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支援センターより「スーパービジョン」

※この記事は、社会福祉法人 京都障害者福祉センターの「法人ニュース」に掲載した、2022年度4月号の記事を転載しています。

 「スーパービジョンは絶対にあった方が良い」、「やった方がいい」とは言うけれど、では一体どういう事 をやっているのか…という疑問や興味があり、2019 年(令和元年)10 月に京都市社会福祉協議会主催の 研修会「スーパービジョン入門講座」に参加した事があります。
 また2022年 1 月下旬から 3 月にかけて行わ れた「主任相談支援専門員研修」の中にもスーパービジョンについての講義・演習がありましたので、ここで少し振り返ります。自分の学びのため、また皆さんのご参考になれば幸いと考えています。
 
 スーパービジョンとは何か…。
 スーパービジョンとは、対人援助者を専門職として養成をする過程であり、「支持援助」または「教育」 などをしていくプロセスになります。 対人援助では、個人だけではなく幅広い環境への視点や働きかけが必要になります。特に私たちは個人と 環境との接点に介入をしていく必要がありますが、それには困難さが伴う。その困難さを乗り越えるために 新たな視点や学びが不可欠で、知識面、技術面、感情面での成長が望まれますが、その手助けをする一つの 手段がスーパービジョンとなります。

 スーパービジョンの手法は、ワーカーの気づきを促す事です。
 ①ワーカーに何が困っているのか、何を知りたいのかを聴き、一緒に考える。 「聴く」姿勢として「共感」が必要なのですが、ワーカーの語りを「映し返す事」や「要約したり整理 する事」で共感が促され、その過程の中で客観的な「困り」が見えてきます。
 ②その次に、ワーカーに問いかける事で、心の葛藤の言語化を助ける。 その時の気持ちはどうだったのか等、より内面の言語化を促す。言語化によって、無意識、無自覚の意 識化を進め、ワーカー自身の気付きを得る過程を支える。 →その結果、自分の事を深く知る事への気づきを促し、成長につながる。

 簡単に…ですが、スーパービジョンの必要性・気づきの過程は以上のようになります。
 肝心!なのは、実際の職務の中でこのスーパービジョンを意識してどのように取り組む事ができるのか。 スーパービジョンでの「スーパーバイザー」は、より専門的なもので担い手が少ない現状があります。また お願いをするとなるとお金がかかる…。なので「難しいよね…」と終わらせるのではなく、スーパービジョ ンの仕組みの一部を利用し、「現場でできる事」を考えなければなりません。
 主任相談支援専門員の研修会では「現場で取り組みやすいやり方」として、スーパーバイザーがいなくて も、似たような効果が期待できる「ピアグループスーパービジョン」の演習が行われました。 同じ立場の者同士のスーパービジョンという事になりますが、意識して困りにフォーカスして、共感を持って肯定的に気づきを促す。
 難しいな…と感じた部分もありますが、自分の困りに対して、別の視点・別の見方が導き出される。何よりも「気持ちを汲まれる」という体感があり、なんとも言えない心地よさが素敵だなと感じた演習でした。

 最近、他の相談支援事業所からの相談があり、皆困っている事が多いのだなと感じています。「ケアする 人のケア」という視点にもつながってくるものであり、地域の中でのスーパービジョンの取り組みを考えて いく必要があるなと実感しています。こういった取り組みを形にできないかなと思っていますので、ご協力 できる方は「らくなん」までご連絡ください!

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