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落語も恋も“最初の3分”が大事。


「ビビビっ♪

とりわけ松田聖子のファンというワケではないが、彼女が世をわかせた懐かしの名言には共感を覚える。

結果的に彼女のビビビ婚は卒婚に持ち越されたのだけども、この第一印象から得る直感というのはその人にとって非常に重要な情報を多分に含んでいるのだと思う。




わたしは、『恋は3分で決まる』と思っている。


実際に今までの恋はそうだった。

わたしが相手に落ちる可能性

相手がわたしに落ちてくれる可能性

そんなものを測るのは、3分もあれば充分なのだ。


出会って、目が合って、挨拶を交わして、

3分経ったときに、

「あ。好きかも」

と思えば、そこから恋は始まる。


嗚呼、きっと、生まれる前からこの人とは、運命の赤い糸で繋がっていたんだわ・・・





・・・なーんて、乙女チックにうっとりしているワケではなく、『メラビアンの法則』からくるものなのだろう思っている。

営業畑のビジネスマンやカウンセラー、コーチングを生業としている人にはお馴染みの『3Vの法則』ですね。


↑書いてみると『仮面ライダーV3』みたいだね!水木一郎アニキの「スリーーーブィッーーー!」って声がきこえて来そうだね!←



今さらわたしが語るまでもないが、人は相手の情報を以下の通りに受けとるらしい。

目からの情報 55%
耳からの情報 38%
会話からの情報 7%

と言っても、本来これは

“竹中直人現象”

(「笑いながら怒る人」を知らない人は調べてね!)

が起きたとき、その人の感情を判断するためにどこからどの割合で情報を得ているかというデータらしい。

それを拡大解釈したものが、研修やセミナー、結婚相談所のカウンセリングとかで使われているわけだ。



うん、わたしは3分間で目と耳から情報を得て、脳とハートで精査しているんだなー。

そりゃあ、その昔中途採用の面接官やってるなかで、未来の夫を見つけましたよね。


え。



さて、落語での『3分』と言えば、

出囃子が流れて、

噺家さんが高座まで歩いて、

座蒲団に座ってお辞儀して、

まくらを話しはじめて少し経ったくらい。

・・・でしょうか。



わたしはここまでの情報で、無意識に“初めまして”の噺家さんを選り好んでるのかもしれない。


目から入る情報として、

歩き方、着物の着こなし、座蒲団への座り方、お辞儀の丁寧さ、表情、顔立ち&顔つき・・・etc.


耳から入る情報として、

出囃子、足音、着物さばき、観客の反応、発声のしかた、声色・・・etc.



あゝ、こう並べてみるとなかなか多くの情報カテゴリーがあるのだな。


わずか3分と言えど、

ウルトラマンも宇宙怪人を倒せるし、

カップラーメンも作れちゃう。


割と“必要充分な時間”なのかもな。3分間って。

あ。

東京事変で椎名林檎が言ってた『能動的三分間』って、きっと落語の導入の3分間のことだったんだな!←


最近、落語高座のオンライン化が進むなか、「もっと“技術力”を磨かなくてはいけない」と焦っている噺家さんが多いように感じる。

確かに寄席の現場よりもオンライン動画では、誰かと誰かの高座を見比べて“技術力”を比較しやすいから、アラが悪目立ちしてしまうかもしれない。


でもね。


もう、 残念ながら“最初の3分”で勝負はついているんだよ。



例えば、貴方が噺家さんだったとして、客席に珍しく若くて可愛い女の子が居たとする。

「この子、僕のファンになってくれないかしら」

と思った時にはもう遅くて、その女の子の方が先に噺家を無意識下でジャッジしている。



“本編である演目の技術”以上に“導入の3分間”にかけろ!

技術力を磨くのは当たり前だろ、プロなんだから。



・・・って、これ自分自身に言ってるわね、ワタシ。

やれやれ。



わたしが連雀亭でも末広亭でもその他の落語会でもできるだけ最前列に座るようにしているのは・・・


ミーハーなファン心理ももちろん発動しているんだけども・・・

「この噺家さんは『最初の3分間』をどう大事に使っているのかな」とお勉強させていただくためでもある。



あぁ、この人は高座までの短い距離を美しく歩くのね。
あぁ、この人はきちんと着物を着付けるのね。
あぁ、この人は品良く座布団に身を据えるのね。
あぁ、この人は柔和な笑顔で客席を見渡すのね。
あぁ、この人は意識して背筋をしゃんと伸ばすのね。
あぁ、この人は丁寧に指先を揃えて挨拶をするね。
あぁ、この人はこんなに耳あたりの良い発声をするのね。


・・・って、その日の寄席で学んだことは、その日の私自身の仕事に活きるように、ちゃあんと使わせていただいてますよ♪

そして、『最初の3分間』を丁寧に扱ってる人は男女問わずに魅力的に映るから応援したくなっちゃうし、確実にまわりに愛されて人気者になっていくよね。


もちろん、噺家さん以外でも、ね。








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