちゃんとはできていなかったけど、例えば毎月検診の時にお医者さんに提出する区の補助の書類記入。名前や住所などを、何枚もの書類に記入する必要があるので、一緒に書いた。今思えば、このぐらいのことは僕一人でやればよかったなと思う。

妊婦は妊娠がわかった時点から、毎回の食事、睡眠、服装や靴、趣向品の制限(禁酒、禁煙など)、交友の制限(居酒屋など喫煙可能なお店を避けたい)などなど、24時間体制で胎児に縛られてしまう。だから、誰でもできることは自分がやるという気持ちが、夫には大事だと思う。

そもそも妊娠、出産、保活など、アナログ作業が多すぎて、それはそれでとてもイライラさせられるけど…
そういったイライラを夫が請負って、妻が心地よく出産を迎えることができたらとても素敵だな、と思う。現実はなかなかそうもいかず、妻に頼ってしまいましたが…

さて、タイトルの「期待と裏切り」について2つ。

1つ目、終わらないつわり。
ネットで調べるど、早いものでは12週ごろから安定期に入り、つわりも治まってくる、などという情報がある。そのため妻は、12週まで頑張ろう!という気持ちでつらいつわりに耐えていたりする。
僕の妻の場合、この期待は裏切られた。全然良くならない。僕もこの頃から安定すると期待していたから、相変わらずつらそうな妻を前に何もできず。そもそも個人差があるようだから、まわりの情報よりも妻の体調をよく見聞きして対処していったほうがいい。
女性はホルモンバランスと体型の変化でとてつもないストレスを受けるようで、つまりそれは妊娠初期から、体が元に戻る産後1年ぐらいは体の変化によるストレスが続くと考えた方がいい。(産後は子育てのストレスも)
男性の場合、体型の変化でストレスを感じることはあるかもしれないけど、経験者は少ないのでは?そこに、ホルモンバランスの変化という、男性のほとんどが未体験のストレスが加わっており、これはもう、想像力を最大限に働かせるしかない。例えば、「18時から始まった飲み会の3次会まで行き、シメにこってり系ラーメンをスープ一滴残らず完食して5時に帰宅し、6時に起きて胸やけと二日酔いと眠気に耐えながら、9時から始まる大事な会議の資料を見直していたら、とんでもない間違いを見つけて血の気が引いた、全てから逃げ出したい気持ちが24時間続く」という状況を想像する。あー、こりゃ無理だわ、と思うわけで。はい、それがあなたの妻の今の状態です。

男は妊娠出来ないから最大限想像力を働かせるしかない。とにかく、普通の状態じゃないことぐらいはわかる。だから、何が食べやすいのか、どんな臭いがつらいのか、仕事や家事ができる状態なのか、そういうことを知ろうとしてするだけで、もしかしたら妻は心が安らぐかもしれない。

2つ目、マタニティマークの無力さ。
何かと話題になるマタニティマーク。実際のところ、電車で席を譲られることはほとんどなく、むしろチラ見して寝たふりされたり、気づきもせずスマホゲームに夢中になってたり。妊婦だからって優遇するなとか、不妊症の人への配慮がないとか、ネガティヴな意見もあるけど、妊婦は妙な特権を主張しているわけでも、自慢したいわけでもない。ただ、本人の身体と胎児を守るためにマークを付けている。
さっきの「胸やけ二日酔い眠気血の気引き」状態なら誰だって、席を譲ってくれたら「神降臨!」と思うでしょ。しかもおなかにもう一つ命が宿っているんだから、自分だけが我慢すれば良いとも思えない。そんな妊婦に対するささやかな支援として席をゆずることが、不当な優遇と言うのなら、日本はなんて他者に不寛容なのだろうと思う。
不妊治療中の人がマークを見れば、とてもつらいことだと思う。そこにも想像力を働かせなければならない。ただ、不妊治療している人がいることと、妊婦がマークを付けていることは別の問題。妊婦がマークを付けなければ不妊治療がうまくいくというものではない。一方、マークをつけることで、妊婦が必要とするささやかな支援が得られ、無事に胎児が成長して出産に至る、ということはあるかもしれない。

ネットで調べると、マタニティマークを悪用して席を譲らせようとする偽妊婦や、マタニティマークを付けた人に対して暴言を浴びせたり、暴力を振るったりする例もあるらしい。どこまで本当なのかわからないけど、不快な話だ。
妊婦の側も社会から支えられていることに感謝すべきだし、ほとんどの人は「神降臨!」と思っているはず。まわりもほとんどの人は、社会全体でつらい立場の人を支援しようと思っているはず。そんな、よい循環になればいいなと思う。

何事も、期待しすぎず、でも、丁寧に。

#妊娠 #夫 #遠距離妊娠生活

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