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学生生活がどう変わる?コロナウイルスの影響を受けた大学生の今

(この記事は、はてなブログに 2020年5月29日 に投稿された内容を note に再投稿した記事です)

rakumode編集部です。今回のrakumodeは、ちょっと趣向が違います。

弊社では数年前から在宅勤務制度があったので、コロナの影響で全社員がテレワーク実施となった際の混乱はほとんどありませんでした。今回、弊社のマーケティング部で約1年ほどアルバイトをしている大学4年生のOさんに、テレワークでアルバイトを継続してもらいながら、このコロナ禍での状況の変化、感じていることなどを率直に書いてもらいました。


バブル崩壊後の就職氷河期・リーマンショックなど、その時々の社会情勢で学生は大きく影響を受けますが、今回は過去誰も経験したことがないことが起きています。内容の一部には、学生に限らず企業においても通じる示唆があると思いました。是非ご一読ください。


A大学4年 Oさんの話

 現在、日本だけでなく世界中で猛威を振るうコロナウイルス。日常生活のいたるところに大きな影響をもたらしていますが、大学生の生活にも同じく大きな影響を与えています。学生も教職員も初めての試みであるオンライン授業、選考の長期化により先の読めない就職活動と、私もその一人として日々不安を抱えながら学生生活を送っています。一方で、これらは学生たちに悪影響ばかりを与えるわけでもないと考えます。そこで、今回はrakumoでアルバイトをする私が大学生の立場から、コロナウイルスが学生生活に与えた影響を取り上げたいと思います。


オンライン授業は大学生の学びをどう変えるのか

 緊急事態宣言や都道府県からの休業要請を受け、大学の授業はオンラインに切り替わっています。私の所属するA大学でも、オンライン授業の準備期間として当初予定されていた授業開始日から約3週間遅れてオンライン授業が始まりました。オンライン授業は、Google MeetやZoom等のオンラインツールを活用しながら行われています。しかし、これらのツールには人数制限もあるため、受講人数の多い授業はオンデマンド形式でいつでも見ることができる形をとっています。A大学は、7月までの春学期期間、全ての授業をオンラインで行い、筆記試験は行わずにオンライン提出のレポートと平常点で成績評価がされる予定です。

 インターネットの通信環境やハード面の準備状況は、各生徒によって異なります。そのため、ノートパソコンやモバイルWi-Fiの有償貸与や学修環境の整備のための給付金の支給を行う大学もあり、大学に通わなくても受講できる環境を整える試みがされています。しかし、全ての授業をオンラインで行うことは、学生にとっても教職員にとっても初めての試みであり、不便に感じられている点も多々あります。そこで、実際に授業を受けた知り合いの大学生たちからの意見を参考にしながら、オンライン授業のメリット・デメリットをまとめました。

メリット
・所属キャンパスでないキャンパスの授業が受講しやすくなった
・どこでも受講できるため、通学に時間をとられることがない
・オンデマンド形式の授業では、時間に捕らわれることなく受講できる

デメリット
・双方向の授業では、タイムラグや相手の顔を見ながら話せないため、コミュニケーションが取りづらい
・教職員を含めオンラインに不慣れなことから準備に時間がかかる
・教職員によって授業の方式が異なる
・物理的な実験やフィールド実習といった実践的な授業を受講できない


 表のように、時間や場所に捕らわれずに受講できることは、オンライン授業のメリットです。その一方で、通信環境の違いや対面でないことによりコミュニケーションをとることが難しかったり、これまで時間をとられなかった部分に時間をとられたりというデメリットがあげられました。また、1年生は、新しい友人にも会うことができないまま初めての履修登録や大学での授業を全てオンラインで行うことになったので、不安に感じる部分も多くあるのではないかと思います。オンライン授業は良い面もあります。しかし、このような現状のなかで、学びを通じた様々な人々との繋がりが薄くなってしまうことは大きな恐れではないかと感じます。

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採用選考の長期化が就活生に与える影響

 コロナウイルスの流行は、就職活動にも大きな影響を与えています。私も現在就職活動をしています。緊急事態宣言を受け、企業は採用選考を延期したりオンラインで面接を行ったりなどの対応をとっています。なかには、会社説明会から全ての面接をオンライン上で行うことを決めている企業もあります。これから何十年と働くことになるかもしれない企業へ一度も足を運ぶことなく、就職を決めるというような状況も生まれてきているのです。

 また、選考の長期化によって先行きが分からないことへの不安を抱くととともに、就職活動に対するモチベーションをどう維持するかも重要になってきます。選考が延期になっているなかで、自己分析や企業研究など、今自分にできることを見つけて最後まで乗り越える粘り強さが求められているように思います。また、私は共に就職活動をする友人とオンライン上で会話することがモチベーションを保つことに繋がっていると感じます。

 オンラインでの面接は、Skype、Google Meet、Zoomなど企業によって様々なツールを用いて行われます。オンライン授業と同様、場所に捕らわれずに受けることができることに加え、自分の部屋など見慣れた環境で落ち着いて臨むことができるという良い面もあります。また、物理的に離れた地域の学生とも接点を持てるため、コロナ収束後も活用を積極的に考える企業も多くあるようです。その一方で、オフィスの雰囲気を知ったり面接以外の時間で企業の方々とコミュニケーションをとったりする機会がないため、直接その企業を知る機会がとても少なくなっています。

