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ヴィオラで弾いた方が素敵じゃない

 最近、激務が続いていて平日はバイオリンやヴィオラを弾く時間がなかなかないのですが、これが結構ストレスになることをひしひしと感じる毎日。土日練習で効率的に練習する方法はないかと考えたのが、バイオリンで練習した曲をヴィオラでも練習する方法。バイオリンとヴィオラでは音域が違うがバイオリンの譜面を五度さげるとバイオリンとヴィオラの指遣いは同じになるのでいいのかと思っていたら、五度も音域がかわると曲の雰囲気もがらりと変わってしまうので、原曲の一オクターブ下にするのがいいかなと思ったしだい。こうすると指使いが変わってしまうので、結局はバイオリンとヴィオラの楽譜を両方覚える必要がある。
 バイオリンの曲集では、ドレミ出版からでているバイオリン名曲31選はかなり優秀だと思う。選曲がよいし、指使いもきっちり書いてあるし、中級程度の難易度なので丁度よい。ヴィオラにも同じ曲集があるのだが、なんだかなあという感じ。そもそも指使いを自分で考えろとか、中級者では無理だろう。バイオリンをやっている人なら指使いテクニックをヴィオラにそこそこ応用できるのではあるが。

まあ、文句ばかりもいってられないので早速実践してみた。曲はハイドンのセレナード。この曲は長らくハイドンの曲と思われてきたが、ホフシュテッターの作品であることが判明している。クラシック音楽界の悪しき風習で偽作とわかった段階でどんなによい作品であってもプロによって演奏されなくなるということがよくある。モーツアルトのバイオリン協奏曲第6番なんてそんな例だよね。バッハの無伴奏チェロ組曲が奥さんの作品だと判明したら、演奏されなくなるのではないかと、意地悪く想像してみるのも面白い。ただこの曲は偽作であってもこれからも演奏され続ける。なぜならバイオリン教本に残っており、練習曲として重要だからである。

 雑談はこれくらいにして、原曲の調性ではヴィオラでは音域が高いので1オクターブ落として弾いてみるとかなりいい感じ。バイオリンより表情が豊かでよいのではないかと思ったくらい。ヴィオラの落ち着いた音がこの曲にはよくにあう。それとドレミ出版のバイオリンの指遣いが、ポジション移動を多用しておりロマン派的だが、ヴィオラだとファースト・ポジション、サードポジションを中心とした古典派という落ち着いた感じになるのがよい。
 バイオリンだとサード・ポジションが中心だが、ヴィオラはファーストポジションを中心に指遣いを考えた方がよいのだろう。

 似て非なる楽器、バイオリンとヴィオラ。本で得られる知識と随分と違う。もしかしたヴィオラはそのサイズによっても指使いが変わってくるのではないかと予想している。ヴィオラの楽器としてイメージの固定はかなりム難しい。作曲家、編曲家の人にとっては、結構やっかいな楽器かもしれない。バイオリンの五度下の楽器、チェロの1オクターブ上の楽器と考えていてはよい曲は書けないのだろうと思う。
 声楽のテノール、アルトを意識したパートをヴィオラに割り当てるという感じですかね。

⭕️ヴィオラ版を作ってみました。指使いも入れてあります。
※ちょくちょく変更するのであしからず。
    2024/03/09 23:14  指使い修正


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