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『群れ』を嫌う


私は『群れ』を嫌ってしまう癖がある

小学低学年まではそんな事もなく

順調に人間関係を育んでいた

男女問わず、小学校の帰り道はとても賑やかで

とても楽しかった記憶がいまだに鮮明に残っている

それが転校を機に

見知らぬ土地に引っ越してからというもの

状況は一変した

転校当日、担任自ら筆頭になり

『いじめ』が始まった

最初はそれがなんであるかさえわからなかった

今まで見たことのない状況だった

それはずっと続いた

中学・高校は一見無かったように思わせておきながら

(本当は気づいていたが相手にしなかった)

大人になってもその手を緩められることはなかった


そんな時人は決まって『群れ』を成してやって来る

その『群れ』から外されないように必死になって

誰もが必死だ、次なるターゲットが自分になりませんようにと


そんな事どうだって良いのに

『群れ』に拘るが故に

時間と労力を無駄にしていることに気付けないまま

ただただ歳を重ねる


かたや『群れ』を嫌う私は

いつも『一人であること』を満喫する

自分がしたいこと

自分が飲みたいもの

自分が食べたいもの

自分が着たいもの

自分が心地良い物や事

自分をご機嫌にすることに関しては『達人』だ


ただ人は完璧ではない

不得意なことは

それが得意な人にお願いして

もし私が得意な事でお困りの方があれば

お手伝いしましょう

『困った時はお互い様』

『持ちつ持たれつ』


日本にはこんな素敵な言葉が溢れている

そんな事に気付き始めた人が最近増えたような気するのは

私だけだろうか

そうあの小学校低学年を過ごした転校前の頃のように

距離の長い私にお米屋さんだったカワイちゃんは

「麦茶飲んでく?」と言って飲ませてくれたり

歩道橋を画板と戦いながら歩く私に

「俺が持ってやるよ」と言ってくれたサトウ君

そんな思い出の方が

鮮やかに私の記憶を蘇らせてくれる

あの頃の同級生たちに無性に会いたくなる

きっと彼らは

遠い過去に転校した私の事など

忘れてしまっていることとは判り切っていても

それでもあの『優しさ』に逢いたくなる

『群れ』ではなく『優しさ』が恋しい


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