 そして、現在の状況により、次年度の就職活動も大きく影響を受ける可能性があります。今年度の選考の長期化やイベントを開くことができない状況から、今年のインターンシップの開催が危ぶまれています。インターンシップは、企業や業界の理解を深めたり早期選考につながったりと、学生にとって貴重な機会です。コロナウイルスの流行により多くの企業が経済的な影響を受けている現在、例年とは大きく異なる就職活動が、長期的に続くかもしれません。

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大学生の日常にどのような影響を与えているか

 ここまで大学のオンライン授業と就職活動に焦点をあててきましたが、コロナウイルスの流行は大学生の日常生活のいたるところに影響を与えています。ここでは具体的に3点とりあげたいと思います。

 まず、アルバイトです。大学生の多くは、飲食店や塾講師といった休業要請を受けている業種でアルバイトをしています。そのため、多くの大学生が現在働くことができず、収入を得ることができない状態になっています。政府や各大学でも支援が検討されていますが、このような状況が長期化すれば経済的にこれまでの生活を送ることが難しくなる学生が増加すると考えられます。そのようななか、私はテレワークでrakumoでのアルバイトを継続できていることにとても感謝をしています。大学生の私が社員の方々に交じりながらrakumoでアルバイトをすることは、私にとってとても貴重な社会勉強になっています。テレワークにより、日々お客様のために懸命に働く社員の方々の近くで作業ができないことは寂しいですが、私も一員としてこれからも自分の業務に励みたいと思っています。

 次に、サークルなどの課外活動です。現在、大学からの中止要請や施設の休業により、通常の活動を行うことができない状況です。私は大学の音楽系サークルに所属していますが、3~7月に行われる予定だった演奏会や練習は全て中止または延期となりました。また、対面での新入生の勧誘活動を行うことができないため、勧誘の担当をする団員はSNSでの情報発信を積極的にするなど試行錯誤をしながら部員の確保を目指しています。自分の好きなことに打ち込んだり様々な人と交流したりする機会が奪われ、思うような学生生活を送ることができない息苦しさを感じる学生も多いことと思います。

 最後に留学をとりあげたいと思います。世界的な感染拡大により、海外への人の移動が難しい状況になっており、留学に行くことも難しくなっています。アメリカに留学していた私の友人は、コロナウイルスの感染拡大を受けて、留学プログラムを中断し日本に帰国してきました。途中で帰国した学生やこれから留学する予定の学生にとってみると、大きなチャンスを失ってしまったり先行きに不安を抱いたりすることと思います。

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このように、大学生に限った話ではありませんが、コロナウイルスの流行はこれまで当たり前だった生活や人々の価値観を大きく変えています。このような状況に対する周りの反応は様々ですが、長く続く自粛生活にストレスを感じている友人も多くいます。私は今、これまでの学校で授業を受け、友人とご飯を食べ、サークル活動をしてというような当たり前に感じていた生活のありがたみを痛感しています。そして、このような状況だからこそ当たり前の生活が成り立つのは、数えきれない多くの人々の支えがあるからだということも感じました。この状況をつい悲観的にとらえてしまいがちですが、これまで気づかなかったことに気づいたり、社会的に良い影響を与えたりする部分もあると思います。例えば、外出自粛要請により多くの企業でテレワークが導入され、各人のインターネット環境が整うきっかけとなりました。このような環境が世代や地域を問わず人々に定着していくことができれば、情報格差が是正され、どこでも誰でも同じ情報を得ることができる社会も実現可能になります。これは今後、都市の一極集中や地方の過疎化といった社会課題を解決する糸口にもつながるのではないかと考えます。また、人々の移動が制限されたことで自然環境にも世界中で良い影響を与えていることを知りました。このような自粛生活を長期間続けることは経済的に限界があることは否めませんが、環境問題という世界全体が抱える問題を見つめ直すきっかけにもなると思います。最近「with コロナ」という言葉もよく耳にしますが、このような状況の良い面も悪い面もどちらも受け止め、ウイルスと共生していく社会になっていく必要があると感じました。先の読めない日々には不安を抱くこともありますが、前向きに今自分にできることを考え、残りの大学生活を大切に送りたいです。


 

【参考】コロナウイルスへの政府の対応と、A大学を例にとり大学の授業・履修に関しての対応を時系列にまとめました。

政府の対応

4/7 東京・神奈川等、7都府県に緊急事態宣言を発令

4/10 東京都知事が大学・商業施設等「休業要請」をする施設を発表

4/16  緊急事態宣言を全国に拡大

4月下旬 GW休暇の外出自粛要請

5/4 緊急事態宣言の延長を発表

5/14  39県で緊急事態宣言解除

5/21  近畿3府県で緊急事態宣言解除

5/25  残りの5都道県も緊急事態宣言解除

A大学の対応

4/8~  キャンパスへの入構を禁止、大学   の各窓口を閉室

4/15 春学期の授業を全てオンラインで実施し、筆記試験を中止することを発表

4/30 オンライン授業の開始 (当初の開始日より3週間遅れて始まる)

5/1 キャンパスへの入構禁止期間を5月末に延長






 

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