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CFOが語る。上場までとこれからのrakumo

(この記事は、はてなブログに 2021年1月6日 に投稿された内容を note に再投稿した記事です)

rakumo は、昨年9月に東京証券取引所マザーズに上場し、会社として新たなスタートをきりました。そこで、今回は、上場に向けての道のりを支えてきたCFO(最高財務責任者)西村さんにインタビューを行いました。rakumoが上場するまでの道のりや、rakumo のこれからを西村さんはどう見据えているのか、CFOの立場から熱く語っていただきました!


編集者:こんにちは。今回はよろしくお願いします!はじめに自己紹介をお願いします。

西村:取締役CFO兼経営管理部長の西村と申します。rakumo には2018年8月に入社しました。今回はよろしくお願いします。

編集者:rakumo では日々どのような業務を行っているか教えてください。

西村:経営管理部では、プレイングマネージャーとして経営管理部門全体のマネジメントを行っています。また、CFOとしてはIPOやM&A、資金調達といった会社全体に関わるプロジェクトをマネジメントしています。


rakumo の上場までの道のり

編集者:まずrakumo が上場するまでのお話を伺いたいのですが、rakumo が上場への動き出しから、実際に上場するまではどのようなスケジュールでしたか?

西村:私がrakumoにジョインする前から既に上場に向けてのプロジェクトは動き出していました。一般的にIPO準備は最短でも、2年〜3年かかるというスケジュール観になるので、私が入社したときは目標の最短上場まで、2年と数ヶ月という状況でした。上場に向けては大きく3つのフェーズがありました。rakumo は12月決算なので、まず、2018年12月末までにIPOに必要となる各種体制の整備を実施する必要があります。そこで、IPO業務を大きく24項目に分けて各種体制の整備を行いました。次に、2019年12月末までに整備した事項の運用に取り組みました。そして、2020年9月末までに上場に向けた各関係者対応、及び、投資家に向けた各種準備を行い、上場の日を迎えました。

編集者:IPO業務を24項目に分けたと仰っていましたが、具体的にどのようなことを行ったのか教えてください。

西村:上場は1人ではできないので、会社一丸となって対応してきたことにはなりますが、多くのことを実施してきました。24項目の例をいくつかあげると、上場目的の明確化、予算・中期経営計画の策定、組織設計、取締役会・経営会議の構築というような会社全体に関する大きな方針を決めるようなものから、労務管理、経理体制の構築、上場資料の作成等多岐に渡ります。私は、IPO準備をすることは、会社設計をして、その設計の元に会社運営をすることだと考えているのですが、まさにそういったことを実行に移してきました。

編集者:なるほど。体制整備は多岐に渡りとても大変だったと思いますが、上場までの道のりで一番苦労したことはどのようなことですか?

西村:私は採用を含めた経営管理部のプレイングマネージャーという業務に加えて、IPO業務を推進していたので業務量がかなり多かったことですね…(笑)
これに関しては、前職の野村證券の投資銀行部門での経験が非常に活きました。私のなかでは上場に向けて500項目程のタスクがあったのですが、しっかりと仕事を洗いだして日々優先順位をつけながら、だれが、何を、いつまでやるのかということを明確にしながら、マルチタスクをこなしてきました。仕事が多いと不安になる人も多いと思うのですが、不安になっている部分を書き出して、進めて行くことが重要だと思っております。また、周りの人にも協力してもらいながら、進めていくことも重要だと思っています。

編集者:「上場は1人ではできないので、会社一丸となって対応してきた」と仰っていましたが、rakumo のメンバーからのサポートが必要不可欠でしたか?

西村:もちろん、そうですね。入社前から感じていたことですが、rakumoは「情熱。協働。変化。」という行動指針のもと、業務を行なっており本プロジェクトにおいてもお願いをした時に、誰一人嫌な顔をせずにサポートしてくれた点は、本当に感謝しております。上場は非常に大変ではありましたが、自分にとっては、社内及び社外含めた皆さんとの関係構築という意味でも、非常に良い経験になりました。また、会社全体としても、各部門間での協働の意識が非常に高まり、さらに結束力を高めることができたなと感じております。

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昨年9月に行われた上場セレモニーの様子

 

rakumoの強みと課題

編集者:ここからは上場後を含めたお話も聞いていきたいと思うのですが、上場して西村さん自身やrakumo のメンバーの意識は変わったと思いますか?

