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落語を見るには

落語の映像・音源の本数

落語の映像・音源は豊富にあり、簡単に入手可能である。

だが、落語家の数に対しての映像・音源の数というのは、相対的には少ない。

つまり、今あなたがある一人の落語家を好きになったとしても、その映像・音源が今後残される確率は低い。
また、残ったとしてもその映像・音源は数本しかなく、高座(落語の舞台)で滅多にやらない話などは無いに等しい(前座話など)。

さらに亡くなった落語家さんでも、若い頃の映像・音源は残っていても晩年の噺は残っていない、なんてこともある。

結論として、今までの落語家さん(生きてるのも死んでるのも)がやってきた噺の数に対して、映像・音源の数はかなり少ない。

よって、今すぐ、落語はできるだけ多く観るべきだし、実際に生の高座を見に寄席(主に落語をしているところ)に行くべきである。
YouTubeなどが普及して、これからいろんなソーシャルサービスが出てきたとしても、やはり生で観るべきである。


寄席とは

いろんな芸人さんが出てくる劇場。ここに行けば前座から真打までの落語を聞くことができる。

主に落語が多いが、他に講談・漫才・漫談・コント・マジック・大神楽・ジャグリング・腹話術など(落語・講談以外のものを「色物」という)。

東京では「上野 鈴本演芸場」「池袋演芸場」「浅草演芸ホール」「新宿末廣亭」「国立演芸場」。
愛知では「大須演芸場」。
大阪では「天満天神繁昌亭」。
他にもあり。

365日毎日やっているところや、月初めだけやっているところがあったりするので、ネットで調べてみたり電話で聞いたりしてみよう。

大須演芸場は毎月初め(第1週)のみやっている(他は落語家さんの独演会などが行われている)。チケットをネットで事前購入出来、当日券より安い


じゃあ今すぐ寄席いけばいい?

「今すぐ見に行け!」と言った。もちろん行ってもいい。

ただ事前準備を入念にしておいたほうがいい。

というのが筆者の考えである。

今では寄席というのがどんなもので、どのように利用すればいいのかわからないことが多い。また、寄席に入ったとしても、落語がわからなくて、終わった後「なんだかよくわからなかった」という感想になりかねない。

特にテレビっ子、YouTubaby(ユーチューベイベー)の我々にとっては、実際の高座を見に行くというのはハードルが高い。
本来は低いものであるが、いつの間にか能・狂言・歌舞伎のように、庶民のものではなくお上(権力者)の物のようになってしまった。

寄席に行く前にいくつか準備をしておこう。


寄席のハードルは二つある

筆者の感覚で二つだと思った。他にハードルがあれば教えて欲しい。

1:「入場の仕方がわからない」

まず服装は自由である。

入場の仕方は簡単である。遊園地、動物園、クラブなどと同様に受付さんがいる。

受付の人に「今から見たいんですけど」と言えばあとはなんとかなる。
受付の人か疑わしい人がたまにいる。その場合は「受付ってここですか?」って聞けばいい。


席は基本的に自由
だと思うが、これも受付の人に聞けばいい。

座ったあとは、落語を聞くだけ。


2:「落語が理解できない」

これが怖い。何を言ってるのかわからない。
寄席のプログラムではほとんどが落語である。

もし不安であれば、行く前に落語をいくつか聴いておくといいだろう(下記の「できるだけ金をかけずに視聴」を参照)。

これは人によるが、私はネタバレ歓迎派の人間である。映画でも、どんな話でどんなオチか、を教えられても全然平気な人間である。

落語のあらすじとオチを知ってから、別の落語家さんの話を聞いても、問題ないと思っている。
本来は、何もない状態で落語を聞くのが理想的である。だが、現代っ子にとっては知らないことが多すぎる。

筆者の感覚では、落語は歌を聴くのに近い。
同じ歌でも何度でも聴ける。同じ人が歌っても何度でも聴ける。歌詞を知っていても聴ける。メロディを知っていても聴ける。
歌う人が違っても「ああ、これはこれでいいな」と思う。もちろん「この曲はやっぱり、あの人じゃなくっちゃ」と思ったりもする。

