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地上最強の男臭きロックバンド、『ピンクリボン軍』について。

ピンクリボン軍。人によってはこの名前は懐かしく感じる人もいるカモしれない。

ピンクリボン軍(ピンクリボンぐん)は神奈川出身のロックバンドである。1998年3月結成。2003年インペリアルレコードよりメジャーデビュー。2007年9月に解散を発表した。
Wikipediaより引用

ライブバンドとして活動していたピンクリボン軍。今現在日本のロックバンドとして異常なまでの集客率を誇るロックバンド、マキシマム ザ ホルモンなどとも幾度と対バンを行っていたり、BPRに何度も出演していたり、解散後も2度ほど一度限りの復活ライブ(1度目はホルモンとの対バン、2度目は2018年9月22日に愛知県で行われた火の玉宣言ロックフェスティバル)を行なっているが、
今になってはその名前はかなりマイナーなものになり、ネットで情報を漁っても知った情報ばかり。
Twitterを見ても情報は出てこず……
と言うことで自分から行動してみることとした。
日本語を基調とし、日本語を大事にし、独特の語感、独特のボーカルなど、嫌いな人はトコトン嫌い。だが好きな人はトコトン好きになる、
まさに男泣きロック。それがウリだった。
YouTubeを見てみるところ、一度だけテレビ出演も行なっていたそうだ。

曲については後述。

一枚のシングル、三枚のミニアルバム、四枚のアルバム、一枚のDVDを残し、去っていったこのバンドは解散理由も明かさぬまま、渋谷O-WESTにて解散ライブを行った。
私は常々、解散とは死ではなく、再生停止、それだけだと思っている。
自分が聞こうという気持ちがあるだけで死ぬことはなくいつだって流すことはできる。
それでも自分が好きになり、生まれた時代にはもういないというのは流石に悲しいものである。
私は2020年初めから聴いているのだが、
かなり総力を上げてアルバム6枚を集めた。
もちろん、前述した通りマイナーなものとなったため入手は簡単と口先だけでも言いたくないものだったが。
それでもまだ残っているアルバムもある。
それほどまでに私の心を揺さぶったのだ。
2005年生まれの私が、2020年に、2007年に解散したバンドのCDを集め、
なぜここまで熱狂し、求め、男泣きし、感銘を受け、影響を受けたのか。

今から説明する10曲+3曲、合計13曲でそれを理解してくれれば嬉しい。

1.真夏の蝉にて

インディーズ時代より歌い継いできたこの歌は、儚い一生を生きる『人間』の歌。
ピンクリボン軍の曲といえばこの曲という人も多い。
ユッキー(Vo.松下直幸氏)の、無茶苦茶ながらも熱い歌詞、言葉遣いがひしひしと伝わってくる。

2.歩く愚痴り男

こちらもインディーズ時代より歌い継いできた一曲。現実的ながら、わがまま。私一個人の感想だが、非常に人間らしい。
今シーンに立つアーティストの誰が
金くれ。なんて言ったろうか。
このライブ映像は最後のライブが映されており、この曲にかける真っ直ぐな汚い思いが描かれている。さて、この楽曲と1つ目の楽曲、のちに紹介する『たんぽぽ』には2つのバージョンが存在しており、
全て、インディーズ時代とメジャーデビュー後の違いである。インディーズ時代も、メジャー後も、聴き比べてみるとニヤリとするものがある。

3.初恋

ピンクリボン軍最大のヒット曲。
それがこの『初恋』
青春パンク、というジャンルにピンクリボン軍がカテゴライズされるきっかけとなった(私はそうとは思わないが)曲であり、完全な代表曲と言えるだろう。
さよなら、ありがとう。まだ始まってもいない、まだ見てもいない恋に、まだ見ていない景色に、期待と、胸の熱さを。

4.セチガラバラッド

こちらは唯一のシングルカットとなった楽曲。
失恋したが、決してあなたに未練などない。
その男らしさもまたこの曲にこもった熱さだ。
ピンクリボン軍を語る上では大概そうだが、
決して強くない。だが己を強いと思い、
全くわからない世界に突っ込んで弾ける。
そんな、泥臭い人間がわかってくる。
『セチガラバラッド』は特にそうではないだろうか。

5、6.ラリルディスコ、鳥肌犯罪都市

アルバム、『RARIRU☆DISC』より、
『ラリルディスコ』とアルバム曲である『鳥肌犯罪都市』。
『ラリルディスコ』は圧倒的テンションで広げるピンクリボン軍の汗だらけ、泥だらけのロックンロールディスコサウンド。原曲もライブもそうだが、聞けば速攻ブチ上がる、狂気的なサウンドが魅力だ。
『鳥肌犯罪都市』は、相対的に、静かな路地裏で、泥にまみれた人間の野望のような楽曲。
私はこの楽曲がピンクリボン軍の中で5本の指に入るほど好きだ。
純粋にロックバンドとしての実力。力量。
かなり明らかになる一曲。

7.シアワセならば手を叩こう

この曲もアルバム、『RARIRU☆DISC』
からの選曲。アルバム曲ながら、非常に人気のある楽曲だ。
アルバム、『RARIRU☆DISC』はピンクリボン最後のアルバムながら、完全に完成されたサウンドで多彩な音をピンクリボン軍らしく奏でている。その中でもこの曲は、初めて聴いた瞬間骨抜きにされた。
酷くでかい世界にひとりぼっち、訳もわからず散々。特に何かできるわけでもないが、それでもシアワセだと胸を張って今日を凌いで明日も生きよう。
決してまともで綺麗ではないが、とても胸にグサリとくる一曲だ。