西村:そうですね、意識は大きく変わっていると思います。今までもrakumo の製品・サービスを多くの人に広げていきたいという情熱をもって、役職員一同業務に邁進してきましたが、上場後は、業績予想も含めた開示もありますし、「あらゆるステークホルダーの皆様への期待に応えなくてはいけない、応えたい」という強い思いをメンバーから感じています。また、上場会社として、会社全体で今まで以上にコンプライアンス意識が高まっていることも感じております。

編集者:なるほど、上場したことで日頃の業務やコンプライアンスへの意識が高まっているということですね。では、次に西村さんが考えるrakumo の強みを教えてください。

西村:どうしてもCFO目線の回答となってしまいますが、投資家の皆様にもお伝えしている4点かなと思っております。1つ目は、時流に乗った、拡大が見込まれるクラウド上でのサービス展開・製品ラインナップです。2つ目に、安定性と成長性を兼ね揃えた世界的なクラウドプレーヤーが提供するプラットフォーム上でのビジネス展開になります。具体的には、Google 様やSalesforce 様になりますが、どちらも安定しているというだけでなく成長もしているので、このような世界的なプレーヤーとパートナーを組めていることは非常に強みであると考えます。3つ目は、代理店チャネルと直接販売チャネルを両輪とした二つの販売チャネルを保持しているという点となります。代理店チャネルの販売パートナー様とは非常に良い関係を構築できていると考えており、また、直接販売チャネルはお客様からのアプローチが主体となっており、売れる仕組みが構築できているのが当社の強みとなります。4つ目は、安定性と成長性を両立させる継続収益モデル、具体的にはサブスクリプション型リカーリングレベニューモデルを確立している点が挙げられます。
ただし、これらは結果としてでている点であると思っています。一番はこのような基盤をつくり上げてきた退職された方を含めた役職員の方々の存在、また多くのパートナーの皆様との関係が当社の一番の強みであると感じます。 

編集者:rakumo はビジョンで「仕事をラクに。オモシロく。」を掲げていますが、rakumo やGoogle Workspace のサービスは西村さんご自身の「仕事をラクに。オモシロく。」に繋がっていると感じますか?

西村:それはかなり感じますね。私は、この会社に来て初めてGoogle Workspace やrakumo のサービスを利用し、かなりの業務が短縮できたと感じました。具体的にrakumo カレンダーを挙げると、前職では起こっていたスケジュールの重複がなくなりましたし、会議室等の設備も同時に管理できるので非常に役立っています。その意味でrakumo やGoogle Workspace は「仕事をラク」にするツールが多くあると思います。やはり、限られている時間のなかで、作業の部分に割く時間が短くなれば、その分、例えば経営管理部門として「今後どのような人を採用すべきか」や「これから会社として伸びるためには今どこに人をアロケーションすべきか」といった考えることに時間を割くことができます。私は解のないことを考えることが非常に面白いと思っているので、作業の負担が減って考える時間を増やせることは「仕事をラクに。オモシロく。」に繋がっていると感じます。

編集者:IPO業務でもrakumo やGoogle Workspace のサービスは役に立ちましたか?

西村:はい、特にrakumo ワークフローとrakumo キンタイは非常に役に立ちましたね。いわゆるIPO審査のなかでは、決められた職務権限表に沿って仕事がなされているか、その証憑はどうなっているかというのを細かく聞かれます。rakumo ワークフローはそれを一覧でだすこともできますし、システム化されているので誰がどのようなコメントをしたかやどのように承認したかを簡単にだすことができます。rakumo キンタイも同様に、有給休暇や労働時間が正しく管理されているかどうか等、正確な証憑を簡単にだすことができました。IT統制が効いているので非常に便利でした。また、Google Workspaceの共同作業ツール(スライド、ドキュメント、スプレッドシート等)は非常に役に立ちました。

編集者:それでは、現在のrakumo の課題と感じている点を教えてください。

西村:当社はより利用者を増やすポテンシャルがあると考えているので、これからさらにどう広げていくかが現在の一番の課題かと思っています。既存のGoogle Workspace ユーザー企業へのrakumo 製品の導入比率はまだまだ上げる余地があると考えているので、そこにフォーカスをあてることが事業成長を図るうえで非常に重要であると思います。
これに関しては、営業やマーケティングの方々が既にたくさんのアプローチをしています。特に営業の方々はパートナー様との関係を高めるためにウェビナーといった勉強会やこちらからのアプローチを積極的に行っていますので、そのようなことをこれからも愚直にやっていきたいと思います。

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これからのrakumo

編集者:だいぶ先を見据えた質問になってしまいますが、10年後のrakumo はどうなっていたいと考えますか?

西村:現在すでに、40万人以上及び1,950社以上のお客様に当社製品を使用していただいておりますが、更に多くの方々に当社製品を使っていただけていると嬉しいですね。そして、お客様が当社製品を使うことで、お客様の本業により集中できるような業務基盤の構築に更に貢献していきたいと思います。また、現在の既存の製品だけでなく、更に便利な製品を世の中に出していきたいと思っています。さらには、日本にとどまらず、海外などへも当社製品を普及させていけたらと思っています。

編集者:最後に、今後西村さん自身が力をいれて取り組みたいことはありますか?

西村:まずは、しっかりと上場会社としての責務を果たしていきたいと思っています。具体的には、四半期ごとに正確な財務諸表をだしたり、投資家の皆様に向けた情報発信を適切に行ったりしていかなければなりません。また、コンプライアンス違反を起こし、会社の信頼を失うようなこともあってはならないので、そのようなことに関しても研修等しっかりと取り組んでいきたいですね。そして、一定の基盤をしっかりと整えた後には当社自身がベンチャー企業への出資をするなど、世の中を様々な観点からより便利にしていけるような仕事に関与していけたらと思っています。

編集者:これからのrakumo がますます楽しみですね。今回はありがとうございました!

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