見出し画像

ココナラ・ピアニストへの提言(設置編)

前回の記事は割と反響があったこともあり追加の記事を書いてみようかなと思い近くのピアノ練習スタジオへ行ってきました。それにしてもここは格安で1時間1000円(Yamaha G2)です。

まず動画撮影/録音で使った機材ですが以下のようになります。コンセプトはココナラ・ピアニストができるだけ低予算でグランドピアノを録音し、動画も撮って販売するというものです。これだけでもライバルに対し結構なアドバンテージとなるでしょう。

ピアノルーム3

1.コンデンサーマイク
 AKG Lyraを使用。1万円台で購入できる高音質コンデンサーマイク。指向性を4種類選べて、24-bit 192KHz 周波数特性20Hz - 20kHzでプリアンプ内蔵は優秀過ぎますね。USBケーブル1本で手軽に接続できるのでとにかくお手軽。私はC414 XLII を持ってますけどもお手軽に録音できるLyraの方がよく使っていますね。クラシック音楽では無指向マイクで撮るのが最善ですが、それに近い形で録音できるのですね。

Lyraアルアルなんですけども、表裏を間違うというのがあります。間違うと苦労した録音が台無しになります。ミュートボタンのある方が表です。

画像9

2.ブーム・マイクスタンド
 ピアノの色々な位置にマイクを設置するために必要。マイクの最適位置は部屋、楽器、床材によって変化するので適時調整が必要ですけども、これも楽しみの一つですね。周りの残響を録音したくない場合は、写真の位置に設置するのが良いでしょう。

セッティング4

横から設置


K&MのスタンドTAMAのスタンドが定番なんですども、写真ではローランドのものを使っています。こちらよりも安くて軽いスタンドもありますのでお好みで。

※マイクのブームの部分をあまり伸ばしすぎるとマイクの重みでバランスを崩してピアノを直撃するで注意。
※真ん中の支柱を床につけてはダメで浮かせる状態で設置のこと(振動対策)。


3.スタジオ・モニター・ヘッドフォン(密閉型)
  普通のヘッドフォンでは、音に余計な成分を加えてくるので、スタジオ・モニターヘッドフォンを使いたいところですが機種はお好みで。ただ録音時にヘッドフォンの音漏れを録音してしまうので密閉型が推奨ですかね。Sony MDR900STが定番ですけども、クラシック音楽ならAKG K553 MKIIの方が繊細ですが、価格を安く抑えたいならK271MK2 ですかね。モニター用途としては全く問題ないです。
 ※Lyraがステレオミニフォーンなので、ヘッドフォンの端子が標準の場合は変換プラグが必要になります。ステレオとモノがあるので購入の場合は注意して下さい。2本線がステレオです。

プラグ変換


4.iPhone
  最新のiPhone13は結構音が綺麗に撮れますし、ビデオ画像も綺麗になってきましたが、ピアノを録音する場合は、マイク位置が大事になるので、外付けマイクは持っていた方が良いでしょうね。ビデオ画像にこだわりがある方ならSony VLOGCAM ZV-1のような専用ももちろんありですが、演奏動画なら個人的にはiPhoneで十分でしょうね。

5.iPhoneアームスタンド
 動画を撮ると色々と位置調整が大変なんですが、このアームスタンドを使えば高さも可変できるし色々と曲げることができるので便利ですね。

6.USB接続ケーブル
 AKG Lyraの場合のUSB TypeCケーブルなんですが、2メートルくらいはほしいですね。とはいえUSB接続の場合、あまり延長できないのがネックですけども。USBの接続口のタイプは色々あるので購入時は注意して下さいね。

   ※iPhoneに接続する場合、Apple純正品「Lightning-USB3カメラアダプタ」が必要となります。純正品は高いのですがこれでないとトラブルが心配ですね。

※意外にもUSBケーブルってデジタルなのにノイズが乗りやすいので音楽用に使う場合はそれなりの製品を買っておいて方がよろしいかと思います。特に1mを超えるケーブルの場合。私はNIMASO USB Type C ケーブルの3mを使っておりますが問題ないかと思います。

こちらはNIMASO USB Type C ケーブル3mです。

画像7

こちらはAKG Lyra付属のケーブル2mです。

画像8
7.PCとアプリ

誤りがあったので修正しておきますね。うっかりしてました。AKG Lyra-Y3にはAbleton Live LiteというDAWが無償でついてくるのでそのまま録音編集ができます。Live LiteはWin PCとMacの両方で使えます。

【修正前の記事】
    USB接続なのでMac、Windows、iPadに簡単に接続できて録音できます。注意としては顧客の要望で24-bit 9800Wavで出力して納品してほしいなど要望された時にそれに対応できるアプリが必要ということです。
 iPadについてくるGarageBandとかの場合は以下のような出力しか持っていないので、別のアプリを探す必要があります。

録音出力形式

↑ なんとなくこの仕様はLogicProを買えという戦略でしょうね。

 慣れてくればDAWソフトなどの波形編集ソフトは持っていた方が良いでしょう。ただ業界ではProToolsが標準ですがここまでは不要。MacユーザーならApple LogicProを持っていればほとんどのことはできるし将来におけるアップデート費用がかからないのでいいですね。アップデート費用は結構馬鹿にならず、Digital Performerで何年かに一度のお布施として(2万円から3万円)を払っているのでLogicProは羨ましい限りです。
 iPhoneで撮った動画とLyraの録音で少しズレが生じるので、販売するのであれば調整が必要でしょうね。iMoveとかでもできますけども、細かい調整は専用のソフトがあった方がよいでしょうね。市販の動画編集ソフトもあるのですが、波形編集機能が弱いので私はDigtal Perfomerで調整しています。Digtal Perfomerを使う利点は、波形を伸ばしたり、縮めても音質が劣化がしないことですね。この技術は他のDAWよりも優れていますね。
 依頼者が動画を依頼している場合は、録音波形と動画のシンクロは依頼者側でやってもらうか、別費用としてもらった方がよいでしょうね。

●トータル費用
 
費用の概算は以下のようになりますかね。
 AKG Lyra-Y3   12,500円程度
    ブームマイクスタンド 3000円〜6000円程度
    → セット販売でお得なパケージもあるようです。
 USBケーブル  付属品2mでよければ無償
 iPhoneアームスタンド 1000円〜3000円程度
 録音編集アプリ(DAW)   無償。Live Liteが付属
 スタジオモニターヘッドフォン  8000円前後
 → イヤフォンで代用可能ですが、商売するのであれば必需品。
  クラシック音楽家であればAKG K271MK2 クラスの密閉型モニターヘッドホンは持っておいてほしいですね。その正確な耳できっちりとモニタできると思います。ここがクラシック音楽家のアドバンテージになりますね。

●考察
今回のこの録音のやり方だとFront Backモードが一番自然に録音できていました。Wide Stereoがいいかなと思ったのですが、僅かに誇張されて聴こえるのですね。ピアノ練習スタジオの場合、部屋なりが酷い場合が多いので、この方法だと影響を受けにくい利点はあり、残響をあとからリバーブで足せますので自由度が高いです。
 逆にコンサート小ホールのような立派な部屋の場合は、残響を含めて録音したいので別の方法で撮った方がよいですね。

最適解





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?