8.稀の雪

『稀の雪』は、ピンクリボン軍にしては珍しく
かなりのバラード曲。静かな曲は雪を降らせるよう。。。
この曲はアルバム、『テンテコ大逃走』の最後の楽曲で、是非ともこれはアルバムを手に入れて聴いてみてほしい。
ユッキーの圧倒的な歌唱力に圧倒されるだろう……
『歩く愚痴り男』のような暴力的な歌声を聞くと、この楽曲は相対的にとても静かで、なぜか落ち着いてしまうのはなぜだろう。。。

9.ヤニ雲

やはりピンクリボン軍は暴力的なロックだ!
というわけで『ヤニ雲』。
ライブでは前半に演奏されることの多い楽曲らしく、このラストライブでも前半に演奏された。合いの手のタイミングといい、耳につくメロディといい、完全にライブ向きの楽曲。
もうこのライブが行われないというのだから寂しい話だ……

さて、ここまで9曲お話ししたが、全てライブ映像であるのがお分かりだろうか。
実は、YouTubeにアップロードされているライブ映像は、唯一のライブDVD、
『20071010 PINKRIBBONGUN TOUR FINAL shibuya O-WEST』での映像である。
これはピンクリボン軍としての、最後のライブであると同時に最初のライブDVD。
ピンクリボン軍がライブバンドである以上、
ライブ映像を見ていただかないことには話が始まらないと思ったためである。
ここから紹介する+3曲は、どれも私一個人の好きで選ばせてもらったアルバム音源の曲である。
ここまで読んでピンクリボン軍を気に入ったあなたは、是非聴いてほしい。

番外編1.たんぽぽ

実はこの楽曲、ミニアルバム、『タンポポe.p.』のタイトルトラックなのだ。
なぜプラスアルファに含めたかというと、
映像作品であるライブDVDでは演奏されなかったからだ。
正直不思議である。
緩急の激しいこの楽曲は、実は代表的な曲であると同時に、かなり好き嫌いも分かれそうだ。

番外編2.化ケモノ劇場

さて、次の楽曲は完全なアルバム曲。
アルバム曲はアーティストのクセが出るというが、ピンクリボン軍は全てがクセそのものなので、、、、と思っていると痛い目を見る。
このアルバム『ジャイアンドロック』は、通してみてもかなりクセの強いアルバム。
その中でもかなり聴きやすい方の曲と思われる。
人間という感情を持ち、それに振り回され続ける化け物。そんな観点から見た、面白い一曲。

番外編3.しょうもない日々の歌

番外編最後は、私がピンクリボン軍最も好きな楽曲、『しょうもない日々の歌』で行こうと思う。正直にいうとこの楽曲は、かなりピンクリボン軍らしさはない。クセのない曲である。
アルバム、『RARIRU☆DISC』の三曲目でありながらも、まるでエンディングのようなこの曲は、私の中でピンクリボン軍という存在を押し上げた。
力なき自分は、失敗、糞みたいな経験、思い出したくも踏み台にしたくもない嫌な思い出、今もなお憚り続ける試練や病気、、、そんなくだらない、しょうもない感情を持って生きてる。
そんな自分とどこか照らし合わせてしまったのがこの曲だった。

今日あったことを綴ろう
妬みだとか嘘や強がりだとか

決して素晴らしい事ばかりでない『しょうもない日々』も、決して良いとこばかりでない
『しょうもない自分』も一切合切許容して、
つまづいたって前向きを噛み締めて、
『素晴らしき日』へ向かう。
汚くも泥臭い彼らが送る、最高にキレイでかっこいい一曲だ。

10.中退

やはり最後はこの一曲。
最後のライブでは2度のアンコールの末、最後に演奏された正真正銘の、『代表曲』
ピンクリボン軍の男臭さが最大限に押し出され、
ピンクリサウンドの特徴である、『決して綺麗でないが背中を押す力』が、最もこもったと言える楽曲である。
メジャーデビュー最初のアルバム、『東男』
に収録されたこの曲は、メンバーからしても、ファンからしても思い深い楽曲で、全く綺麗事のない歌詞は、もう今となっては現れないものだろう。
新たな旅路へ向かうものたち、新たな道へ立つものたち、そんな人に、非力ながらも全てをぶつけ、全力で応援する。力になる。そんな男臭さが全開だ。

生涯でこれダントツの
男の賭けに出た
後悔などしておらん
いや、むしろ勃起してた

それはきっと彼ら自身もそうだったのだろう。
音楽、バンドというある種、世間の職業においては一番賭けと言える職業だろう。
だが自分を歌い、形にするために彼らは大博打に出た。だが、全くの後悔などなかった。
それは結成から解散まで、きっと同じだったのだろう。

さらば、愛おしき馬鹿野郎
頑張れよ
友よ、遠慮するな
勝ちにこだわれ
若者なら

最後の最後のこの曲を演奏するのは本当にニクいと言えるだろう。そうやってピンクリボン軍を聞けば聞くほどこの曲への想いは深まるばかりだ。

いかがだったろうか。かなり全力で書き殴ってみたが、正直言ってただの布教である。
この記事をふとみて、ピンクリボン軍を好きになって、少しだけでも聴いてくれれば本当に嬉しい限りだ。


そしていつか
涙したときには
唄ってやらぁ

この言葉が形となり、もう一度汗だらけになり唄ってくれることを祈り、しょっぺえ青い日々を、生きていこうではないか。

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