こんな感じである。

落語が恐いと思う人は、家で、できるだけ金をかけずにみてみよう。


落語が難しいものだと思う人へ

落語がどんなものか知る方法を以下で紹介する。
「できるだけ金をかけずに知りたい」にて予習するといい。


できるだけ金をかけずに知りたい

色々紹介するが、筆者個人としては(後述)を読んでみることをおすすめする。それから、色々映像を見てみるとわかりやすい。

YouTube(無料)

落語の公式チャンネルが豊富に存在する。


Audible(有料)

月額聴き放題。立川談志・三遊亭圓生・古今亭志ん生などの落語が聞ける。DVDやCDを買って聞くよりは十分安い。


Amazon PrimeやU-NEXT(有料)

「落語」と検索すれば出てくる。


レンタル

CDはTSUTAYAなどに置いてあることが多い(特に、桂枝雀・立川談志・古今亭志ん朝・桂米朝)。DVDはそんなにないかもしれない。


テレビ

落語研究会、演芸図鑑、日本の話芸。NHKで放送されていることが多い。CMを挟む民法の場合、放送されることは少ないが、30分のネタを5分ぐらいにして、なんだかよくわからなくなってる場合が多い。


個人的に一番おすすめの方法である。

単純に落語に関する本を読んでみるのはどうだろう。
あらすじを紹介している本、マンガなどもある。
いくつかおすすめを紹介しよう。

・「落語の名作 あらすじ100」

タイトルの通り、落語100席のあらすじを紹介している。
筆者一番のおすすめである。
というのも、筆者はこの本から一席選んで、それを読んでから(だいたい2〜3ページ)、落語を映像・音声を視聴することにしていた。
文章のテンポが、落語的テンポで一番好き。

・「落語名作200席」

これもあらすじ解説の本である。「落語の名作 あらすじ100」より話の数が多く、演者に関する一口メモのようなものがある。上巻の他に下巻がある。

・「古典落語(上)」

あらすじ解説本ではなく、話がそのまま書いてある。いわば「台本」である。これだけ読んでも面白いかもしれない。落語解説の記事を書いている筆者にとっては、これが一番助かる。
特に、実際の落語を観たときに、演者が何を言っていたのかわからない、なんてことがある。それが演者個人が盛り込んだセリフだった場合は困るが、伝統的に受け継がれた言葉の場合は、これを見れば解決する。

例えば、野ざらしのセリフで
「よものやまやまゆきとけてみずかさまさるおおかわのあげしおみなみで……」
が何を言っているのかわからなかったが、「古典落語(下)」にて
「四方の山々雪とけて、水かさまさる大川の、上げ潮南風で……」
と解決した。

上巻の他に6冊ある。

・「名作落語50席がマンガで読める本」

タイトル通り、マンガである。
落語世界を理解するために、これをおすすめする。
50席あって、一席につき2〜3ページでお手軽である。

今では笑点メンバーである桂宮治さんや、テレビで活躍している講談の神田伯山(当時:神田松之丞)さんなどが在籍していた二ツ目ユニット「成金」による解説が含まれている。

余裕があれば金を払う

購入:ショップやAmazonでCD/DVDを買う。気に入った落語家さんがいれば買うといい。無闇に買ってしまうと後悔する。もしお金があるなら、これに使う。

欲しい……。

これは持ってる。死ぬほど聞いた。
柳家小三治さんは「マクラの小三治」と言われるほど、マクラ(落語の導入部)が面白い。(もちろん落語も面白い)
その結果、落語の導入部であることを逸脱し、小三治さんはマクラの会を開くことに。
「めりけん留学奮戦記」「玉子かけ御飯」「駐車場物語」などの話が収録されている。

落語という話に抵抗がある人は、ぜひマクラだけ聞いてみてはいかがだろうか。


これに金を使いたい

独演会/一門会など:落語家さんの(単独)ライブがある。
近所に寄席がなくても、近くで落語会をしてくれる。『チケットぴあ』などで調べてみよう。寄席ではできない長い話を聞くことができる。好きな落語家さんがいたら、是非いってみよう。旅費とか余裕があれば、そこまでいって聴きに行きたい。

寄席(よせ):落語の基礎の基礎ぐらいがわかってきたら、ぜひいってみよう。


回転寿司とケンタッキーが好きです。たらふく食べたいです。落語も見たいです。サポートお願いします。