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ココナラピアニストのためのピアノ録音練習

ピアノ録音の方法論については書籍や動画、ネットでの公開資料いろいろありますし、それを読めば基本的なことがわかります。ただ、将棋の解説本のようなものなので実践を積まないとうまく行かないのですよね。将棋も歩の位置によって攻略方法が全く違ってくるのですが、ピアノ録音も楽器や部屋の大きさ、壁の材質によって変わります。知識も大事ですが実践経験の方がもっと大切です。

一応、参考になる動画を示しておきます。

↑設定>>字幕>>自動翻訳から日本語を選ぶと字幕が日本語になります。

物理音源のマイキングも参考になると思ったのでこちらも追加してみました(2022/7/27)

今回もいろいろと実験するためにピアノ練習スタジオに行ってきました。

持ち出した機材は以下です。今回は外部マイクをつけてテストして見たかったのでAKG C414 XL2を持っていきました。指向性切り替えが、細かくできるので現場作業ではとても役に立ちます。ただマイク・プリアンプの性能が悪いと最近のハイスペックな1万円代のマイクとの違いはわからないのですが、X8のマイクプリがどのレベルなのかということも興味がありました。

録音セット

X8とC414

今回はX8をXY方式モードと、うさぎさんモード(AB方式120°)に変換しても実験して見ました。常識的には、このような狭い部屋での録音にはAB方式は使わないのですがどうでしょう。110°〜120°で切り替えができれば良いのですがね。

うさぎさんモード

で実験です。今回はもちろん32bit float 192kHz録音です。
C414は無指向性にセットしております。

後ろから

奥側からのXY録音はなかなかよく、お薦めできます。うさぎさんモードは少し真中が薄い感じがしました。

真中から

真中サイドからのXY録音は無難。迷ったらここかな。うさぎさんは良くないですね。

手前から狙う

鍵盤よりのXY録音は音が少し硬くなるかな。芯のある音を録りたいならここかな。うさぎさんはお薦めできないですね。

C414をピアノの中へ

レコーディンスタジオでよくある形ですね。3本マイクになるのでC414の音量バランスがキモですかね。X8はうさぎさんモードにしてますが、この形ではありですね。

ベスト位置

今回はこの形がベストでしたね。それにしてもC414の音質がずば抜けて良いことからX8のマイクプリの性能はとても高いと思います。

演奏者後ろから

演奏者の後ろにセットするのは、全然良くないですね。

アンビエント

座席の先頭位置でのアンビエント収録。コンサートホールだと良い感じですね。部屋の残響を強調したい場合はこれかな。空調をつけると台無しになるので空調は切りたいですね。ここのピアノスタジオは自分で空調を切れるところがいいところ。

●マルチ録音したファイルはどうなっているのか

心配していたのが、マルチ録音しても録音ファイルは1つしかできなければあとで各マイクのバランスの変更したい時にどうなるのか、という点でしたが、microSDカードの方はなんと複数のファイルになっていました。よく考えられた仕様ですね。開発者は天才ですね。

マルチ録音

microSDカードには各マイクごとにファイルが保存されます。X8で表示しているのはMix.wavファイルのみですね。X8側で全てのファイルを表示させない仕様は素晴らしいです。

マルチ録音ファイル

●電池持ちはどうか

外部のコンデンサーマイクはファントム電源を供給する必要があって、電池持ちが心配だったのですが、2時間は持ちましたね。今回凡ミスでステレオマイクバーを忘れてきたので1本で録音しましたが、2本になるとどうなるのかな、次回の課題です。

モノ設定の場合

ファントム設定

ステレオ設定の場合

ファントムステレオ

●マイク比較

世の中には凄いことをやっている人がいるもので以下の動画は非常に興味深いです。5分30秒以降で様々なマイクとその組み合わせで比較ができます。それにしてもDPA-4006ADPA-4011Aはクラシック音楽を録る別格の最高マイクであるというのはよくわかりますね。でも4006Aはそろそろ廃盤になるのかなあ。

以下は日本語翻訳字幕がついているので設定してみると良いでしょう。

この動画のように複数のマイクを使ってピアノを録ると全然変わってくるので余裕ができてきたらステレオ・マッチペアのマイクを購入したいところですね。

●結論

X8でピアノは十分に録れるが、マイク位置によって随分と雰囲気が変わる。
XYモードはピアノの内部を狙うのがベスト。
ABモードで録る時はピアノから少し離す。
マイク位置はケースバイケース。ベストな位置を探ること。
無指向性のマイクを1本加えることで別次元の録音ができる。
X8のマイクプリは優秀なので高級マイクの性能を殺さない。
32bit float 192kHzはほとんど無敵状態。奏者が弾いている位置よりも美しく収録可能。
AKG414XL2はピアノとの相性抜群。キラキラ感が出る。バイオリン録音用に購入したのですがピアノの方が遥かに良いです。今度DPAと比べて見たいですね。



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